
東京2020オリンピック・パラリンピックを支えたパートナー企業の“知られざる裏側”を紹介するWEB動画『THE BACKGROUND』に、イタリア発のフィットネス・ウェルネスソリューションメーカー、Technogymが登場。コンサルタンシーサービスの永峰正章氏、浅野友亮氏が出演し、選手村に設置されたフィットネスセンターや、選手サポートへ懸ける想いについて語った。
■2000年シドニー大会からオリパラを支え続けるTechnogym
日本フェンシング初の五輪金メダルを獲得した男子エペ団体の見延和靖選手や、スポーツクライミング銅メダリストの野口啓代選手ら、東京2020 オリンピックで大活躍したアスリートがアンバサダーを務めるTechnogym。「お二人には、自宅でコンディショニングをしっかり整えるためのエキップメントを導入していただきました。無事にメダルにつなげていただけ良かったです」と、永峰氏は安堵の表情を見せる。
そのフェンシング見延選手は、同社の「Kinesis(R)」を使っていたというが、これはどのようなものなのだろうか?永峰氏は「3次元方向に動作するケーブルを使ったマシンで、体の一部位を鍛えるというよりは、ご自身の動きに対して自在に負荷をつけられるもの。例えば見延選手ですと、フェンシングの剣を前に出すような動きにしっかりと負荷をつけることができます。また、ゴルフのスイングや、水泳のストロークの動きにも負荷をつけられるなど、『Kinesis』は、いろんなアスリートに活用していただける製品です」と説明してくれた。
そんなTechnogymのフィットネス製品は、オリパラの競技場や選手村に導入され続けている。「今大会で8大会目となるのですが、当社は、2000年シドニー大会からオリパラのオフィシャルサプライヤーを務めておりまして、選手村などで使うフィットネス製品をサポートしているんです。今大会では、約30カ所の施設に、約1500台を設置しました。アスリートは、本番をいかにベストな状態で迎えるかというのが大事だと思うので、当社では“体の調子を整える”コンディショニング系トレーニング製品も充実しています」と永峰氏。
前回のリオ2016大会では、コンディショニングエリアはまだそう大きくなかったというが、このエリアがアスリートから好評だったそうで、「今大会のレイアウトではコンディショニングエリアを広く取ったというのを聞いています」と話す。
■アスリートを影で支えるマシントレーナーの存在
また、フィットネスセンターの運営は、オフィシャルサプライヤーである同社と、トレーナーチーム、ボリクリニック(治療院)が連携を取って行った。フィットネスマシンだけでなく、アスリートを影で支えていたのがマシントレーナーだ。
元陸上選手(400メートル)で、日本選手権にも出場しオリンピックを目指していたという同社の浅野友亮氏は、マシントレーナーの業務について「さまざまな競技のアスリートのために、マシンがどういう風に使えるのか、どういうトレーニングができるのか、というのをお伝えして、安全且つ効果的にマシンを扱えるようにサポートしています」と解説。
そして、今回のインタビューでは、トップ選手たちのトレーニングが“驚きの連続”であったことも教えてくれた。「体の大きな選手が多く、普通のフィットネスクラブでは見かけないような重さでトレーニングをされている方々を見てビックリしました。下半身を鍛えるトレーニングではバーベルに重りを付けていくんですけど、それを300キロ以上付けて持ち上げている方も。重量挙げの選手かと思ったら自転車のスプリントの選手。やはりトップアスリートだなと思いました」(浅野氏)
さらに、障害を持つパラリンピックの選手もスムーズにトレーニングできるように、アタッチメントを付けるサポートも行った浅野氏。「おそらくパラリンピックの方はトレーナーがまだ少なかったりするのですが、私たちも重要な存在になってきている。最大限に自分の能力を発揮して、最高の舞台で戦いたいというゴールはお互いに同じ。その最高の舞台のために、私たちができることは何なのか。そういったことを常に考えながら、アスリートに対してサポートしてきました」と振り返る。
「オリンピックは自分が叶えられなかった夢ですが、トレーナーという形でサポートできたことは、すごく財産になりました。さまざまなアスリートをサポートしたことで、コンディショニングの仕方をはじめ、トップ選手たちがどういったトレーニングをするのかといったことも知ることができ、良い経験になっています」と、浅野氏は熱い眼差しで語っていた。
映像提供:NewsPicks Studios
素材提供:Technogym