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【漫画】ド派手金髪で無愛想!このテニスコーチ、変わってる…/好きになった人はアスペルガーでした

  • 2022年3月10日
  • Walkerplus

発達障がいの一種である「アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)」という言葉を聞いたことはないだろうか。症状は100人いれば100通りあると言われ、社会性の欠如、相手の感情が読めない、極端なこだわりの強さなどが主な特徴とされる。それ自体は一つの個性ととらえられるが、正確な知識がない周囲の誤解により、本人はもちろん配偶者など周囲が苦しむことも少なくない。

アスペルガー症候群と診断されたご主人とのちょっとユニークな生活をInstagramでアップしているのが、ちくわさん(@chikuwa_bloger)。ご主人の場合は、人の気持ちを想像できない特性に加え、多動性や衝動性に代表されるADHD(注意欠如・多動症)の特徴もあるとか。紹介されるエピソードに対し「うちの夫も似てる。ひょっとして…」と反響が寄せられるほどだ。

そんなちくわさんの作品「好きになった人はアスペルガーでした」は、ちくわさんとご主人の出会いから、わきあがる違和感、まさかのカミングアウトを経てそれを受け入れ結婚するまでをコミックエッセイとして描く。ほぼ隔週で更新予定で、今回の「出会い」では、ちくわさんと後のご主人となるテニスコーチの衝撃的な出会いを紹介する。

昇進を機に体力作りを、とテニススクールに通い始めたちくわさん。だが、担当のコーチは想像とは裏腹に金髪サングラスのド派手な風貌。さらにレッスンでは、年配の生徒にも容赦しないスパルタ指導の嵐。年上の女性スクール生に「太りすぎ」と失礼な発言も…。驚きあきれるちくわさんだが、これが後のご主人との出会いになるとは…。

■「大人の発達障がいをより多くの人に知ってもらいたい」
まずは、作者のちくわさんの自己紹介を。「ちくわと申します。 夫と娘(1歳)の3人家族です。 グラレコを描いております。 グラレコというのはグラフィックレコードの略で、イラストや図を使って可視化する手法のことです。 夫は発達障がい(アスペルガー症候群/ADHD)の特性をもっており、インスタでは、夫の日常をグラレコで見える化し、分かりやすさをモットーに発信しております」

ちくわさんは、発達障がいの認知度がまだまだ低いために周囲が気付かず、不要なストレスを抱えている人が多いのではないかと考えている。

「私たちが子供の頃は、まだ発達障がいという概念が浸透しておらず、ちょっと変わった子として扱われ、スルーされてきました。 それゆえ、本人でさえ、その特性を自覚することなく、大人になっている人も少なくないのです。また、その認知度の低さから、一緒に過ごすパートナーもそれに気づかず 『夫と気持ちが通い合わない』 『どうして傷つくようなことばかり言うの?』 と、モヤモヤを抱えたまま共に過ごしている人も多いのでは?と思います。 そのモヤモヤや違和感は、いずれ怒り、悲しみに変わり、最終的には体調にまで支障をきたしてしまいます」

例えば、発達障がい(アスペルガー症候群)のパートナーとうまく関係を築けず、心的ストレスから不安障がいや抑うつ状態になる「カサンドラ症候群」がその一例と言えるだろう。

ちくわさんは、発達障がいを決してネガティブにとらえてはいない。「発達障がいはその特性ゆえに生きづらさを感じることもあります。でも逆に、得意分野を生かすとすごい力を発揮できることもあります。 さらに、周りのサポートや理解次第で、上手に付き合っていくことも可能なんです」

そのために、まずは発達障がいについて正しく認識し、理解を深めることが重要という。「何より相手を『発達障がいだと知っているのか』『そうでないのか』で感じ方がまったく変わります。 先ほど出たカサンドラ症候群に関しても、自身をカサンドラ状態だと自覚することが回復への第一歩です!」

描かれるエピソードは、決して特別なものではない。「そういえば知人の◎◎さんも、なんかこれと似ているな」などと思い当たる人も少なくないはずだ。「私は、大人の発達障がいをより多くの人に知ってもらいたい。 そうすることで、当事者の方はもちろん、共に暮らすパートナーの方の気持ちが少しでも軽くなるきっかけになれば、とてもうれしく思います」



取材・文=折笠隆

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