「さぁ、トイレに行くぞ!」と思ったらホームルームが長~い!?という経験はないだろうか?今回はクラスメイトの体操着がなくなってしまったことで「犯人が名乗り出るまで帰しません!」と担任がいい始めたことからスタートするトイレバトル漫画、くさかべゆうへい(@bakasakuiheuyu)さんの「僕の一番長い日」を紹介する。
学校という縛られた空間の中で起きる、担任の「帰らせない」という一言。トイレに行きたい男子生徒の心の咆哮や葛藤が実に笑いを誘うギャグ漫画だ。本作は新人コミック大賞<少年部門>入選受賞作品。電車の中では読めないほど笑ってしまう、本作の制作秘話をくさかべさんに伺った。
■「トイレに行けない」縛りが人を狂わせる!?
――まずは、表紙の爽やかさと本編のギャップに笑いました。新人コミック大賞で入選されたとのことですが、もともとこのようなギャグ漫画を描いていたのですか?
もともとはバトル漫画を描いていましたが、なかなか新人賞で受賞することが出来ませんでした。ある時たまたまギャグとバトルの両方が入った作品を描いたときに編集さんの反応が良かったので、すぐギャグものに切り替え、新人賞で賞をいただくことが出来ました。
――「犯人が見つかるまで帰しません!」という、担任のセリフ。すぐに帰れると思っていたからトイレを我慢したのに、と結構多くの人が体験しているんじゃないかと思うのですが、思いついたきっかけはなんですか?
「トイレを我慢する主人公」というのが最初に思いついて、そこからどういう状況なら面白いかなと付け足していった感じです。
――爆笑ポイントが多く人前で読んだら吹いてしまうな、と思いました。プロットの段階から企みがあったんでしょうか?何か裏話や秘話があれば教えてください。
序盤はすぐに決まりましたが、後半の展開は何度も直しました。直していく中で「どうでもええやん」と先生が言う展開を思い付いたので、そのセリフに説得力を持たせるための展開を考えていった感じです。あとは出来るだけリアルな絵の方がシュールになると思ったので、デスノートとか参考にしながら描きました。
――尿意を我慢したことで主人公が境地に達し、一旦解脱しますね。よく構成が考えられているなぁ~と思いました。これは、体験談も混ざっているんでしょうか?
考えたところでトイレには行けない状況なので、その事を一旦忘れるというか。とにかく今をどう乗り切るかを考えるかな、と思ったのでこういう展開になりました。僕は頻尿なので我慢出来ません。
――たくさん笑った挙句の最後の「オチ」。読者のみなさんもびっくりでしたね。あのラストの表情、何を込められたのでしょうか?
もう何も考えられなくなった時の表情です。
トイレに行けない状態を経験したことのある人は「わかる!」と、爆笑もひとしお。また、最後のオチに「紙も仏もねえ」「一難去ってまた一難」とのコメントが届く。最後まで見逃せない展開で読後に爽快感をもたらしてくれる。
現在、くさかべさんは、週刊少年サンデーにて「白山と三田さん」を連載中!田舎に住む地味な男女の恋愛模様を描いたコミックは2巻まで発売中だ。また、毎週木曜日には、「サンデーうぇぶり」で最新話が無料で読むことができるぞ!気になる方は、そちらもチェッ!
取材協力:くさかべゆうへい(@bakasakuiheuyu)