
ほお袋はめくるめく波乱万丈な大冒険のはじまり!?創作漫画「ハムガールの冒険」 / 作:フィビ鳥
幼いころ、神様への願いごとで「ほお袋」を手に入れた少女。特に役立つわけでもないおまけのような特徴は、人生を左右する冒険の入り口だった――!?
フィビ鳥(@fibi_dori)さんの創作漫画「ハムガールの冒険」は、ハムスターのようなほお袋を持つ少女の半生を辿る短編作品。ほかの人にはないほお袋を持て余す主人公と、そこに価値を見出してくれた恋人との出会いを描く……と思いきや、2人目の恋人はまさかの反政府組織の一員。読者の予想をことごとく裏切るジェットコースターのような展開と、主人公の数奇な運命に、X上で9万件を超えるいいねが寄せられた作品だ。
読者から「すごいとしか言えない」「長い夢を見たときに似ている」「どこまでも不思議なお話」と大きな反響を呼んだ同作。少年ジャンプ+で読切「嘘つき大工と神様の木」を発表するなど精力的な作品発表を続ける作者のフィビ鳥さんにインタビューを行い、作品の着想や漫画制作でのこだわりについて語ってもらった。
■かわいさと奇想天外な展開が交錯するストーリー
「ハムガールの冒険」01 / 作:フィビ鳥
「ハムガールの冒険」02 / 作:フィビ鳥
「ハムガールの冒険」03 / 作:フィビ鳥
主人公つむぎが5歳の誕生日を迎えた日、神様が現れて言った。「願い事をひとつ叶えてあげよう」。ハムスターが大好きなつむぎは「ほお袋をください!」と即答し、ほお袋を手にしたのだった。今作「ハムガールの冒険」は、そんなかわいらしいファンタジーから始まる。しかし、そのあとのストーリー展開は予想をことごとく裏切るもので、読者を強く惹きつけていく。
普段から思いついたことをメモアプリに記録しているという、作者のフィビ鳥さん。今作の制作のきっかけについて、「メモを見返していたら『ほお袋のある女』という言葉があり、そこから漫画に起こしました」と話す。さらに、「『ほお袋のある女』というキーワードから自由に連想して、出てきたエピソードをつなげました。並べていくうちに脈絡のようなものが見えてきたので、あとはそれに沿ってエピソードを足して、1本の物語にしました」と制作過程を明かしてくれた。
また、フィビ鳥さんの他の作品と比べて、本作は明暗がはっきりしており、シンプルな作画で表現されている。「身構えず気軽に読んでほしかったので、絵柄を軽くしました。現代ものの漫画を描くときは、軽めの絵柄を選ぶことが多いです」と、読者を惹きつける工夫について語ってくれた。
ほお袋を持つ少女が思春期を迎え大人へと成長するにつれ、背景のスケール感が大きく広がっていくのも本作の大きな魅力だ。ぜひ、ハムガールつむぎの冒険を最後まで見届けてほしい。
取材協力:フィビ鳥(@fibi_dori)
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