搾りたてのしょうゆを地元産の米と一緒に楽しむ「しょうゆ搾り&TKG祭り」が5月3日、「芳泉茶寮」(長南町蔵持)で開催された。(外房経済新聞)
会場には地域内外から多くの人が集まり、しょうゆ搾りを楽しんだ
主催は「ほぼ道の駅ちょうなんプロジェクト」。町の魅力や豊かさを再発見しながら生かしていこうとさまざまな活動に取り組んでいる。2023年には「ほぼみち物産株式会社」を設立し、地元農産物を活用した漬物や調味料などの加工品作りにも取り組む。
今回は、1年かけて仕込んだ手作りしょうゆと長南町産の米を味わってもらおうと企画。TKGは「たまごかけごはん」のほか、T=炊きたて、K=かまど炊き、G=ご飯にちなんで名付けた。
当日は、しょうゆ搾り師の山野邊暁さんを招き、「長南醤油(しょうゆ)ファンクラブ」のメンバーで仕込んだしょうゆを搾った。1年熟成発酵させた「もろみ」に湯を加え、味を調整していくと、湯を加えるごとに味が変わり、参加者からは「味が全く違う」との声が上がった。味を整えた後、「槽(ふね)」に袋を設置。もろみを少しずつ入れ均等に重ねるとしょうゆが滴った。
同プロジェクト代表の高橋信博さんは「しょうゆの材料である大豆と米は長南町産を使った。しょうゆ作りに欠かせないこうじも、地元で70年以上こうじの加工販売をしている藤平由治商店と一緒に作った。素材があり、作り手も地域にいることに豊かさを感じる」と話す。
会場には、長南町産の「かまど炊きごはん」や平飼い卵を用意し、参加者は搾りたてしょうゆと共に味わった。「ご飯のお供」として、地元食材を使った漬物やつくだ煮も並べた。
高橋さんは「この地域ではちょうど田植えが終わる頃。地元農家は例年、この時期に秋に収穫する米の予約を受け付ける。今回のイベントでは、地元の米を多くの人に味わってもらえるよう予約会も兼ねて開いた」と話す。
「今年も長南醤油ファンクラブでしょうゆ造りを予定しており、新しいメンバーを募集している。食を通じて人と交流し、この地域にある食の豊かさを知る機会になれば」と意気込む。
同プロジェクトでは今後、地元素材を使った特産品作りにも積極的に取り組んでいくという。