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アザラシやトドってどんな味?『ゴールデンカムイ』に影響されて「獣肉特別セット」を食べてみた

  • 2022年7月12日
  • Walkerplus

2022年4月に完結し、7月19日(火)に最終巻が発売する漫画『ゴールデンカムイ』。ストーリーのおもしろさはもちろんだが、なかでも目を引くのが、キャラクターたちがおいしそうに食べるジビエやアイヌの伝統料理。読みながら「おいしそう…」と思った人も多いのではないだろうか。主人公たちが食べているエゾジカやアザラシの肉はあまりにおいしそうで、深夜に『ゴールデンカムイ』を読んでしまった筆者にとっては、まさに飯テロそのものだった。

漫画を読みながら、ジビエへの思いを募らせる日々。そんな時に見つけたのが「獣肉特別セット」だ。これはエゾジカ、イノシシ、クマ、アザラシ、そしてトドの肉の缶詰セットで、なかなか食べることのできないジビエを一気に5種類も味わうことができる商品だ。

今回は同じく『ゴールデンカムイ』を一気読みし、「獣肉をヒンナヒンナしてみたい!」とジビエに興味津々の担当編集と5種の獣肉を食べ比べ。果たして初めての獣肉は口に合うのだろうか?そして気になる海獣、アザラシとトドのお味はいかに⁉︎

■5種類の獣肉がズラリ!気になるのは“獣臭さ”
獣肉特別セットとは、北海道の物産を扱う株式会社吉粋がオンラインで販売している商品。5つの獣肉が醤油や味噌で味付けされており、ジビエを食べ慣れていない人でも食べやすくなっている。

注文して数日後、北海道から届いた獣肉セットを机に並べてみる。カラフルな色使いにやたらリアルな動物たちが描かれたパッケージで、「ここに大自然が詰まっているのか…」と2人して圧倒されることに。ワイルドな猛獣たちと対峙しているような緊張感に包まれた。

早速、それぞれの蓋を開けてみることに。開け口はプルトップになっているので、いざ開けるときに「缶切りがない!」という心配も無用。キャンプなどで缶切りを忘れた時でも問題ないので、いつでもどこでも獣肉を楽しむことができる。

イノシシとクマは牛肉を炊いたものに近いビジュアルだ。エゾジカはこの2つに比べると色が濃いめで、少し脂身が少なく感じる。脂身が少ない赤身がメインで使われているのだろうか。ただ、どれもしっかり長時間煮込まれているせいか獣臭さはない。

そして気になるアザラシとトドは、どちらもほかの肉に比べて黒い。缶を開けた瞬間、担当編集が「おっ…おお」と思わずたじろぐほどだった。肉というよりも血の色のように感じた。しかし匂いはおいしそうな醤油の香り。これならあまり臭みを気にせず食べられそうだ。

■エゾジカはあっさり、イノシシは野生味たっぷり?
ついに実食。「最初は味の想像ができるやつがいいかも」ということで、エゾジカに決定。ジビエとしてシカはメジャーであり、高タンパクで低脂肪、さらには鉄分が豊富という栄養満点な肉だそう。一切れ箸で掴んでみると水分が少なく、少し硬め。

食べてみると、「しっかり赤身!」という味と食感。水分が少なく、ジャーキーのように噛めば噛むほど肉の風味がしっかりと滲み出てくるので、噛みごたえのある食材が好きな人にはぴったりかもしれない。想像していたような獣感も少なく、担当編集も「これは食べやすい!鶏肉に近いあっさり感」と箸が止まらない様子。

次に食べたのはイノシシ。こちらはエゾジカに比べて色が薄めで照りがあり、食欲をそそる。ひと口食べると「あー!シカの5倍は獣!」と担当編集が絶叫。しかしジビエ特有の野生感のある臭みというよりは豚肉に近い感覚だったため、嫌な感じではない様子だった。

むしろ「ちょっとチャーシューっぽい」と気に入ったようで、次々に口に入れていた。醤油と程良い臭みが合わさって、食べ慣れた味だったのが驚き。イノシシについては「これは豚肉です」と言われれば、そうと思い込んでそのまま食べ続けてしまいそう。獣肉初心者には1番おすすめしたい。

■クマはあの大阪名物にそっくり!?
お次はクマに挑戦。クマの肉は狩猟されるか罠で捕獲する以外に手に入れる方法がないため、とても貴重なのだという。そのため、なかなか食べる機会がないうえに「ザ・獣」というイメージもあって、担当編集も口に入れるのを恐れている様子。肉の見た目は5種類のなかでは最も色が薄く、味噌で煮込まれておりタケノコと生姜も入っている。

なぜか目を瞑りながら恐る恐る口に運んでみると「牛すじっぽい!牛肉より獣感があるけど、全然食べられる!おいしい!」と絶賛。口に入れた第一印象は大阪名物の「どて煮」に近く、おかずとして違和感がなく食べられそうな味だった。エゾジカやイノシシに比べても脂身が多く、ぷりっぷりの食感。一緒に煮られているタケノコや生姜との相性も抜群だ。

筆者は猛烈にご飯が欲しくなったが、酒飲みである担当編集は「これはビールだな」とひと言。「ヒンナヒンナ…」と、『ゴールデンカムイ』のワンシーンを思い出しながら、ビールでぐびぐびと流しこんだ。

■気になる海獣・アザラシ&トドのお味は…?
次に口にしたのは、味の想像がつかないアザラシ。見た目は5種類のなかで4番目に黒く、まさに“未知との遭遇”といったところ。担当編集は「ちょっとビビってるかも」と、匂いを嗅いだりして食べるのを躊躇していた。箸で持つと身がほろほろと崩れ、思いのほか水分は少なめの様子だ。

勇気を振り絞って口に放り込んでみると、「あ!そうなるのか!おいしい」と思わぬ反応が。「獣感というよりは魚っぽいクセがあって、魚介が好きな人にはいいと思う」と話していたが、たしかに野生味のある味というよりはマグロなど魚の煮付けに近い。日本酒とも合いそうな味だ。ただ、少し血の味も感じるので、レバーが苦手な人は食べにくいかもしれない。

そして最後はトド。今回の獣肉セットのなかで最も味が読めないため、ラスボス感が半端ない。見た目はアザラシに近いものの、かなり黒くてしっかり煮込まれた様子。このような機会でないと決して食べるとのない海獣…一体どんな味がするのだろうか。

担当編集が思い切って口に入れると、「あ、クセ強っ」とポツリ。「おいしいけど、魚感が強いのにトドより獣っぽさがフワーッと感じられる。言葉では表現できないクセがあるから、一度食べてみてほしい」と、とにかく食べた人にしかわからない味わいらしい。筆者も食べてみたが、「鼻の奥のほうにトドがいる気がする」という意味不明な感想しか出せなかった。味わいとしてはアザラシと似ているが、クセがパワーアップされたのがトド、という感じだ。ただ、担当編集からは「でもビールにはしっかり合います」とコメントが。ジビエ初心者にはあまりおすすめできないが、珍味好きはぜひトライしてみてほしい。

■おつまみにもご飯のお供にも!自宅で気軽にジビエを楽しもう
全てのジビエを食べてみて、それぞれ味や香り、臭みの種類までが全然違うことがわかった。陸の獣は思いのほか獣臭くなく食べやすい味で、おつまみとしてもおかずとしてもイケるという結果に。逆にアザラシやトドは、魚の味わいに近くクセが強い。魚介好きの担当編集は、イノシシ、アザラシ、エゾジカの順番に好きという結果になった。

「イノシシは豚肉っぽさがあり抵抗なく食べられて、おいしかったです。アザラシは私が魚好きなこともあるので、個人的にはけっこうおすすめ。エゾジカは鶏ムネ肉に近く、本当に食べやすかった。食の好みによってどの獣肉が好きか、大幅に変わってくるかもしれませんね」

ちなみに筆者はどて煮が好きなこともあり、味わいが近かったクマが圧倒的に1位。逆にアザラシやトドは血の味を強く感じ、レバーが苦手な筆者の舌にはあまり合わなかった。5種類それぞれ個性が強いため、こんなふうに家族や友人とわいわい食べ比べるのも楽しそうだ。

今回貴重な経験をさせてくれた「獣肉特別セット」。『ゴールデンカムイ』を読んでジビエを食べてみたくなったという人は、自宅で気軽に獣肉を試すことができるのでおすすめだ。この機会に、命をいただくありがたさを味わってみては。

取材・文=福井求

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