対談イベント「書き手と編集者」が5月10日、岡山県天神山文化プラザ(岡山市北区天神町)で開かれた。(岡山経済新聞)
片山ひとみさん
同イベントは、岡山県文化連盟の20周年記念企画として開催した同イベント。同団体は、2005(平成17)年、2010(平成22)年開催の国民文化祭の開催のために組織された。現在は、「おかやま県民文化祭」の開催や、備前焼や箏(こと)と尺八など県内の公立小中学校を中心に学校出前講座を行うほか、小説・随筆・現代詩・短歌・俳句などを募集する「岡山県文学選奨」を岡山県などと主催する。天神山文化プラザの指定管理団体でもある。
対談は、作家の片山ひとみさんと「吉備人出版」(丸の内2)代表の山川隆之さんが登壇。片山さんは、「岡山県文学選奨」で入選・佳作を受賞し、現在は審査委員を務めている。受賞歴は1990(平成2)年の「すてきな奥さん」創刊記念エッセー公募の優秀賞を受賞した後、100以上の賞を受賞してきた。そのほか、雑誌や新聞の投稿掲載も多数。吉備人出版30周年記念の公募「第4回ほんとまち大賞」では、「心のスプーンで日常の機微をすくい上げる」で大賞を受賞。
前半は、生まれ育った場所のこと、小学4年生の時に書いた戯曲「ハクション女房」で読み手が笑ってくれた体験から書くことの楽しさを感じたこと、高校1年生での母との別れ、法律家を目指していた話など、片山さんの「書くことの基礎」を作った体験を語った。また、結婚2年目で子育て中で手にした受賞の知らせを夫が投げたことに腹を立てたことをきっかけに、自分が書き手として夫に認めさせたいという思いが原動力になったとも話した。
後半は「書きたい人へのアドバイス」として、やタイトルの付け方、書き出しの心得、「起承転結」の流れをドライブに例えて解説するなど具体的で実践的な応募のコツなどを話した。片山さんは「出来事を包んでいる感情を描くこと、それによって動く心の変遷を書いていく。自分の目線だけでなく、複眼的に読者目線を描けると伝わる文章になっていく」と話した。