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3児の父でFIREを達成したインフルエンサーが語る、お金を使わずに幸せな暮らしをするための節約マインド

  • 2022年4月7日
  • Walkerplus

FIREとはFinancial Independence Retire Earlyの頭文字を取ったアメリカ発祥の文化で、経済的に独立して早期退職を目指すライフスタイルだ。30~40代などで早くリタイアし、給与収入がなくても投資の運用益などで生活。その分、自分や家族との時間を大切にして望み通りの人生を過ごすという考えは日本でも多くの共感を呼んでいる。

そんな中、2021年末に子供が3人いながらFIREを達成・決断したみもじさん(@mimojinojinsei)が注目されている。みもじさんはFIREまでの過程をツイッターで発信し、フォロワーの関心を集めていた。「子供がまだ小中学生と小さいため、外から見ている方は『これから負担が大きいのに…』と思っているでしょう。資産運用も大切ですが、物の考え方により『子供3人でもFIREが可能!』ということをお伝えしたいです」と言う。

果たして、みもじさんはどんな考えでFIREを決断するに至ったのだろうか。

■働きすぎて体を壊した経験から、FIREという生き方に共感
みもじさんは40代前半の男性で、妻と子供3人の5人家族。20年以上務めた職場を退職し、2021年12月にFIREを達成した。過去に働き過ぎて体を壊した経験から、自分にとって本当の幸せとは何かを見つめ直し、「家族と過ごす時間」「健康的な生活」を大切にする今のマインドにたどり着いたという。

FIREという言葉が日本に浸透してきたのは、2021年初めごろ。みもじさんも2020年に本で読み、その概念を知った。「体を壊して、メンタルが不調に陥りました。そんな経験もあって『FIRE』を知った時、その生き方の素晴らしさに感動し、目指すことにしたんです。その時点ですでにそれなりの資産があったので、もしかしたら自分もできるかも、と思いました」

事情で資産は明かせないが、みもじさんは特に資産家の生まれというわけではなく、FIREで有利だったと思う点と言えば「暗号資産が例年に比べて上昇したことと、将来実家を譲り受ける予定であることくらい」という。

「最初はFIREを意識していたわけではなく、ただ貯金を増やすことに力を入れていました。独身時代は貯金ゼロ。婚約指輪も次にもらえるボーナスを当てにして買った記憶があります。将来的に子供のことなどを考えると『貯金ゼロはさすがにまずい』という気持ちから貯金を始めました。ある程度お金が増えたころに投資と出会い、現在に至ります」。みもじさんが資産形成を始めたのは15年前。そのころは当然FIREという概念もないので、リタイアが現実的なほど資産が増えたころにタイミングよくFIREに出会えたということだろう。

■節約はつらくない「パソコンで不要なファイルをゴミ箱に捨てるようなもの」
みもじさんによると、FIREを達成する前も後も大切なのが「節約」だという。節約というと一般的には禁欲的なイメージがあるが、みもじさんは『節約生活をしながらも、幸せな気持ちで生活する』ことができているとか。暮らしかたのコツや心構え、ルーティンなどはあるのだろうか。

「私の節約に対するイメージは、人生から『無駄』を捨てることです。逆に言うと必要な部分は節約しません。だから、節約自体にストレスを感じたことはありません」と断言する。

みもじさんは「パソコンで、使っていないファイルをゴミ箱に捨てる時の感覚と同じ」と例えてくれた。確かに、使っていないもの=無駄なものを整理するだけ、という感覚であれば、無理に我慢したりストレスがたまったりすることもない。

「無駄を徹底的に省くだけで、支出が減った分お金が増えます。そうするだけでお金がこんなに増えるんだ、という感覚が出てくると、それがうれしくて節約を継続するようになりました」。このあたりは、節約やFIREを目指す人にとって大いに参考になるだろう。

■不必要な買物は、お金以外でもストレスの種になる
また、必要以上に物を増やさない(買わない)ことで、部屋やクローゼットが散らかることを防ぐ効果もあるという。「物が散乱しているだけでも人はストレスを感じてしまうので、それを防ぐ意味があります」

物は捨てる時も労力が必要、とみもじさんは語る。「ゴミ袋に入れたり、ゴミ出しの曜日を確認したり、ゴミステーションに持っていくなどの労力を使いますよね。あまり感じていないかもしれませんが、実はそんな細かいところにもストレスは生まれます」。不必要な買物をしているのが前提の話だが、その頻度が減ればおのずとストレスを受ける頻度も減っていくというわけだ。

コンビニや自販機での買物はしない。「計画的に購入していればスーパーなどのより安い店で買うことができます。逆に、単価が高いお店で買物をすることに罪悪感があります」。あてもなく休日にショッピングモールに行き、ダラダラと時間を過ごすこともやめた。「昔はやっていたのですが、時間を消耗していることに気づきました。それなら子供と遊んで過ごした方が、よほど幸福感が増します」

それでは、どんな遊び方をしているのだろうか。「休日はレジャー施設に行くのもよいですが、広い公園などで思いっきり体を動かすことが多いです。外出時の飲物はマイボトルでコーヒーやお茶を持ち出すことがほとんど。外出先で買うとどんな添加物が入っているかわかりませんし、お金を払ってまで健康を害することはしたくありませんから」

後から子供に感想を聞くと、お金のかかるところより、無料でも「家族と一緒に体を動かせた方が楽しかった」と言われることが多いそう。「大人はお金のかかる場所の方が楽しいと思いがちですが、子供にとっては関係ないみたいです。子供が楽しめることを第一優先で行動しています」

マインドとしてはほかにもある。「他人と比較しないこと、ですね。人間は他人と比較することで幸福度が下がりますから。車を例にすると、コンパクトカーからRV車、ワンボックスなど車種がたくさんあります。さらに次々と新車が出ます。同じ車種でもグレードがいろいろとあります。たいていの人は、家族に適切な車を乗ればいいのに、不必要にグレードが高かったりオプションをつけたり、新車に乗り換えたりするんです。趣味が車という人は別ですが、これではお金が無駄になくなります」

他人よりもいい車に乗っていると感じた時に幸福度は上がるかもしれないが、それは一時的なものだという。「なぜなら上には上がいますから」。さらに、「多くの人は労働でお金を稼いでいると思いますが、無駄なものにお金を使うのは、せっかく労働に費やした時間も犠牲にすることになります。自分の人生に必要なものだけをそろえることで、時間の犠牲を最小限に抑えることができるんです」

みもじさんの考えからは、お金を払うことが当然と思っている日常生活のさまざまな事柄について、本当にそれが必要なものなのか見極めることが大事ということが分かる。お金を払う価値がないものであれば、それを「パソコンのごみ箱に入れる」だけなので、節約にありがちな「切り詰めるストレス」とは無縁になれるはずだ。

■教育費問題もこれで解消!子育てFIRE生活の心得
みもじさんは冒頭で触れたように、3児の父でもある。節約の大きなハードルともいえる教育資金や子育てについてはどのような考えを持っているのだろうか。

何より「家族と過ごす時間を大切にする」という。その理由は「常に時は流れています。子供が子供でいるのも今だけ。過ぎた時間は取り戻せません。子供が大人になった時に、『もっと子供と向き合っていれば』と後悔したくありません」。加えて、「お金を使うことで得られる幸せなんてちっぽけなもので、2度と取り戻せない時間の方が大事」と、家庭を最優先に考えている。

FIREは子供と一緒に過ごせる時間がかなり増えるので、子育てに適しているという。だが、懸念されるのはやはりお金。「特に学費ですね。今、高校~大学にかかる分として子供1人あたり1000万円を準備しています(小学校~中学校は公立で、学費の支出は最小限に)。逆に金銭面以外に難しいと思われる要因はないと思います」

併せて、みもじさんは「お金がかからない教育」を追求している。教育費(学習塾の費用など)を抑えるために、小さなころから絵本を読むなどの勉強習慣を身に付けさせた。

「絵本は1歳くらいから読み聞かせを始めました。最初の本は生き物の絵が大きく描いてあるような絵本から(字がない絵本なので擬音語を発音しながら)。3歳くらいからは毎日、ご飯の後や寝る前など決まったタイミングに実施。日課のようにして1~2年で習慣化しました」

どちらかというと親の方の根気が必要とか。「幼稚園に入ってからは、図書館に毎週通い本人の好きな本を借りさせるようにしました。週に5冊程度は読んでいます。読書習慣のほかには、同じころから通信教育を始め、毎日勉強をすることを習慣化させています。勉強はリビングで行わせ、いつも子供の頑張りが見られるようにしています」

また、「子供がベストなパフォーマンスを毎日発揮するためには、規則正しい生活と十分な睡眠、食事が不可欠だと思っています」。毎日を活発な状態で生活することは、自己肯定感の向上にもつながり、それが最終的に向上心や忍耐力に反映されると考えている。「これらはお金をかけなくても、親が取り組めばできることです。逆にこれらができていないと、いくらお金をかけて勉強させても効果は望めないと思います」

塾についても、必要性をあまり感じていない。「勉強は自分の力でやるのが基本であり、誰かに教えてもらうことありきで考えてはいません。ですから、塾に通わずとも『自分で学習できる体質』に育てています。自分の力で勉強できたことは、のちに自信にもつながります。これは自分の学生時代の体験からの方針です。習い事は本人がやりたいと思うものをやってもらうようにしています。それでも、たいてい1~2つ程度です」

■ FIREを達成して血圧は低下、睡眠の質は向上。挑戦したいことも増えた!
仕事から離れたことで体調の変化や今後の目標など、FIRE生活がもたらすメリットがいろいろあったようだ。「労働時間、人間関係、業務へのプレッシャーなどから解放され、平穏な気持ちでいられるようになりました。血圧も低くなり、睡眠の質も向上しました」

そして何より、「家族で過ごす時間が増えたことが一番の幸せです。今までは仕事が最優先だったので子供と会えない日などもありましたが、今はご飯を一緒に食べ、『おはよう』と『おやすみ』『行ってらっしゃい』『お帰りなさい』を言うことができます。変だと思われるかもしれませんが、それだけで幸せです」。授業参観や保護者面談など一度も参加したことがなかったが、「やっとできるようになった」と、子どもの成長に携われる喜びを語ってくれた。

会社を辞めたことによって、新しく始めたいことや挑戦したいことも増えた。「運動するようになりました。いつかはフルマラソンに参加したいですね。ほかには、妻に任せっきりだった家族孝行も。当面は料理を作れるようにと、妻に弟子入りしています。何らかの形で社会貢献もしていきたい」。やりたいことは多いが、まず今年(2022年)はゆっくりと過ごそうと決めている。「月ごとのスケジュールは立てていません。そういったゆったりとした生き方もFIREの醍醐味だと感じています」

Twitterやブログでは今後も情報発信を続けていく。「お金に対する考え方や、経済的に自立することの素晴らしさについて誰かのお役にたてればと思っています。今はさまざまなストレスから解放され、自分らしく生きていられています。FIRE生活は100人いれば100通りあると思います。これから、自分のFIRE生活を確立していきたいです」

取材・文=澤田佳代

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