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【漫画】「どんな悪夢でも」余命わずかなおばあちゃんの夢を覗きみる短編漫画に涙

  • 2022年4月19日
  • Walkerplus

親しい人との別れの前に、その心の内を知りたいと思った経験はないだろうか。年老いて、静かに最期の時を迎えようとしている祖母。言葉を発することもなくなったおばあちゃんは、一体どんな夢を見ているのか――。SNSなどで数多くのオリジナル作品を発表している電気こうたろうさん(@gurigurisun)の短編漫画「今でもきっとあの頃の」は、そんな「もしも」を描いた、切なくもじんわりと温かさが広がる作品だ。

■寝言の真相を知りたい…祖母が見る夢の光景に涙
起きていても言葉を交わさなくなるほどに衰えた祖母。孫娘はある夜、隣で寝ている祖母が「この雲だけは…忘れんように…」と、寝言ながらもはっきりと喋ったのを耳にする。

「夢の中では元気な頃のおばあちゃんなのかも…」と思った孫娘は、その夜のことを医師に話す。すると医師は、他人の夢を覗きみられる装置「ドリームプロジェクター」を貸してくれるという。ぜひにと飛びついた孫娘だったが、貸し出しされるのは一カ月先。その間に祖母は食事が喉を通らなくなり、いよいよ寿命を迎える時が近づいていた。

そんな時、ようやく「ドリームプロジェクター」が手元に届いた。それを見た母は「もし恐ろしい夢を観続けていたらどうするの…」と、祖母の夢の中を知ることを恐れる。けれど娘はあの夜の寝言を信じ、「今やらなかったらきっと後悔するよっ!」と懇願。その様子に母も折れ、「どんな悪夢を観ていたとしてもぜったいに最後まで見届けようね」と約束し、二人で祖母の夢を覗くことを決める。

装置が動き出し、投影しはじめた光景は、幼き日の孫娘が、若い母と元気な頃の祖母とともに海を訪れた日の様子だった。夢の中で無邪気に遊んでいると、突然海に向かって歩き出す孫娘。驚いて抱き止めた祖母に、孫娘は「おばあちゃんに見せたくて」と、どこまでも伸びる大きな入道雲を指差した。それを聞いた祖母は笑顔を見せ、「そしたらばあちゃんなにがあってもこの雲だけは忘れんようにするわ」と、孫娘の頭を優しく撫でた。そう、祖母は約束通り、その時の光景を今でも忘れずに覚えていたのだ。

電気こうたろうさんが友人の家庭をモデルに、「同じような境遇の方に手紙のように届けば」と思いから描いたという本作。読者からは「自分の母とおばあちゃんを重ねてしまい、泣けてきました」「自分の祖母が更に愛おしくなった」と感動の声が寄せられた。

画像提供:電気こうたろうさん(@gurigurisun)

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