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絵本とアートのカフェ「pg(ピージー) Art Book Cafe」が5月24日・25日、天祖神社・杜のまちや(板橋区南常盤台2)に出店した。(板橋経済新聞)
ピージーを運営するあおきたかさん、オオノ・マユミさん夫婦
イラストレーター・絵本作家のオオノ・マユミさんと夫のあおきたかさんの2人で運営するピージー。名前の由来は「Page」から2文字を取った。2人とも丸眼鏡を着用し、眼鏡のような字面から「絵本を読む・アートを見る」につながると決めた。メニューや主な運営はあおきさん、展示の企画運営はオオノさんが担当する。
板橋区立美術館(赤塚5)では毎年、入選作品を一堂に展示する「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」を開催し、同時期に関連イベントとして「ボローニャ絵本さんぽ」を行っている。同館によるコーディネートで、区内やその周辺の店舗・ギャラリーでボローニャ展の入選者の展覧会を催す「絵本のまち板橋」の事業の一つ。天祖神社・杜のまちやも2021年から同イベントの会場として、事業を応援している。
オオノさんは2017年のイタリア・ボローニャ国際絵本原画展に入選。2021年にイタリアで刊行された絵本の出版記念展を「ボローニャ絵本さんぽ」で開催したことが、杜のまちやとの出合いだったという。
「個展を通して立地や空間に魅せられ、地域の方と温かな交流ができたことで、度々夫婦で杜のまちやのことが話題に上っていた」という。あおきさんの実家が伊勢神宮のすぐ近くにある帽子店兼喫茶店だったことから、天祖神社が伊勢神宮に関わりの深いところにも縁を感じた。同所でコミュニケーションの場を持つことで「何か生まれるのでは」と期待を込め、アートカフェ開催につながった。1回目のメニューは、伊勢うどんなど、あおきさんになじみのある素朴な伊勢の食事を中心に、オオノさんの好きな玄米甘酒などを提供した。
今後は定期的な開催を予定しているが、1回目の企画を考えた際に、すぐに波田さんの明るく楽しいイラストを思い浮かべたという。波田さんは2021年と2025年の2度、イタリア・ボローニャ国際絵本原画展に入選。2024年の区立美術館の同展ではVI(ビジュアル・アイデンティティー)を担当した。
一般的なギャラリーでは、購入した作品は会期終了後の発送となるが、同イベントでは「お持ち帰りできる気軽なアート」として、その場で持ち帰ることができた。オオノさんは「とても幸せそうな笑顔で、購入した作品を抱えて店を出ていく姿がとても印象的だった」と振り返る。「ボローニャ絵本さんぽでつながった方々の来店もあり、区立美術館の積み重ねてきた活動とその広がりを実感した」とも。
あおきさんは「隔月・2日間の短い営業だが、スタッフに作家がいることで、より『絵本のまち板橋』らしい場所にできたら。作家と絵本編集者の交流の場になったり、ピージーがきっかけで出版につながったり。気軽に立ち寄って、目にした展示作品がいつか絵本になって、また楽しんでもらえたら」と話す。
第2回は7月12日・13日、「絵本作家のてぬぐい展」としてetoさん、岡村志満子さん、のぐちようこさんの出展、9月には「さぶさちえ 切り絵展(仮)」を予定。いずれも板橋区立美術館に縁のある絵本作家となる。開店時間は12時~19時。