京丹後・網野銚子山古墳整備完了でイベント 市民と保存・活用を考える場に

  • 2025年4月22日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 京丹後市の史跡「網野銚子山古墳(あみのちょうしやまこふん)」(網野町網野)で4月26日、「史跡整備完了記念イベント」が開催される。同古墳の整備は2004(平成16)年から続いており、同イベントで一般公開する。 (京丹後経済新聞)

 教育委員会文化財保存活用課の村上公太さん

 同古墳は日本海側最大の前方後円墳。およそ1600年前に造られたとされ、丹後地域出身の皇族で垂仁天皇の皇后である「日葉酢媛命(ヒバスノヒメノミコト)」と関わりのある人物の墓ではないかといわれている。

 同古墳について、京丹後市教育委員会文化財保存活用課の村上公太さんは「1922(大正11)年に国の史跡に指定されているが、地元の人に知られておらず、十分に整備されていなかった」と話す。「歴史的に価値のある古墳の保存・活用のため、過去21回、調査を行ったが、破壊に当たるような発掘は行っていない。古墳は墳丘が全面ふき石で覆われていたことが確認されており、今回の整備では、発掘された当時の石を使って、ふき石を一部再現した」とも。

 イベントの内容は、記念式典をはじめ、古墳にまつわるクリエーターの物販やキッチンカーの出店、ちりめんを使ったワークショップなど多岐にわたる。村上さんは「網野南小学校の2024年度卒業生が、在学時の総合学習の時間に当古墳について調べ、広告のためにオリジナルキャラクターや動画、パンフレットなどを制作してくれた。小学生が作ったとは思えないほどクオリティーが高いので、当日、見てもらえるようブースを設ける」と話す。「古墳発掘担当者によるトークイベントも準備している。普段、資料館などに行くだけでは知ることができないような裏話を聞ける場にしたい。難しく考えず、気軽に聞いてもらえたら」と話す。

 同課は同古墳の「御墳印」を制作しており、同イベントでは先着1000人に、限定デザインの「プレミアム御墳印」を配布予定。御墳印とは、御朱印の古墳版で、古墳を訪れた記念にオリジナルデザインの印を配るもの。「配布する限定デザインは、今回のイベントでしか手に入らない」という。

 村上さんは「市民の皆さんに参加してもらい、古墳を自分たちの仕事などに使えるかも、と思ってもらいたい。役所主体ではなく、自由な思いやアイデアを相談・提案してもらい、古墳を活用していきたい。特に若い世代には、地元にも歴史的にすごいものがあると知ってもらうのと同時に、ピクニックなど普段の遊びにも使ってほしい。そのために駐車場やトイレ、歩道を整備した。頂上からの景色もいいので、ぜひ楽しんでもらえたら」と参加を呼びかける。

 開催時間は11時~16時。入場無料。臨時駐車場を網野庁舎周辺に用意し、会場までの無料シャトルバスを運行予定。雨天決行。

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