下田「アノヒノコーヒー」が店舗営業始める オフシーズンの海の家を活用

  • 2025年5月22日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 自家焙煎(ばいせん)コーヒー豆のオンライン販売やイベント出店で営業してきた「アノヒノコーヒー」が4月24日、外浦海岸に新たに誕生した「SP△CE赤根島(スペースアカネジマ)」(下田市柿崎)で店舗営業を始めた。(伊豆下田経済新聞)

 コーヒーは石井さんが一杯ずつ丁寧にドリップする(関連画像11枚)

 店主は静岡市出身の石井麻希さん。大学卒業後、都内で会社員として働いていたが、コーヒーの奥深さに魅了され、カフェ巡りが趣味に。焙煎によって同じ豆でも味が変わることに興味を持ち、独学で焙煎を学んだ。

 コロナ禍をきっかけに夫の故郷である下田市に移住し、2年前、コーヒー豆の卸売・小売を開始。近隣イベントや下田のコミュニティースペース「風まち下田」(武ガ浜)などにも出店してきた。

 店名には「今日の一杯が、あの日の思い出に残るように」との思いを込める。石井さんは「店を始める前、友人の結婚式の引き出物として使ってもらったことがあった。コーヒーと過ごした時間が記憶に残るのはすてきだなと思った」と振り返る。

 今回の店舗営業は、外浦海岸にある夏季限定の海の家「赤根島」をリニューアルした施設「SP△CE赤根島(スペースアカネジマ)」を活用。オフシーズンの空き期間を利用し、営業を行うことになった。きっかけは、同施設オーナーで旅館「ならいの風」を経営する藤井敬久さんが「風まち下田」で石井さんのコーヒーを飲んで、その味にほれ込んだことだという。石井さんは「出会ったのは2カ月前。すぐに話が進み、勢いで開業を決めた」と振り返る。

 メニューは、3種類の自家焙煎豆から好みの豆を選べるハンドドリップコーヒーのほか、水出しコーヒーやカフェ・オ・レ(以上600円)、コーヒーの果実「カスカラ」を使ったカスカラソーダ(600円)、しずおか茶のブレンド(400円)、子ども向けドリンクのアップルジュースやミルク(以上300円)など。フードメニューは、「ならいの風」からの紹介でサポートすることになった地元事業者らから提供を受け、「ショウちゃんの大判焼き」(130円)や「ヨウコさんのレモンシトロン」(300円)を販売。「今後は地元食材を使ったサンドイッチやスイーツなども展開したい」と話す。価格はいずれも6月末までのオープン記念価格。

 コーヒー豆は「共同仕入れ」という方法で直接つながる中南米の生産者のうち、石井さんが共感した生産者から仕入れている。「生産者の思いやストーリーとともに、おいしい一杯を届けたい。焙煎技術はまだ発展途上だが、より良い味を目指していきたい」と石井さん。「まだ不慣れな部分もあるが、いずれはコーヒーの飲み比べもできる空間にしたい。地元の人も観光で訪れた人も気軽にコーヒーを楽しむ場所になれれば」とも。

 営業時間は、木曜・金曜=11時~15時、土曜=8時~11時。7月・8月は休業。駐車場あり(約50台)。

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