サイト内
ウェブ

中田英寿がシェアしたい“日本の新たな価値”「お酢の名醸地尾道で400年以上の歴史を持つ尾道造酢」

  • 2020年8月5日
  • Walkerplus

中田英寿氏が47都道府県を旅して出会った日本の「わざ」と「こころ」。日本のことを知るために47都道府県を巡る中田氏の旅は6年半におよび、移動距離は20万キロになった。その間、訪れた地は約2000に。そこで中田氏は、現地に行かなければわからない、素晴らしき日本があることを知った。

ウォーカープラスでは、中田氏の「に・ほ・ん・も・の・」との共同企画として、珠玉の“にほんもの”をお届けする。

中田英寿
「全国47都道府県の旅で出会ったヒト・コトを、”工芸芸能・食・酒・神社仏閣・宿”に分けて紹介。日本文化を多くの人が知る『きっかけ』を作り、新たな価値を見出すことにより、文化の継承・発展を促していきたい。」

地元に密着した昭和の町並み尾道の商店街。アーケードを少し抜けたところに尾道造酢の社屋がある。足を踏み入れるとさわやかに酢が香る。だが、鼻をツンとつくような刺激はない。甘みを含んだ、ふくよかな香りだ。

「尾道での酢づくりは、1500年代に始まったといわれています。堺で酢造りをしていた職人が、この地でつくりはじめたそうです。現在は2社を残すのみですが、明治期には10社が酢をつくっていて、全国的にも有名な産地だったんです」(尾道造酢 取締役工場長 丸尾仁人さん)

ふくよかな香りの理由は、昔ながらのつくり。ここでは日本酒蔵から酒粕を仕入れ、それを3年寝かせじゅうぶんに熟成したところで酢の材料に。まずは水で溶き、そこに種酢を加えて酢酸発酵させると酢が出来上がる。工場内には、細長い発酵槽があり、そこを酢酸菌の膜を張った酢がゆっくりと流れることでまろやかなお酢が出来上がる。

現在の人気商品は、調味酢や薄めて飲むフルーツビネガーなど。「実は、昔作ったものがそのまま残っているんですよ」と丸尾さんに案内されたのは、社内の秘密の“蔵”。そこには昭和30年代につくられた酢が甕に入れられたまま保存されている。熟成した60年ものの酢を味わってみると、高級なバルサミコ酢のように芳醇で上品な甘みとほんのりとした酸味で、えぐみはまったくない。ゴクゴク飲むわけにはいかないが、かき氷などにかけたら間違いなく絶品だろう。これぞ400年以上の歴史がつくりあげた味。長年、この蔵で働いてきた酢酸菌の力を感じる味わいだった。



キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2024 KADOKAWA. All Rights Reserved.