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影山貴彦のテレビのホンネ。コロナの中 頑張れテレビ 新企画の誕生も望む!

  • 2020年7月20日
  • Walkerplus

■新型コロナウイルスの影響でテレビが変化。これからは新しいスタイルの番組にも期待

新生「月刊関西ウォーカー」にふさわしい、前向きで元気になるような話を書いていきたい。

新型コロナウイルスの影響で、メディアは大きなダメージを受けている。関西のテレビ界もその例外ではない。その中で作り手たちは、必死で知恵を絞り、視聴者を楽しませようと努力を続けている。

関西の番組では長年「街ブラ」ものが目立ってきた。関西人のキャラクターの面白さがあればこそだが、街角で一般の人々にインタビューし、そこから話を広げていくスタイルは、関西ローカル番組の王道とも言える。東京のメディアから「関西の面白い番組、〇〇について解説してください」という依頼を時折受けることがあるが、多くは「街ブラ番組」であるといってもいい。

今、その種の番組が岐路に立っている。かつて登場した視聴者の過去のVTRと現在のリモート撮影の様子を比較して紹介するスタイルが、番組を問わず主流となってしばらく経つ。たとえば、「あの小さかった子が、こんなに大きくなってる!」、「当時のユニークなお店、まだ頑張ってる!」、「年の離れた新婚さんのご夫婦に、子どもが3人も生まれている!」など、ソーシャルディスタンスを維持したスタジオ出演者たちが、視聴者と共に感慨に浸るのだ。

これはこれで十分面白い。ただ、いわば部屋の片づけをしながら、いつまでも昔のアルバムと今の自分を見比べてしみじみしているわけにはいくまい。テレビは「今」を捉えてナンボの商売である。そろそろ次のステージに向かわなければならない時でもある。

コロナ対策に十分注意を払いながら、従来の「街ブラ」スタイルを復活させるのも、もちろんありだ。だがこれを契機に、全くスタイルの違った企画を生みだすタイミングでもあるはずだ。私はそのどちらにも大きな期待をしている。


【著者プロフィール】影山貴彦(かげやまたかひこ)同志社女子大学 メディア創造学科教授。元毎日放送プロデューサー(「MBSヤングタウン」など)。早稲田大学政経学部卒、ABCラジオ番組審議会委員長、上方漫才大賞審査員、GAORA番組審議委員、日本笑い学会理事。著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」(実業之日本社)、「テレビのゆくえ」(世界思想社)など。


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