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【マンガでわかる!お金超入門】 貯金は収入の何%必要?あなたの「貯める力」をチェック!

  • 2021年8月27日
  • Walkerplus

「お金のことをもっと勉強しなきゃ」「お金の使い方を見直したい」と思いながら、何から手をつければよいかわからない――。そんな“お金超初心者”に、ファイナンシャルプランナーの坂本綾子さんが “お金の基本のキ”を教える連載がスタート。アベナオミさんのマンガとともに、これからの時代に知っておきたい「お金の知識」をわかりやすく楽しくガイドします!

■いざという時頼りになるのはやっぱりお金
予測していなかったことが、社会では時おり起こります。日本は地震や台風が多いので、災害についてはある程度の備えや心の準備がある人もいるでしょう。しかし、2020年1月から始まった新型コロナウイルスによる感染症の拡大は、ほとんどの人にとって想像もしていなかった出来事でした。影響を受けて収入が減り、経済的な打撃を受けた人にとって、すぐに使えるお金をどれくらい持っていたかで、精神の安定度はもちろん、実際の生活も大きく違ったことでしょう。

今回の新型コロナは、自分自身ではなく社会からの影響でしたが、自分自身や家族が突然失業する、病気になる、大ケガをするなどによっても、経済的な打撃を受けることになります。当然、精神にも大きな影響を受けるでしょう。

そんな時、やはり頼りになるのはお金です。

■生活費×3か月分の貯金が必要な理由とは?
お金を貯める第一の目的は、いざという時の支出に備えること。では、どれくらいのお金があれば、いざという時に備えられるのでしょうか。最低でも生活費の3か月分は持っていたいですね。例えば世活費が30万円の人なら30万円×3か月=90万円。ざっと100万円です。どうして3か月分かというと、3か月あれば新しい仕事が見つかる、病気やケガが回復する、申請した給付金を受取れるなどにより、生活を立て直せる可能性が高いからです。病気やケガの治療費も、日本には公的な医療保険があるので、保険診療ならそれほど高額にはなりません。

ただし、年齢が上がるにつれて、生活費の3か月分よりも多めに準備しておいた方がいいでしょう。40歳以上になると、学費のかかる子どもがいる、新しい仕事を探すのに時間がかかる、病気やケガの回復に時間がかかるなど、立ち直るまでの時間が長くなりがちです。

そして、いざという時のための貯蓄は、金利が低く増える可能性は低いけれど、いつでも出せる預金で持つのが使いやすくて正解です。

■実現したいライフイベントのための貯蓄
いざという時の貯蓄にメドがついたら、目的のある貯蓄も始めたいものです。例えば結婚資金、子どもの教育費、住宅購入の頭金など。こんな結婚式を挙げたい、子どもにはこんな教育を受けさせたい、こんな家を買いたい…。将来、実現したいイベントのうち、毎月の収入では賄えない費用は事前にコツコツと貯めておく、それが、満足度の高い結果につながるはずです。もうひとつ、忘れてならないのが老後資金です。寿命が伸びたので、仕事を引退した後も、けっこうな年数を生きることが予想されます。公的年金だけで老後の生活費が足りないなら、その分を貯蓄から出せるよう老後資金の準備が必要です。

現役時代を彩るイベントだけでもいろいろあるのに、老後資金まで貯められるだろうかと不安になるかもしれませんね。納得のいく暮らしができるよう、全体を見通して定期的に調整しながら進んでいくとイメージしてください。

■今の自分の「貯める力」をチェック!
まずは現在どれくらい貯める力があるのかを確認してみましょう。

1年分だと大変なので、過去1か月でいくら貯められたか、金額を出してください。家計簿を付けていなくても、給与などの入ったお金から使ったお金を引けば、貯めた金額がでてくるはずですが、使途不明金があって実際には貯まっていないことも。

口座の残高を比較してください。給料日の前日だとわかりやすいでしょう。前々回の給料日の残高と、前回の給料日の残高(普通預金、定期預金、投資信託の残高等を含む)の差はどれくらいですか?定期的に積立ているものがあれば、それも考慮しながら、1か月あたりの貯蓄額を出します。

そうしたら、次の3つの数字を、できればエクセルに入力します。

1)収入(税込)…毎月の給与明細の総支給額
2)税金と社会保険料…毎月の給与明細の総控除額(だたし、社内預金や財形、グループ保険などが引かれているならその分は引く)
3)住宅費(家賃や住宅ローンなど住むために払っている費用)
4)1か月で貯めた金額
5)使ったお金…1から2、3、4の合計を引く

仕事でエクセルを使っている人なら、これを円グラフにしてみてください。エクセルを使わない場合は、2、3、4、5の金額を1の金額で割って、収入に対してどれくらいの割合かを電卓で計算してみてください。

例えば、1の収入35万円、2の税金・社会保険料7万円、3の住居費(家賃)9万円、4の貯めたお金が3万円、5の使ったお金が16万円の場合は次のようになります。

■収入に対する貯蓄の割合は何%あればよいか?
税込収入の35万円に対して、貯めたお金3万円は8%です。貯める力があると言えるでしょうか。人生にはいろいろな時期がありますが、最低でも10%、できれば20%、夫婦共働きでまだ子供がいない、子どもが独立して教育費の負担がなくなったなど貯めやすい時期には30%以上の貯蓄を目指してほしいのです。

こういったペースで貯蓄ができていれば、よほど間違ったお金の使い方をしない限り(例えば収入に対して高すぎる住宅を買って高い住宅ローンを払う、子どもに教育費をかけ過ぎるなど)、自分が望むことを実現しながら生活していけるはずです。

お金を貯めるのは、いざという時に備えるためと、自分が望む将来を実現させるため。数字やグラフで自分とお金の関係を俯瞰すると、モチベーションがぐっと上がるのではないでしょうか。


【著者 プロフィール】
坂本綾子/ファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所代表。 20年を超える取材記者経験を生かして、生活者向けの金融・経済記事の執筆、家計相談、セミナーを行っている。 著書に「年収200万円の私でも心おだやかに毎日暮らせるお金の貯め方を教えてください!」(SBクリエイティブ)など。

【イラストレーター プロフィール】
アベナオミ/宮城県生まれ、宮城県在住。地元情報誌のデザイナーをしながらイラストレーターとしても活動。2016年にフリーランスに。著書に「マンガでわかる!妊娠・出産はじめてBOOK」(KADOKAWA)など。

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