伊勢・二見興玉神社 夫婦岩の沖合で藻を刈り取る神事

  • 2025年5月22日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 二見興玉神社(伊勢市二見町)の特殊神事「藻刈神事(もかりしんじ)」が5月21日、夫婦(めおと)岩の沖合で行われた。(伊勢志摩経済新聞)

 伊勢・二見興玉神社 夫婦岩の沖合で藻を刈り取る神事

 藻刈神事は、夫婦(めおと)岩の沖合700メートル先の海中に沈む猿田彦(さるたひこ)大神ゆかりの興玉神石(おきたましんせき)に生えるアマモ=藻草「無垢塩草(むくしおぐさ)」を刈り取る神事。同神社で本殿祭を行い、その後、「澳魂祭禮(おきたまさいれい)」と書かれたのぼりを立てた船に神職が乗船し、藻草を刈り取る「神石祭」を行う。

 金子清郎宮司ら神職4人を乗せた船は、興玉神石のある海上を船で3周し、2拝2拍手1拝の後、神酒、御饌(みけ)を海中にささげ、手鎌で海中の藻草を刈り取った。

 興玉神石は、東西約240メートル、南北約120メートル、周囲約960メートル、高さ約7メートルの楕円(だえん)形をした平岩で、1854年12月23日・24日(旧暦11月3日・4日)に発生した安政の大地震「東海・南海地震」(32時間後に連続発生、推定マグニチュード=8.4)で、完全に海の中に沈んだという。

 刈り取った藻草は神前に奉納した後、天日干しして乾燥させ、同神社の祓具(はらいのぐ)「無垢塩大麻(たいま)」になる。授与品の不浄祓(ふじょうはらい)守り「無垢塩草」(初穂料500円)にも使われる。

 金子宮司は「船の上から見ると藻草が繁茂していた。本日は波も穏やかで、すがすがしい気持ちで神事を執り行うことができた。乾燥させた藻草は6月下旬に宮中と伊勢神宮にも献上させていただく予定」と話す。

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