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柴犬の的確なツッコミがじわじわくる!ノスタルジックな散歩風景を描く漫画が人気

  • 2021年5月23日
  • Walkerplus

とぼけた飼い主の発言に、冷静な柴犬・ポン太が心の中でツッコむ散歩を描いた漫画が、犬好きを中心に注目を集めている。現在、月刊少年漫画雑誌「ゲッサン」とTwitter上で「今日のさんぽんた」を連載しているのは、田岡りきさん(@rikirosso)。独特の空気感と、1人と1匹のやりとりが魅力の漫画について話を聞いた。

■“最後の散歩”が好評で連載に
「今日のさんぽんた」は、ゲッサンで本編が連載されている一方で、Twitterでも毎週土曜日の17時に4ページの短編漫画がアップされている。「毎週4ページなので、合計するとゲッサンよりTwitterの方が多くなっています。原稿は書き溜めをせずに、いつもリアルタイムで上げています。17時に更新なのに、16時に原稿が完成することもあります」と田岡さんは笑う。※今回掲載しているのはすべてtwitter連載作品

柴犬のポン太と、彼が“散歩付き添い要員”と呼ぶりえ子が最初に登場したのは、「ラスト・さんぽ」と題された読み切り。「ゲッサン」誌面で発表された際に好評を博し、Twitterでの掲載時にも6.5万いいねを獲得するなど、大きな反響を呼んだ作品だ。

描かれているのは、大学生になり一人暮らしのために家を出るりえ子が、ポン太と最後の散歩に出かけるというエピソード。「泣きそうになりました」「ほっこりした」と多くの人の心をつかんだことから、Twitterでは2020年3月、ゲッサンでは4月発売分からと、2媒体でほぼ同時に連載開始することが決定したという。

ゲッサンでの連載は、りえ子が高校3年になった春から物語が開始。受験に向けて時間が進んでいく様子を描いている。「『ラスト・さんぽ』で大学受験の結果はわかってしまっているんですが、受験に関するアレコレを描いています。読み切りの世界につながった上で、追い越していくか時間を遡っていくかは未定です」と田岡さんは話す。一方で、Twitterでの4ページ漫画は、時系列もさまざま。ゲッサンの連載では10歳のポン太が1歳のころの話など、時の流れを感じるエピソードも読むことができる。

■犬あるある+散歩あるあるで多くの人の共感を呼ぶ
ポン太の行動は、実家で飼っていた犬をモデルにしている部分もあるという。「柴犬ってヤンチャだけど、年を取ってくるとだるそうだったり、めんどくさそうにするんです。そういうところを強調して描いています。また、自分は考え事をするために散歩するので、犬あるあると散歩あるあるを組み合わせています」と田岡さん。

関西弁を話すりえ子のとぼけた発言と冷静なポン太の対比は、ボケとツコッミと言われることも多い。「ボケとツッコミを特に意識したわけではないけれど、担当編集がアオリで書いていたので、まあそれでいいかと思って(笑)。りえ子がぶつぶつ独り言を言っているけどそれがちょっとずれてて、それはどうなんだろうと思っている犬との話です。舞台は出身地の和歌山を意識しているところもありますが、明確には決まっていません。海が近い、関西のどこかの町です」

Twitterでは現在、約60のエピソードを公開している。「反応をすぐ見られるのがありがたいですね。犬を飼っている人や、昔飼っていた人からコメントをもらうことが多いです。人気があるのは、ポン太のかわいさが出ている回。りえ子が撫でてあげたり、抱っこしたりして、ポン太の表情や動きがかわいいエピソードは人気があります。ポン太がボールを拾う回も好評でした」

ポン太の行動についても、「フィクションとはいえ、犬の動きから外れすぎない、ファンタジーになりすぎないようにしています。吹き出しがなかったとして、ポン太の動きが犬としてありえるのかは気を付けています」とこだわりをのぞかせる。

田岡さんが好きなのは、夜のコンビニにアイスを買いにいく回だという。「夜のコンビニが好きで、その雰囲気が出たなぁと思っています。ちょっとさみしいかんじも含めて好きな回です」と話す。

反響が大きかったのは、散歩に行くのを忘れているりえ子をポン太が見つめているエピソード。「いいねとリツイートが、『ラスト・さんぽ』の次に多かった回です。僕も実家では散歩係でした。朝は忘れないけど、夜は散歩を忘れていたことがあったかもしれません(笑)」と振り返る。

今後描いてみたいエピソードについては、「ライブドローイングのオンラインイベントで、ポン太が逃げてしまうという、ポン太主体のエピソードを見たいという意見をもらったので、その話は描いてみたいと思っています」と話してくれた。

取材・文=上田芽依(エフィール)

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