
昨今、気軽にキャンプを始められる環境がそろったことはうれしいが、未経験者やビギナーのなかには、「未知の世界すぎて、何をどうすればいいのかわからない…」なんていう状態に陥っている人も多いのではないだろうか。
そこで、チャンネル登録者数31万人超えの人気キャンプYouTuberのFUKUさんが、自身のチャンネルでもおすすめする“使ってみてよかったキャンプギア”を、悩めるキャンプビギナーの要望や質問に答えてピックアップしてくれた!
■食欲を満たしてデイキャンプをより楽しくする
キャンプの経験は小学生の時に1回だけ。さらに、もはやその記憶すらも曖昧というキャンプ初心者のライターNがFUKUさんに質問!キャンプは気になっているものの、いきなりの“お泊りキャンプ”はハードルが高そうなので、まずはデイキャンプから始めたばかり。さらに興味が湧いたので、次のステップについて聞いてみた。
―― チェアとテーブルを持って、念願のデイキャンプデビューしました!楽しかったので、ぜひともまた行きたいのですが、次はどんなキャンプギアを持っていくといいですか?
【FUKUさん】チェアとテーブルで“リラックスできる場所作り”ができた後は、飲み物を飲んで一息ついたり、昼食などを作って食べたりすると、さらに楽しみが増えると思います。
―― 外で調理する機会はなかなかないので楽しそう!具体的にはどんなギアを購入したらいいですか?
【FUKUさん】まずは簡単な料理が作れる、簡易的な調理器具の購入をおすすめします。調理をまったくしない人でも大丈夫!調理と言っても、湯を沸かして飲み物やインスタントラーメン、レトルト食品を作るとか、おかずに缶詰などを持ってきてご飯だけ炊くとか、そんな簡単なものからでいいと思います。
―― 普段食べているカップ麺でも、外で食べるとなぜかおいしく感じてしまうと聞いたことがあるので、やってみたくなりました!
【FUKUさん】そうなんです(笑)。お気に入りのチェアに座って、のんびり調理しながら食事して過ごす…そんな時間は本当に楽しいですよ。今回はそういった簡単調理にもピッタリなギアを、おすすめのセットにして3タイプ提案します。
■初心者でも簡単に調理できる!“ほったらかし炊飯”セット
「まずは、メスティンと固形燃料ストーブのセットをおすすめします。メスティンとはアルミ製の調理器具(飯ごう)で、固形燃料ストーブは文字通り固形燃料を使う加熱用のギア。キャンプや登山で調理する際に使うと便利です」(FUKUさん)
「このセットがあれば、容易に炊きたてご飯を作ることができます。具体的には“ほったらかし炊飯”と呼ばれている炊き方ですね。30分ほど浸水させた米と水を適量入れたメスティンをストーブ上に置き、固形燃料に火をつけたら、燃料が燃え尽きるまで放置。あとはメスティンをタオルなどで巻いて保温しながら、10分ほど蒸らす。これで完成です!火加減など見なくていい、文字通り“ほったらかし”なので楽ですよ」(FUKUさん)
■trangia(トランギア) メスティン TR-210(1980円※2022年5月紹介時)
スウェーデン発、1925年創業のアウトドアブランド「トランギア」が手掛ける、アルミ製の取っ手付き飯ごう。熱伝導率が高いため、全体に熱が回り、炊飯のほか、煮る、揚げる、焼く、蒸すなどの多彩な調理が可能だ。「トランギアは、アルミ素材をメインに多彩なキャンプギアを扱う老舗メーカーで、特にこのメスティンが人気です」(FUKUさん)
―― 組み合わせて使う固形燃料ストーブはどんなものですか?
【FUKUさん】今回はコンパクトなポケットストーブをチョイスしました。
■Esbit(エスビット) ポケットストーブ(ドイツ製、1627円※2022年5月紹介時)
ポケットにすっと入るサイズの携帯用コンロ。「こちらも非常に有名な商品です。ドイツの歴史あるメーカーが手掛けていて、ポケットストーブの元祖的存在です」(FUKUさん)
「人気の理由は簡単な操作性とコンパクトさ。メスティン同様、同タイプのギアがたくさん販売されています。価格も数百円のものから同価格くらいのものまでさまざま。模倣されるほどエスビット製が優れているということなんでしょうけれど、同メーカーが長い歴史の中で生き残り、支持されてきた証(あかし)でもあると思います。名品ギアの1つですね」(FUKUさん)
―― たくさん商品が出回るなかで、あえてトランギア製とエスビット製をおすすめする理由はありますか?
【FUKUさん】今はアウトドアブームのおかげでさまざまなものが販売されていて、選び放題な状態です。ここ数年で、アウトドアショップ以外でも販売されるようになりました。ただ今回は今後末永くお付き合いしていくという意味からも、最初は歴史のあるメーカーの多くの人に愛されている“安心安全なギア”がいいのでは、と考えました。
あと、風よけのための風防(ウインドスクリーン)は、あったほうが便利です!風防がないと風などで火が分散してしまい、火力が足りず炊飯に失敗します。高価なものではないですし、今は100円ショップでも入手できますので、併せて購入したいですね。
―― 炊きたてご飯を食べられる幸せにすごく惹かれます。すべてメスティンに収納できるというコンパクトさもこのセットのポイントですね!次のおすすめセットを教えてください。
【FUKUさん】次は、ガスバーナーを取り入れたセットをおすすめします。
■ちゃんと調理したい人向け!ソロ用クッカー&ガスバーナー
「もう少しバージョンアップさせた調理をしたい人向けのギアを提案します。クッカーとは野外用調理器具のことで、紹介したメスティンもクッカーの仲間です。バーナーはアウトドアシーンで使う1口コンロなどのことで、ガス缶などをセットして使用します」(FUKUさん)
ガス缶には、一般家庭でも使用するカセットボンベ「CB缶」と、丸みのある形状のアウトドア用「OD缶」の2種類がある。
■coleman(コールマン) パックアウェイ ソロクッカーセット(5980円)
熱伝導のよいアルミ製クッカーで、外側には傷を保護する加工、内側はふき取るだけで汚れや焦げ付きを落としやすい加工が施されている。持ち手には熱くなりにくいシリコン被膜ハンドルを採用。大人気アニメ「ゆるキャン△」に登場するキャラクター、志摩リンが使用するギアとしても知られる、人気の定番クッカーだ。
「このクッカーは蓋付きなんですが、蓋もある程度の深さがあってなにかしらの調理もできるので、作れるメニューの幅も広がると思います」(FUKUさん)
■SOTO(ソト) アミカス コンパクトストーブ SOD-320(5500円※2022年5月紹介時)
OD缶を使用するタイプのコンパクトストーブ。商品名の「アミカス」は、ラテン語で“友達、朋友”の意味。ベテランはもちろん初心者にも、今後苦楽を共にする友として持ってほしいという考えをもとに名付けられた。「このタイプのバーナーとしては比較的お値打ちだと思いますし、おすすめです」(FUKUさん)
―― ガスバーナーが“もう少し調理したい人向け”なのはなぜですか?
【FUKUさん】ガスバーナーは固形燃料と違って持続的に加熱できるので、よりたくさんの調理が可能です。また、クッカーの中にガス缶とバーナーが収納できることもおすすめのポイント!ソロ用のギアは、登山など徒歩移動も想定して作られていると思うので、コンパクトに持ち運べる携帯性のあるものが多いですね。
―― 確かにコンパクトに収納できる方が荷物もすっきりしていいですね。3つ目のおすすめセットもお願いします。
【FUKUさん】次は、さらに本格的な調理を求めるこだわり派に向けて選びました。先ほどのソロ用クッカーとガスバーナーとのセットを、さらにバージョンアップさせたようなセットです。
■本格的な調理がしやすいセットでバラエティ豊かなメニュー作りを!
「本格的なメニューが作りたい人は、最初からしっかり予算をかけてでも使い勝手のいいものを選びたいと思うんです」とFUKUさん。そこで今回紹介するセットの中でも一番の多機能ギアを紹介してくれた。作れるメニューもさらに充実しそうだ。
■UNIFLAME(ユニフレーム) 山クッカー 角型3(7900円※2022年5月紹介時)
3個セットのクッカー。四角の形状はパッキングがしやすく、角型の袋ラーメンを割らずに持ち運べるなどのユニークな利便性もある。「クッカーが3つに増えているので、たいていの調理ができます。例えば、蓋付きのクッカーでご飯を炊き、蒸らしている間に別のクッカーで汁ものを作る。残りのクッカーは、ご飯を食べながら卵料理やステーキなどを焼く。3つのメニューをほぼ同時進行で行えるので、かなり便利です」(FUKUさん)
■SOTO レギュレーターストーブ ST-310(6800円)
CB缶仕様のソロ用シングルストーブ。外気温が低いと火力が低下しやすいガス燃料の弱点を、マイクロレギュレーターが解消。外気温の影響などで火力が落ちることなく、火力調整もしやすい。
「マイクロレギュレーターとは小型のガス圧力調整器のことで、常に安定したガスをバーナーに供給してくれる優れものなんです。前出のバーナーよりもさらに高性能なギアということですね。あと、CB缶の方がOD缶よりもランニングコストが安いです」(FUKUさん)
「このガスバーナーを買うなら、操作性がアップする、同メーカーの『レギュレーターストーブ専用アシストセット ST-3104CS』(2180円※2022年5月紹介時)も併せて購入したいですね」(FUKUさん)
―― CB缶はなじみがあるので購入したくなりました!
【FUKUさん】なお、これまで3タイプのセットを紹介しましたが、「調理用途などよく分からないし、できれば極力簡単にしたい!」という人もいらっしゃると思います。そんな方々におすすめなのが次のギアです。
■とにかくシンプルなもの教えて!という人に
「キャンプではコーヒーなどの温かいドリンクを飲むだけでも、リラックスできて十分楽しいです」とFUKUさん。「湯沸かしなら、シンプルにケトル(やかん)でいいと思います。今までに紹介してきたコンロとの組み合わせで使えますし。熱湯があれば、ドリンクはもちろん、カップ麺なども食べられますしね!」(FUKUさん)
■trangia(トランギア) 325ケトル 0.6L TR-325(2970円)
無垢のアルミ製、独特なフォルムのデザインが特徴のケトル。「前出のメスティンと同じくトランギア製。持ち手のラバーは取り外し可能で、直火や焚き火にかけることもできます。煤(すす)などが付いて汚れることもありますが、使うごとにアルミに味が出てくるところなど、ロマンも感じるケトルです」(FUKUさん)
■エバニュー(EVERNEW) チタンマグポット500 RED(5060円)
注ぎ口があるのでケトル代わりにもなる、チタン製マグポット。内側には容量を計れる目盛りも付いている。「1番のポイントは軽さ!手にした時、軽くて驚きました。圧倒的な軽さに感動するギアです。ポットですから湯沸かしはもちろんできるし、ミニクッカーやマグカップとしても活躍します。110グラムのミニサイズOD缶が収納できるのもポイントですね」(FUKUさん)
―― どのセットも購入したくなるポイントがあって、すべて欲しくなりました(笑)。最後にキャンプギア購入を迷っているキャンプ初心者にひと言お願いします。
【FUKUさん】各セットはまとめて購入して併用しても楽しいと思います。特に、メスティンとポケットストーブのセットは、初心者さんが調理の楽しさを実感するには最適なギアだと思い、雄弁におすすめしてしまいました(笑)。
今回はどのセットのギアも定番メーカーでおすすめしましたが、さまざまなメーカーから多彩に販売されています。これを参考にしていただき、同タイプのものなどを自分で探してみるのも楽しいかと思います。
―― ありがとうございました!
キャンプギアの価値を金額やコスパという単純なものではなく、ギア自体からロマンや魅力を感じるか否かという部分に見出し、自分なりの価値観を大切にしているFUKUさん。気になるキャンプギアがある人は、FUKUさんのレビュー動画を参考にしてみると、より愛情のわくギアに出合えるかも!
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