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ハリケーンLee ボストンなどに影響 台風の発生9月に入って少ない 今後どうなる

  • 2023年9月16日
  • tenki.jp

ハリケーンLeeが大西洋を北上中です。今後、ボストンがあるニューイングランドなどに影響が出るでしょう。一方、台風は、9月に入ってから発生が少なくなっています。今後、台風発生の可能性などをまとめてみました。

ハリケーンLee ボストンがあるニューイングランドなどに影響

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ハリケーンLeeが、大西洋を北上中です。現地時間(大西洋標準時)15日午後11時、中心の気圧は965hPa、北北東へ17ノット(時速約31キロ)で進んでいます。

ハリケーンLeeは、現在、メキシコ湾流が流れる海域を進んでいるとみられます。メキシコ湾流は、黒潮と並ぶ世界最大の海流ともいわれています。この海域の海面水温は26℃以上です。
ハリケーンLeeは、今後も北上を続け、まもなくメキシコ湾流の北限を過ぎ、海面水温が20℃以下と急に冷たい海域を進むでしょう。このため、勢力は弱まる見込みです。

ハリケーンLeeは、今後、熱帯低気圧に変わり、ボストンがあるニューイングランドに進む予想です。ニューイングランド南部では、暴風や大雨になり、沿岸では洪水が発生することがあるでしょう。現地時間16日にかけてニューイングランドの沿岸に沿って、影響は北に広がる予想です。倒木や停電の可能性があります。

台風の発生 9月に入ってから少ない

日本では、本来は台風シーズンです。平年では、9月の台風の発生数は5.0個で、8月に次いで多い月です。ところが、今年は、9月に入ってから、きょう16日(日本時間)までで、台風の発生は1個と、少なくなっています。

一番上の図、きょう16日(日本時間)の雲の様子をみても、日本の南の海上では、発達した雲が若干みられるものの、近々、台風など熱帯擾乱が発生することはなさそうです。

9月に入ってから台風が発生しにくくなっていることは、エルニーニョ現象などにより、フィリピンの東やマリアナ諸島近海、日本の南で、対流活動が不活発になっていたことが、影響していると考えられます。

台風 今後発生する可能性は決して低くない

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日本の南の海上は、向こう1週間程度は、広い範囲で顕著に対流活動が活発になることは、ないでしょう。
ただ、海面水温は、27℃以上と高く、油断はできません。台風の発生は、海面水温だけによるものではありませんが、一般的に海面水温が26〜27℃の海域で発生しているといわれています。

アメリカ海洋大気庁によると、上の図のように9月20日から26日(世界標準時)の期間、日本の南の海上は、赤い斜線のエリアになっており、台風など熱帯擾乱が発生、発達する可能性は、決して低くないことを示しています。

今後、台風が発生した場合は、海面水温が高い海域を進むため、発達しながら北上し、日本に近づいてくることも考えられます。台風は、比較的日本の近くで発生する可能性もあります。この場合は、発生するとすぐに日本に近づいてくることがあるでしょう。

さらに、上の図で9月27日から10月3日(世界標準時)の期間は、日本の南の海上は赤いエリアになっており、台風など熱帯擾乱が発生、発達する可能性が高いことを示しています。

この秋は、秋雨前線が本州付近に停滞しやすいでしょう。台風が持ち込む熱帯由来の暖かく湿った空気が、前線の活動を活発にして大雨になることも考えられます。
秋は、2000年9月に発生した東海豪雨など、太平洋側の地域を中心に、台風と秋雨前線、暖かく湿った空気の流入が重なることで、大雨に見舞われることがあります。今年は、夏の太平洋高気圧の後退が遅いため、秋雨前線の南下はゆっくりで、10月半ばにかけては、太平洋側の地域に限らず、北日本など普段は大雨になることが少ない地域でも、大雨に注意、警戒が必要になることもあるかもしれません。
今年は、台風や秋雨前線の影響が、長く続く可能性もあります。日ごろから大雨などの備えをしておくとよいでしょう。

大雨の備え

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大雨が予想される場合、災害による被害を少しでも小さくしたいものです。そのために、あらかじめ備えておいていただきたいことは、次の3つです。

①避難場所や避難経路の確認をしておきましょう。いざ大雨による災害が発生すると、避難経路が通れなかったり、避難場所に行けなくなったりすることもあります。複数の避難場所や避難経路を確認しておくことが大切です。また、川や斜面の近くは通らないようにするなど、浸水や土砂災害の危険性が高い場所を避難経路に選ぶのは、避けてください。確認した避難場所や避難経路の情報は、家族で共有しておきましょう。
②非常用品の準備をしておきましょう。非常用の持ち出し品は、リュックなど両手が使えるものに入れて、すぐに持ち出せる所においてください。避難時に履く靴は、スニーカーなど、底が厚く、歩きやすい靴を用意するのが安全です。また、水道や電気など、ライフラインが止まった時に備えて、水や食料も用意してください。
③側溝などの掃除をして、水はけを良くしておきましょう。砂利や落ち葉、ゴミなどが詰まっていないかも、確認しておいてください。

いずれも、大雨になる前に、なるべく早い段階で備えるよう、心がけてください。

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