就労支援事業所ビストロ向日葵(草津市下笠町)を運営する「ふくろう」(大津市浜大津3)が5月1日、「近江茶ジェノベーゼ」の販売を始めた。(びわ湖大津経済新聞)
パウチ入りの商品は本のようなパッケージに仕上げた
「日本五大銘茶」にも上げられる甲賀市信楽町の朝宮茶の茶葉をペースト状にしてクルミやニンニクなどを入れ、パスタやグリル料理などに使う調味料に仕上げた。
甲賀市は近江茶の産地として知られるが、生産者の高齢化と後継者不足により耕作放棄地が増加。放棄された後も木は伸び続け、タヌキやヘビのすみかとなり、地域の課題となっている。就労支援事業所を運営する「ふくろう」は、「福祉の力で課題解決したい」と地域と連携し、2023年から放棄茶園の整備を始めた。2024年、中山間地域の集落や地域活動団体と企業や団体を結ぶ「しがのふるさと支え合いプロジェクト」を通じて甲賀市の近江茶有機栽培推進協議会と協定を締結。2024年6月に就労支援事情所に通所する障害者が朝宮茶の新芽を摘み、収穫した。
「ふくろう」介護事業部部長の北川孝さんは「地域課題の解決と同時に、利用者の仕事をつくることにもつながる。普段は施設の中で作業することが多いが、外に出て地域の人と交流し、体を動かすことは健康にもいい。達成感も味わえる」と期待する。
新芽は収穫してすぐに湯通しし、その場で瞬間冷凍する。北川さんは「新芽は摘んだ瞬間から酸化が始まる。茶の香りと色を残したまま冷凍保存することで、ジェノベーゼにして食べた時に茶の香りと風味を感じてもらえる」と話す。
「パスタはもちろん、パンに塗っても、豆腐や肉料理に合わせてもおいしい。食べる日本茶を味わってもらえれば」と呼びかける。
料金は瓶入り(80グラム)=972円、パウチ入り(100グラム)=1,296円。