沙沙貴神社(近江八幡市安土町常楽寺)境内のヒトツバタゴ(俗名=なんじゃもんじゃ)の花が5月8日、満開を迎えた。(近江八幡経済新聞)
沙沙貴神社の「なんじゃもんじゃの木」
駐車場から入ってすぐの所にある樹高約10メートルのヒトツバタゴの木には4月末から花が咲き始めた。ゴールデンウイーク中には一気に開花が進み、8日に満開となった。同日、禰宜(ねぎ)の岳(おか)郁美さんは「昨日雨が降って花が水を含み垂れ下がり、今日は晴れたことで水蒸気と共に花が上がっていって、ふわふわとした状態になった。今日が見頃のピーク」と話す。
ヒトツバタゴはモクセイ科の落葉広葉樹。花は花弁が4つに分かれて咲き、葉の上に雪が積もったように見え、「なんじゃもんじゃ」の愛称で知られる。一説には、花を見た人が5月に雪が積もっているように見えて「何だこれは」と言ったことから「なんじゃもんじゃ」になったといわれる。日本国内の自生地は対馬(長崎県)の一部や木曽川周辺(長野県・岐阜県)のみ。絶滅危惧種II類(環境省レッドリスト)に指定されている。
同神社のヒトツバタゴの木は1988(昭和63)年に伊勢神宮の勾玉池畔に植わっていた苗木を譲り受けて育て、1991(平成3)年に境内に植栽した。現在見られるのは10本。うち10メートルに育った木がシンボルツリーとして有名になり、毎年、花が咲く頃には大勢の人が訪れる。彦根市から来た女性は「なんじゃもんじゃの木が背丈よりも低い時から見に来ている。こんなに大きくなって驚いている。毎年見に来ているが、今年は特に大きくてきれい」と話した。
岳さんは「日当たりが良い場所にあり、最初に咲き始めたシンボルツリーの花は明日の雨と風で花が傷んだり散ったりしてしまうかもしれないが、森の中にある木は5月中旬までは花を咲かせるだろう。境内を清めるかのように咲く様子を見に来てもらえれば」と話す。