
配色の基本を学びながらパッチワークならではの色合わせをマスターしましょう!ここでは無地や無地に近い布を使うことで、すっきりと調和が取れた配色にする方法を紹介します。まとまりのない配色でいつも悩んでいる方は必見です!
無地や無地に近い布の活用法
無地は何にでも合わせることができ、とても扱いやすい布ですが、多用すると単調でつまらない配色になりがちです。そこで、効果的な無地の使い方や、無地の代わりとして使える様々な布をご紹介します。
好きな柄布だけを選んでしまい、まとまりにくかった色合わせが難なく解決します。
1.無地でパターンをくっきり
「濃淡を組み合わせる」
四角い枠部分に濃淡を選ぶことで立体的に見せるパターン。ピンクと淡い紫を選んだら子供っぽくなってしまったので、右は渋めの無地の紫に。パターンの輪郭が明確になり、大人の配色に変身しました。(インターロック・スクエアー)

*グラデーションの布

一見、無地に見える紫の布ですが、実は濃淡のグラデーションの布。1枚の布から何種類もの無地が取り出せてお得な布です。ここでは濃色部分だけを使いました。
*白地メインの大柄布

パターンの中心に白無地を使うと、ピースが大きすぎて間が空いた感じになります。その場合は白地の多い大柄布を選び、白地を多く入れて裁断します。
「アクセントを効かせて」
左右上下で濃淡を逆に配色することでカーブが強調されるパターンです。同系色の濃淡で組み合わせると無難ですが、右はさらにアクセントカラーのオレンジを加えることでメリハリと個性がプラスされました。(曲がりくねった道)

*同系色の選び方

選んだグリーンの同系色は、モアレ柄・淡色の大柄・英文字と柄行きを変えることでリズミカルな印象に。
*相性が良い布を見つける

アクセントカラーの鮮やかなオレンジは、一歩間違うと1色だけ浮いてしまいがちですが、もう1枚のプリントの中に似た色があるために浮きません。
2.無地として使える布
「植物の自然なニュアンスを表現」
花や木などを表現するには、自然の微妙な色合いが決め手です。ここでは無地よりやわらかい印象のむら染め布を茎と葉に使用。(チューリップ)

オレンジの花に選んだのは、かすれ模様のプリント。無地にすると単調で強すぎるので、かすれたプリントでやわらげています。

*植物のパターンに向く布

むら染めはハワイアンキルトにもよく使われ、植物独特の陰影を表現しやすい布。

筆で描いたようなぼかし表現の布も、広い面積を埋めやすいタイプです。

彩度が強いオレンジですが、かすれ模様が入っていることで無地の強さを抑えています。
「濃淡を少しずつ変えるテクニック」
ピンクと相性が良い優しい黄緑のプリントを葉に選んでみたところ、パターンがぼやけてしまいました。ここは緑のグラデーションの無地で葉の三角のピースを一枚一枚くっきりと。(シングル・ウエディングリング)

*グラデーションを使い分ける

グラデーションの布の濃色部分と淡色部分からそれぞれ選び、葉の微妙な色合いを楽しみます。
*大柄プリントでパターンを生かす

背景のバラの大柄プリントは淡色にして、ピンクの花と緑の葉を引き立てます。
「明暗を交互に」
*布の質感を生かす

右上の無地は光沢があるチンツ加工の布。同じ無地でも質感を変えることで変化が出ます。
互い違いに明暗を反転させることでパターンがくっきり。単調にならないようにピンクや黄緑のアクセントカラーを加えます。(メイフラワー)

*大柄布の使い方

無地だけではつまらないので、大柄布の無地部分を使いました。ちらっと見える柄が効果的です。

大柄同士だとゴチャゴチャしがちですが、大柄の無地の部分を多く入れて裁断し、柄同士が混じり合わないようにしました。
3.単色プリントを無地代わりに
「優しい色合いで」
エレガントに配色したかったので地色を淡いピンクの無地にしたところ、明暗の差がつかずにぼやけた印象に。そこで右のように地色を少し濃いめのピンクにして、鋭い三角のピースを際立たせました。(ホサナ)

*単色プリント

1色+白(または黒)といった単色のプリントは、無地にかなり近い布です。地色と模様に差がないタイプは無地感覚で使いやすいです。
*模様が目立つ単色プリント

地色と模様に差があるプリントは、単色プリントであっても模様が目立ち、無地には見えません。
「背景を変えて楽しむ」
左のパターンに使った茶の大柄プリントは、赤の大柄と柄の大きさが近く、メリハリがつきません。右は思い切って無地に近い淡色の水玉プリントにして、赤のプリントとの差をつけることに成功しました。(ガイディングスター)

*同系色の淡い大柄布

裏打ち布にも向くベージュとグレーの淡い大柄布。柄が淡い色合いのため無地として使えます。
*柄の大きさで差をつける

柄行きだけではなく、柄の大きさが違う組み合わせは、ピース同士が混じり合わずシャープに見えます。

地色に選んだ小紋は、パターンと同じ鮮やかな赤。柄行きが違うことでお互いを引き立て合い、ポップでにぎやかな印象になりました。
*多色のむら染め布

水色・黄緑・緑がマーブル状に混じり合ったむら染め布。背景に奥行きが出て幾何学模様がくっきりと浮かび上がる効果があります。

雰囲気をガラッと変えて背景にグリーン系のむら染め布を使用。パターンの暖色に対して、寒色を持ってくることでさわやかさが生まれます。
4.独創的なアイディアで
「ボーダー柄を有効利用」
*縦のストライプを生かす

ボーダー柄のストライプ部分を中心の長方形のピースに、それ以外を地色の三角のピースに割り当てます。同じ布からカットするので相性が抜群です。(フライングギース)
*地色を2色使いで

地色の三角は左右を別な布で配色します。外側を中間色のグレー系にすることで、落ち着きが出ました。
*アクセントカラーでおもしろみを出す

パターンの三角形は、無地になるべく近い濃色プリントで強調します。ところどころを明るい水色や黄緑にしてアクセントカラーで個性的に。
「モノトーンでまとめる」

モノトーンのはぎれを並べてシックに。左のように地色をグレーの無地にしてもバランスがとれますが、思い切って黒の無地にすることで、はぎれの面白さが引き立ちます。(オクタゴン)
*はぎれ使いのテクニック

はぎれのすべてを別な布にすると調和が取れにくくなります。そこで大柄の布のあちこちからカットすることでまとまりやすくなります。
「スペースが広いピースの場合」
八方に広がる長方形のピースを無地に近い布にすることで、洗練されたイメージに。無地のピースに刺しゅうでひと工夫プラス。(真夏の夜の夢)

*刺しゅうを加える

縦に長いピースにフェザーステッチを刺しました。刺しゅう糸は中央の大柄プリントの中のモスグリーンと同じ色で。
*無地部分が多い大柄布

大柄を少し入れて裁断したり、まったくの無地部分のみを使ったりと、2通りの使い方ができます。

中心の大きなピースは単色の大柄布にして間をもたせます。上下左右の4枚の長方形は小紋にし、パターン全体を引き締めます。
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