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「思いのほか酸っぱかったピカチュウ」が世界中で話題に!粘土細工“もっちり動物”にキュン

  • 2020年9月19日
  • Walkerplus

今、Twitterで話題を呼んでいる"もっちり動物"。粘土を使って動物の置物を作る造形作家・もんとみさんの作品のことで、フォロワーからは「かわいい!」「ほっこりする!」などのコメントが多く寄せられている。

今回は作品の紹介はもちろん、作家である彼女に制作秘話なども聞き、"もっちり動物"の魅力に迫る!

■豊かな想像力で作られる、もっちり動物にときめき♪

もんとみさんが作る作品はどれもかわいらしく、そしてユーモアたっぷり。「クスッと笑えて心がほんわりするような作品」を心がけて作られており、見ているだけでほっこりさせてくれる。

なかでも「思いのほか酸っぱかったピカチュウ」や「強風に立ち向かうポメラニアン」、「ピスタピヨ」といった作品は反響が大きかったそう。

「映画『名探偵ピカチュウ』を観たあと、なぜ我が家にはピカチュウがいないんだ…という切ない気持ちになりまして(笑)。自分なりの解釈でしわしわ顔でまるまる体型にして作ったところ、世界中の方から『デブチュウ〜!』と笑っていただけたのがうれしかったです。シワシワの口元を塗装に頼らず陰影だけで表現するのが大変でしたが、そこがお気に入りです」と、もんとみさん。

「強風に立ち向かうポメラニアン」は、彼女の目の付けどころが光った作品。

「散歩中のポメラニアンの毛がワイルドになびくシーンを見かけることが時々あって。それを置物にしたら共感していただけるんじゃないかと思い『強風に立ち向かうポメラニアン』を作りました。普段毛を造形しないのですが、限りなくシンプルな情報量でどこまで風を表現できるか試してみたくて頑張った意欲作です!」

「一緒に暮らしているインコから着想を得た『ピスタピヨ』は、いつもとテイストを変えた不思議な作品にしてみました。Twitterにアップしたところ『うそ…食べちゃってたかも…!』『ピスタチオ買わなきゃ』など、見てくださった方がノッてくれて(笑)」と、フォロワーのコメントも楽しく読んでいるそうだ。

それから「ピスタピヨ」をきっかけに、おうち時間でもワクワクしてもらえるようにと、スイーツに見立てた作品作りに励むようになったそう。

数々の動物置物のアイデアは一体どこから湧いてくるのか、もんとみさんに聞いてみた。

「日常のすべてがアイデアの宝庫です。散歩や買い物など普段の生活の中で目に入ったものに反応して思い付くことが多いですね。また、学生時代に絵本や漫画を描いていたことから想像を膨らませることがクセになっていて。例えばマシュマロを食べていたら『アザラシの形に似てるなぁ、もし実在したらビスケットのお布団に挟まれて寝るのかな?』と考えたり。そのイマジネーションがいろんな要素と繋がってひとつのアイデアになります」

また、ポメラニアンなどは石粉粘土にアクリルガッシュを塗って仕上げるため、トータルで3日ほどかかるそう。

「熱意が冷めないうちにラフも描かずに勢いに乗って作ることが多いです。作品を作る際は、骨格や筋肉のつき方に縛られないおおらかな造形と、陶器のようななめらかな手触りを大切にしています。それらを引き立たせるために磨き作業にはより時間をかけています」とこだわりを見せた。

■代表作「散歩から帰りたくない柴犬」は大切な作品

「幼い頃から絵を描くことや、ものづくりが大好きでした」と、もんとみさん。「何かを生み出す仕事をしたい」という気持ちから、作家活動をする前はジオラマの制作方法や粘土、レジンの扱い方などを記事にする仕事をしていたそう。

「楽しく仕事をしていたのですが、繊細な気質で、現代社会の生きづらさに疲れてしまった時期があったんです。そんなときに寄り添ってくれた、友人であり家族であるインコのシゲちゃんのぬくもりや、友人がくれた愛らしい動物のインテリアに癒されて。私が感じた安らぎや優しいひとときを誰かに届けられればと思い、会社を辞めて動物の置物の創作を始めました」

そこから、もんとみさんはインコのシゲちゃんをモチーフに、いろんな素材を試しながら作品を生み出していったという。

「シゲちゃんがくれた癒しを表現したいとき、石粉粘土のきめ細かさが『手触りのある癒し』という自分のテーマに合っていて。それを複製してイベントで販売したところ、あっという間に巣立って(完売して)しまって。買ってくれたお客さんの笑顔を見たときに、自分の心が喜んでいるのを感じました。造形作家を生業にできたらどんなに素敵だろうと思うようになり、この道に進みました」

今まで数々の作品を生み出しているもんとみさんだが、そのなかでも特に思い入れの強い作品があるそう。

「『散歩から帰りたくない柴犬』は、作家活動をスタートさせてから初めて反響をもらえた作品。カプセルトイにもしてもらえたので特に思い入れがありますね」

「イヤイヤポーズは柴犬を飼っている方にはお馴染みのようで『うちの子にそっくり!』とたくさんの方に共感していただけました。作品の動物に特定のモデルはいないんですが、置物を見て『昔飼っていた子がこんなポーズしてたな』とか『うちの子もよくやるな』とか、受け手の皆さんの中にいる"あの子"を投影したり、好きに名前をつけてもらってかわいがってもらえたらいいなって思っています。作品を手にされた方から『亡くなった子にそっくりで、元気をもらいました』といただいたメッセージを読んだ瞬間、作ってよかったなと心から思いました」と語った。

■夢は、ものづくり本を出すこと

写真の美しさにも評判のあるもんとみさん。今では、カメラ好きが高じてカメラ業界のメディア運営にも携わるなど、造形作家だけでなく活動の幅を広げている。

「『手触りのある癒し』というのが、創作テーマの一つになっています。完成された動物の置物に触れることで得られる癒しはもちろんですが、実は、自分で粘土をこねたり、集中して作業してるときの静かな時間も癒しに繋がるということを、皆さんにもいつか体感してもらいたいなと考えていて。そのきっかけになるよう、石粉粘土をはじめて使う方も楽しめるようなものづくり本を作れたらと考えています」と意欲を見せた。

ファンの温かい声が原動力になっているもんとみさん。ファンに励まされる一方で、見てくれた人に感じてほしい思いがあるという。

「動物の置物たちが、慌ただしい日々の中でふっと心が和むきっかけを作る存在になれたらいいなぁと思っています。立体物は触れることができ、存在を感じられるところに魅力があると考えていて、そこにいることで生まれる空気感を含め、作品に触れてもらうことでいろんなことを感じてもらえたらうれしいです」

思わず笑顔になれて元気が出る、もんとみさんの作品。これからもんとみさんの豊かな想像力でどんな作品が登場するのか期待が高まる!

取材・文=左近智子(glass)

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