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浜辺美波、10年の女優人生を振り返る「毎日が濃すぎて記憶にない」

  • 2020年8月12日
  • Walkerplus

女優・浜辺美波が、映画『思い、思われ、ふり、ふられ』(8月14日(金)公開)に出演する。『思い、思われ、ふり、ふられ』は、咲坂伊緒原作の人気少女マンガ『ストロボ・エッジ』『アオハライド』の流れを受け継いだ“青春三部作”の最終章。4人の高校生の恋模様と青春が描かれた本作で浜辺は、明るく活発な性格でありながらも悩み、もがくヒロインの1人・山本朱里を演じた。2020年が10代ラストイヤー、そして来年にはデビュー10周年を迎える浜辺に、コロナ禍の中での思いや、「記憶がないくらい濃かった」と振り返る女優人生のこれまでとこれからについて語ってもらった。

■北村匠海と『キミスイ』以来の実写再タッグ「プレッシャーは全くなかった」

――本作『思い、思われ、ふり、ふられ』に出演することが決まったときの気持ちを教えてください。

【浜辺美波】もともと、咲坂(伊緒)先生の作品が大好きで原作を読んでいたので、三木(孝浩)監督が映画化すると聞き、透明感のある素敵な作品になるんだろうなと楽しみでした。実際に、胸キュンなシーンだけではなく、家庭環境や将来に葛藤する4人の主人公を通して“青春”というものが丁寧に描かれていて、他の少女マンガ原作の映画とは一味違うものになったかなと思います。

ーーもともと原作を読んでいたとのことですが、原作ではどのキャラクターが好きだったのでしょうか。また、映画でのその印象はどうでしたか?

【浜辺美波】朱里の義理の弟、理央が好きでしたね。マンガを読むときはいつも男の子の“推し”を作るんですが、咲坂先生の作品に出てくるクールでミステリアスな男の子のキャラクターがとても好きなんです。北村(匠海)さんの理央は、実写として薄っぺらくない、深みがある印象でした。正直、北村さんが王子様キャラの理央を演じるイメージってあまりなかったのですが、だからこそ生まれるギャップがとても素敵で、見た人みんなが好きになっちゃうだろうなと思いました。

ーー今回、映画『君の膵臓をたべたい』で象徴的なカップルだった北村匠海さんと浜辺美波さんが再共演するという点でも注目を集めています。そのことでプレッシャーを感じることはありませんでしたか?

【浜辺美波】私個人としては、全くプレッシャーを感じることはありませんでした。たしかに北村さんとは「よく見る」と言われることもあるんですけど、なんだかんだで実写作品では3年ぶりでしたし、役同士の関係性も前回とは全く違ったので。逆に『君の膵臓をたべたい』で印象強くついたイメージを今回変えられたらいいなとも思っていて、すごく楽しみです。

■恋する女の子を演じる秘訣は「理由をつけすぎないこと」
ーー今回浜辺さんが演じた山本朱里への印象や、演じるうえでのこだわりを教えてください。

【浜辺美波】朱里は一見、天真爛漫で明るくて、思ったことをスパッと言える頼りがいのあるお姉さんキャラ。その一方で、家庭環境が複雑という事情から、弱い部分も持ち合わせていて、人の痛みを理解できる子なんです。また、自分の好きではない部分を人に理解してもらおうとするのではなく、自分で変えていこうとするところは、私も経験があって、とても共感できました。もがきながら青春を送っている朱里の姿を伝えられたらいいなと思いながら演じました。

ーー映画の中では、高校生ならではのエピソードがたくさん繰り広げられていますが、もう一度高校生になれるとしたら、何かしたいことはありますか?

【浜辺美波】男女入り混じって本気でドッジボールをやってみたいですね。私自身の高校生活は、芸能コースがあるところに通っていたこともあって、行事を楽しんだ経験がほとんどなくて。今回、映画の中で文化祭のシーンを演じて、チュロスとかタピオカとかの飲食店を出して、クラスの女の子たちと売り上げ一番を目指したりするのも楽しそうだなと思いました。やるからには全力で頑張ります(笑)。

ーー本作の中で、浜辺さんのお気に入りのシーンを教えてください。

【浜辺美波】文化祭の準備の最中、夕日の中で、朱里が乾くん(赤楚衛二)に写真を撮ってもらうシーンです。2人のもどかしい距離感や、好きな男の子にカメラを向けられたときの胸のドキドキがとても素敵で、特別な時間になりました。まるで映画のようで、女の子だったら憧れてしまうシーンなのかなと思います。

ーー恋をした相手の前では素直に振る舞えない朱里の姿がリアルで印象的でした。恋する女の子を演じるときに意識していることがあれば教えてください。

【浜辺美波】全部に理由をつけすぎないことですかね。朱里が乾くんの前で素直になれなかったり、焦って言いたくないことを言ってしまったりというような、恋愛においてよくありそうなことを大切にしたかったので。説明できない気持ちこそ大切にするようにしました。

■コロナ禍で感じた娯楽の重要性、自分自身のことを見つめ直すきっかけにも
ーー新型コロナウイルスの影響で、浜辺さんのお仕事にも変化があったのではないかと想像します。この数カ月、浜辺さんはどのように過ごしていましたか?

【浜辺美波】シリーズもののアニメや映画を見たり、食関係の勉強をしたり……時間があるときにしようと思っていたことを消化していました。最初は何もできないことにもどかしさを感じていたんですけど、徐々に「この期間は体調を整える時間だったり、時間あるときにしようと思っていたことを一つひとつ消化しよう」と割り切れるようになりました。自分自身のことを見つめ直す良いきっかけにもなりましたね。

ーーこのような状況の中で、改めて感じたお仕事への思いを教えてください。

【浜辺美波】この期間、多くの方が動画配信サービスやテレビをたくさん見ていたじゃないですか。映画やドラマといった作品は娯楽なので、生きていくうえで必要不可欠なものではないけど、大変なときに心の楽しみになるという意味で、やっぱり必要とされているものなんだなと改めて思いました。だからこそ、今の時代を描いた新しい作品をこれからも撮りたいなと強く思っています。

■10代ラストイヤーで得た気づき「“失敗できない”と思うのをやめた」
ーー8月29日で20歳になり、2021年には女優として10周年を迎えます。そんな節目の今、これまでの女優としてのキャリアを振り返ってみてどんなことを感じますか?

【浜辺美波】とにかくあっという間でしたね。芸能界に入りたての頃は、何も分からない中で必死すぎましたし、たくさんお仕事をいただけるようになってからは、その瞬間その瞬間をやりきることに必死で、振り返って反省することもやめていたので、結果的に思い出せる記憶があまりないんです。濃すぎて思い出せないだなんて、幸せなことだなと思います。

ーーお仕事に対する姿勢に変化はありましたか?

【浜辺美波】肩の力を抜いて、ゆるく演じられるようになりましたね。以前は、一つひとつの作品に出演するたびに「失敗できない」と自分にプレッシャーをかけていました。でも、あるとき、そう思い詰めるよりも、それぞれの作品に合わせて力を抜いてやった方が逆にうまくいくことに気づいたんです。気づくまでは時間がかかってしまうんですけど、切り替えはパッとできるタイプなので、それからは気負いすぎず、その場、そのときに合わせてフラットに演じられるようになりました。

■大人の恋愛ものから社会派ドラマまで…仕事で充実した10年にしたい
ーーこれまでにもさまざまな役柄を演じてきた浜辺さんですが、20代になったらやってみたい役柄や作品があれば教えてください。

【浜辺美波】学園もののドラマなら生徒側ではなく先生側をやりたいですね。でも、就活生から新社会人までいろいろな職種に挑戦してみたいです。作品に関しては、これまでは青春ものが多いので、大人の恋愛ものにも出てみたいですね。あとは、社会派のドラマとか、大人の方が見るようなものにも挑戦してみたいです。

ーーさらに未来の10年後、30代になる時にはどんな自分になっていたいですか?

【浜辺美波】お仕事の面では、いろいろ役を演じて充実している人になりたいです。あとは、少女の気持ちを忘れずに、でも大人の余裕があって、人にも自分にも優しい理想の女性像に近づけたらいいなと思います。

取材・文=於ありさ

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