「さんくるげ」「うえんで 山鹿店」と、福島のラーメン界がスーパールーキーの登場に沸いた2019年。コロナ禍による新店の減少が危惧されたが、2020年も勢いは止まらなかった。なかでも最大の注目は、「春木屋 郡山分店」「麺処 若武者」「中華蕎麦 こばや」と、福島のラーメン界をリードするBIG3がそろって新機軸を打ち出したことだ。盛り上がる福島ラーメンの今を体感せよ！＜※情報はラーメンWalker福島2021より＞
■「郡山(こおりやま)駅前ラーメン 角麺(かどめん)」(郡山市・駅前) / 2020年2月末オープン
「春木屋 郡山分店」が手がける駅前路面店。厨房が狭くセントラルキッチン方式だが、麺は多加水麺を採用。伝統のあっさり和風味を守りつつ、コクがあるのが特徴。「身近なファストフードだったラーメンの初心に返る」を合言葉に、スープや具材を見直し、低価格を追求。ブランドに縛られない、手軽で旨いラーメンが食べられる。
店主の手塚さんは「昔450円〜500円だったラーメンは、30年間で値上がりし、今や700円〜800円が普通に。『角麺』ではラーメン本来の低価格さを春木屋ブランドに縛られずに追求しています。身近でおいしい新しいラーメンを、きれいな店で楽しんでいただければ」と話す。
＜住所：郡山市駅前1-5-8 営業時間：11:00～15:00(LO) 休み：なし＞
■「食堂 ひろ田」(福島市・上町) / 2020年7月15日再オープン
「中華蕎麦 こばや」のたなつものグループの系列店。定食の「めし ひろ田」をリニューアルして、ラーメン、生そば、生うどんの3大麺類を柱に据えた。店主の実家は製粉店であり、子供の頃に食べた食堂の中華そばを追求したラーメンは、懐かしさに本格派の味わいをプラスした上質な一杯。
スープに合わせる醤油ダレは、寸胴でじっくり煮込んだチャーシューの煮汁を使う。動物系の旨味を存分に抽出したスープと醤油ダレとのバランスが絶妙だ。自社の小麦粉「挽きぐるみ」をブレンドした特注の細麺は、加水率27%の超低加水麺。ホキッとした独特の歯応えがクセになる。
＜住所：福島市上町5-6 上町テラス1F 営業時間：11:30～14:00、17:30〜20:00、日曜11:30～14:00(各LO) 休み：月曜＞
■「麺処 ひろ田製粉所」(双葉郡・浪江町) / 2020年8月1日オープン
震災で被災した浪江町の避難先が二本松市だったのを縁に、たなつものとして浪江町でできることの一つとして、新設の道の駅に開業。3大麺を提供するなか、注目は中華そばで、豚の背ガラ・鶏ガラのスープには浪江町特産のタマネギ“浜の輝”を使用。タマネギのトッピングも用意している。麺は自社工場直送で、挽きたての粉で製麺されたものが毎日届く。
店主の廣田さんは、「実家が製粉店だったことで、子供の頃からさまざまな粉が身近にある環境で育ちました。粉から作られ、日本の麺食文化を伝えられる店作りをしたいという思いがあり、以前からラーメン・生そば・生うどんの3種を出す店を作りたいと思っていたのが、ようやく実現しました。粉からこだわって作ったので、ぜひ」と話す。
＜住所：双葉郡浪江町大字幾世橋字知命寺60 道の駅なみえフードコート内 営業時間：11:00～18:00(LO)※麺・スープがなくなり次第終了 休み：水曜＞
■「ガッツリラーメン 豚いち」(福島市・上町) / 2020年4月1日オープン
二本松の名店「若武者」の3号店だった「優味麺亭 鸐」をリニューアル、健康志向だった前店からG系専門店に一新された。麺、スープ、肉ともにG系をリスペクトしつつ、名店ならではの味わいを注入。「旨いG系」として、開店以来、連日行列のできる盛況ぶり。話題を独占中だ。
細かい豚肉と脂がぎっしりの「肉カス」(50円)はトッピングで人気。さらに「ライス」(100円)を注文して、この肉カスをのせる「肉カスライス」を店主が動画投稿したところ、バズって人気に！客からの強い要望に応え、「大ライス」(150円)も追加になった。
＜住所：福島市上町5-6 上町テラス1F 営業時間：11:00～22:00、日曜・祝日11:00～20:00 休み：なし＞
ここで紹介した店はいずれも、「ラーメンWalker福島2021」が太鼓判を押した名店。ぜひ本誌を持って、実際に味わいに訪れてみよう。
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