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SNS&リモートワークの普及で男性が“メイク”を意識?「バンタン」が“メンズメイク部”を創設したワケ

  • 2020年12月27日
  • Walkerplus

男性芸能人に限らず、いま日常的にメイクを楽しむ男性が増えているという。メンズメイクといえば、ヴィジュアル系バンドのメンバーやホストクラブの男性たちがしているイメージだったが、K-POPアーティストやカリスマホスト・ROLANDといったタレントたちの影響はもちろんのこと、SNSによる“自撮り”文化の定着、コロナ禍におけるリモートワークの増加により、自分の顔と向き合う時間が増えたことも影響しているようだ。

■メンズメイクの勝算は?「アイコン的なリーダーを創出する」

事実、富士経済の発表によると「男性向け化粧品」の市場規模は2019年見込みで1196億円と、右肩上がりの成長が続いている。

そんな風に男性の美容意識が高まっている時流のなかで、「世界で一番、社会に近いスクールを創る」をビジョンとするファッション、ヘアメイク、グラフィックデザイン、映像のスクール「バンタンデザイン研究所」は、1965年創設以来初の“メンズメイク部”を11月12日から本格始動させた。この部活は、メンズメイクの第一人者・高橋弘樹氏が顧問を務め、数ある応募の中から選出した26名の生徒によって構成され、メンズメイクの認知拡大に貢献していくという。

そこで、バンタンデザイン研究所のメイク部担当者にその誕生の経緯、今後の展望などを聞いた。

メンズメイク部が誕生した理由について担当者は「これまでメンズメイク業界にはアイコンとなり得るヒトやコミュニティが存在せず、化粧品メーカーも男性向け商品の開発に対するノウハウが少なく、売上に繋げることが難しいとされてきました。我々は、そんな固定概念を覆すべく、この業界をリードするための活動をはじめました」と説明する。

今後の予定については「まずは放課後活動として『部活』として発足させ、いずれはバンタンの学部・コースとして、メンズメイクができる環境ができればと考えています」と意気込みを語った。

メンズメイク部を誕生させた“勝算”について聞くと、担当者は「トレンドによってリーダーが変わる業界ですが、今はまだアイコン的なリーダーが存在しません。そのリーダーの役割に、バンタンのメンズメイク部がなれればいいと考えております」と業界を牽引する存在になることが目標だという。

実際、先日開催された外部イベントではメンズメイク部の生徒がアドバイザーとして参加し、その後、各化粧品メーカーからコラボレーションの依頼が来ているという。

■男性の「美意識」にも多様性。“美容を極める”時代になりつつある

では、実際メンズメイク部にはどのような学生が参加しているのだろうか。

メンズメイク部はヘアメイク学部の在籍学生限定で、部員26名のうち男子生徒は1名、そのほか女子生徒25名という体制で活動している。担当者は「部活動を通してクラスの枠を越えた仲間との交流や企業とのコラボレーションなど、授業ではできない試みを体験できるのが特徴です」とシナジー効果を期待。

移り変わる時代のなかで「現代の男性が求める『美』」の役割について担当者は、「身だしなみを“自己プロデュース”のツールとして捉えている方が多いです」と強調する。こうした、時代によって変化する“ダイバーシティ(多様性)”については「昨今の韓流ブームやK-POPアイドルの人気、SNSを通して発信されるジェンダーレス男子のビジュアルの美しさも人気の背景にあり、男性も『美』に気を使い、美容を極める時代になりつつあると思います」と解説してくれた。

コロナ禍のリモートワークで画面に写った自分の“顔”と改めて向き合った人も多く、「リモートワークをきっかけにした一般男性のメイクの需要も高まり、『メイク』や『美容』は女性だけの特別なものではなくなってきているのだと思います」と力説。ダイバーシティの時代にあって、“メイクは女性のもの”という考えは古いのかもしれない。

取材協力:バンタンデザイン研究所

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