2018年に本屋大賞を受賞した「かがみの孤城」が劇場アニメ化。その主人公・こころの声を沖縄出身の女優・當真あみが演じる。
「かがみの孤城」は、2018年に本屋大賞を史上最多得票で受賞。「ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR2021（文庫部門）」など9冠に輝き、累計発行部数130万部を超える辻村深月氏のベストセラー小説。
物語は、学校での居場所をなくして家に閉じこもっていた中学生・こころを主人公に「鏡の中の城」で巻き起こるファンタジーミステリー。ある日突然、こころの部屋の鏡が光り出し、吸い込まれるように中に入ると、城のような不思議な 建物と、見ず知らずの中学生6人がいた。さらに、「オオカミさま」と呼ばれる狼のお面をかぶった女の子が現れ、「おめでとう、君たちは選ばれし7人だ。どんな願いでも、一つだけ叶えてあげよう」と告げる。
このたび、原恵一監督によりアニメ化され、劇場版として12月23日（金）から公開されることが決定。そして、主人公・こころは、原監督に「こころを見つけました」と絶賛されてオーディションで大抜擢された當真が務める。
©2022「かがみの孤城」製作委員会
當真は若手女優の登竜門としても知られる「カルピスウォーター」の14代目のCMキャラクターとして起用されるなどブレイクが期待される注目若手女優の一人。地元・沖縄でスカウトされ、リクルートが14年ぶりに制作した企業CM で芸能界デビューを果たした。その後、デビュー半年でドラマ「妻、小学生になる」（TBS系）に出演し、高い演技力が話題となった。このたび、初のアニメ主演声優となった。
原作の大ファンである當真は、「こころちゃん役に決まったと聞いたときは本当にびっくりして、聞き間違いじゃないかと思いました」と喜びの心境を披露。
そして、「『かがみの孤城』はおすすめされて読んだ後、自分でも買って読み返したくらい好きな小説だったので、すごくうれしいです。声のオーディションというのが初めてだったので『こういう感じでいいのかな』と不安もありながら、こころちゃんと自分が似ているところがあると思ったので、どうしてもこころちゃん役を勝ち取りたいと思って必死に練習して挑みました。こころちゃんは少し臆病なところもあって、私自身ちょっとしたことや思っていることを口に出せないことがあるので、そういうところが自分と似ている気がします。原作を読んでいるときに、こころちゃんのことを応援したいと思いながら読んでいたので、同じように、見ていただく皆さんに応援してもらえるような作品にできるよう頑張ります」と意気込みを語った。
原作者の辻村は「『かがみの孤城』は映像化がかなり難しい小説なのではないかと感じていました。しかし、アニメであれば作中の城の世界観や、主人公たちの思いを原作の持つ雰囲気のまま届けていただけるのではないか、と想像が膨らみ、ぜひお願いしたいと思いました。書いている時には気づかなかったのですが、自分の部屋の鏡を入り口に城に出掛けるという設定は、自分が10代の頃、本やアニメ、映画に求めていたことそのものだなと感じています。ページを開けばそこに自分の居場所がある。読んでいる間は主人公たちの仲間になる。今回の映画も誰かにとってのそんな存在になってくれたら、とてもうれしいです。また、原監督は私が多感な時期にとても影響を受けた方です。その原監督に今回、『かがみの孤城』をお願いできることに大きな幸せを感じています。スクリーンで生きて動くみんなに会えるのを、今からとても楽しみにしています」とコメントを寄せた。
原は當真の起用理由について、「當真さんの無垢でまっさらな声や、言いたいこともなかなか言えないような辿々（たどたど）しさ 、當真さんの今とこころの今がぴったり一致していて、こころは彼女だと思いました。こころを見つけました」と期待を寄せる。
7月21日に解禁された超特報では、「イメージしてたこころちゃんの声そのまんま！」「こころちゃんの声は誰なんだろう」とSNSで話題を集めていた。當真が声を吹き込み、どんな作品に仕上がるのか、楽しみだ。
アニメ映画『かがみの孤城』
2022年12月23日（金）公開
