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【漫画】「助けに行きたい!」娘の“はじめてのおつかい”を見守る父親に共感続々「感動で涙腺崩壊」

  • 2021年10月30日
  • Walkerplus

地球侵略にやってきたラビー星の王女・リリンと、ひょんなことから彼女の“親代わり”となった会社員の川北理(オサム)。そんな二人に巻き起こるハートフルでユーモラスな日常を描いた漫画「人類を滅亡させてはいけません」(ヤングアニマル/白泉社※最新3巻は10月29日より発売中)が、漫画ファンの間で話題となっている。


ウォーカープラス編集部では同作の原作者・高畑弓氏と、作画を手掛ける蒲夕二氏にインタビューを実施。連載2回目となる今回は、喜怒哀楽のある“愛されキャラ”をどのように創造しているのか?そして「原作と作画」を分業することのメリットデメリットなどを聞いた。


■作画のディテールはミリ単位で調整?漫画の印象を決定づける感情表現

――作中では感情表現豊かなリリンの一挙手一投足にハラハラドキドキさせられます。そうした感情の機微を表現するうえで重要視している点を教えてください。

【高畑弓】蒲さんにネームをお渡しする際、キャラクターの表情については「悲しさ40%、楽しさ20%の表情でお願いします」みたいな感じで伝えたりしています。

【蒲夕二さん】表情の認識というのは、そこにズレがあると原作の内容も変わってしまうぐらい重要なポイントなので、最終段階でも眉毛をミリ単位で調整することもあります。それに、リリンの子供らしい「ムッチリ」とした手触り感や肌の温かみ、アングルでいうと大人のオサム目線で見えたリリンの“見え方”ということも意識しています。例えば、リリンが足元を走り回っていたら「こんな感じなんだろうな!」っていう想像をしながら描いています。

■「それも見たい!」当初、リリンは悪魔という設定だった?

――破天荒な王女・リリンですが、当初は悪魔という設定だったとお聞きしました。

【高畑弓】もともと悪魔で描いていたのですが、(ヤングアニマルの)編集長より「宇宙人の方がいいのでは?」とアドバイスを頂き 、変更しました。リリンに関しては“異世界的”な女の子で、“人間でなければ良い”という想定だったので「宇宙人」と提案されたときに、すんなりと納得できました。

――悪魔版のリリンはどのような造形だったのでしょうか?

【高畑弓】まだ、キャラデザインが固まっていない段階だったので、悪魔のシッポがあるぐらいのデザインでした。宇宙人になってからの方がキャラの造形はガッチリ固まっていきましたね。

――蒲さんは悪魔バージョンを描いてみたかったなどの気持ちはありましたか?

【蒲夕二】すごい初期の段階ですが、高畑さんから悪魔リリンの話を聞いていて、イメージ画程度ですがデザインしました。リリンが悪魔のコスプレをしてます、といったイメージしやすいものだったと思います。

【高畑弓】いつか“幻の悪魔リリン”を発表できたら良いですね!

■「原作と作画」を分業するメリット

――お二人で制作を進めていく最大のメリットはどこでしょうか?

【蒲夕二】実は原作から作画まで一人でこなしていくと、体力的にいっぱいいっぱいになってしまうこともあるんです。ですが、原作と作画が分かれていることで、私が作業(作画)に入る段階で話の構成や演出の意図が組み上がっている状態なので、スタートの段階で作画のイメージを膨らませられるのはプラスだと考えています。

――ストーリーを考える手間が省ける分、作画に集中できるわけですね。

【蒲夕二】はい。作画のボリュームや厚み、クオリティがアップすると考えています。あと、高畑さんの原作の構成、ストーリーや人の表情の魅せ方、キメになるコマの作り方、気持ちを上げる段階などはすごく上手いので、ネームの段階でも十分に読み応えのある面白い仕上がりになっているんです。個人的にはめちゃくちゃ勉強になります!

【高畑弓】以前の作品ではどっち(原作、作画)も担当していて、精神的に追い込まれるときがあったので、分業だと心に余裕が持てますね。物理的に、作画に割いていた時間をネームに当てられるので、 時間に追い込まれて妥協せずに、納得いくまで時間を使えるのが一番のメリットだと思います。

■分業のデメリットは…ギャラが半分になること(笑)?

――分業のデメリットってあるのでしょうか?

【高畑弓】ギャラが半分になるってことですかね…それは冗談ですが(笑)。デメリットというか、難しい部分があるとすれば、自分の頭の中でキャラの表情や情景が出来上がっていても、その意図が100%蒲さんへ伝えられないことがあります。例えば、自分はギャグ路線で描いてほしいシーンなんだけど、それが「ギャグの顔なのか?そうじゃないのか?」といった微妙なニュアンスになってしまったりとか。

なので、蒲さんと密に連絡を取り合うことが必須だと考えています。それを怠ると、載った雑誌で「この顔、こんなつもりじゃなかったのにな…」みたいなことになってしまう恐れもありますので。その点、蒲さんは何かあればすぐに質問してくれるので、心配はないですね。ネームを渡すときは「ココは真面目な顔!」「ココは崩し顔」など付箋を貼って、蒲さんに演出の意図を細かく伝えていくことで、表現や演出にズレないようにしています。

【蒲夕二】そうですね。表情のニュアンスについては「大体こうかな?」という察しがついたとしても、それが確かではないときは高畑さんに聞くようにしています。例えば、作画してみてカメラアングルが良くなかったり、表情が伝わりにくかったりするケースもあるので、高畑さんが求めている優先順位を聞き出すようにしています。

【高畑弓】蒲さんとはずっとアシスタントとして一緒にやってきて(絵本奈央氏や「進撃の巨人」諫山創氏のもとでのアシスタント経験がある)、一緒に過ごした時間も長いので「どんな人なのか」という点は互いに理解し合っていて、デメリットというデメリットは少ないと思います。

――ありがとうございました。



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