アクセサリー専門店「もんじろう」(新宿区神楽坂6)が5月11日、神楽坂にオープンした。(市ケ谷経済新聞)
「もんじろう」店内の様子
店主の浜野佑貴さんは一般企業での勤務を経て、大学院で地域社会学などを学び、修士課程まで学びを深めた。博士課程への進学を見据えていた最中、コロナ禍に突入。思うように調査や資料収集ができない状況のなか、趣味で集めたボタンを使ったアクセサリー制作を本格的に始めた。浜野さんは「当時テレビで見たボタンバイヤーが印象に残り、私も同じように自分の好きなことを探究したいと考えるようになった。ボタンに詰まっている世界観が好きで、それを持ち歩きたいという願望から、アクセサリーにすることを思いついた」と話す。
蚤(のみ)の市やイベントなどでの出店を経て、2022年からは蔵前で店を営んでいたが、「アクセサリーだけでなく、洋服やバッグなども扱いたい」との思いから、神楽坂への移転を決めたという。新店舗ではスペースを拡大し、取り扱いアイテムの幅を広げた。浜野さんは「神楽坂は、もともと家族とも縁のあった場所。古いものと新しいものが交差する街。昔ながらの雰囲気と現代的な感性が自然に同居していて、私の作品とも親和性があると感じる。この場所に店を持てたことに感謝」と話す。
「身に着けることで、その人の暮らしにそっと寄り添うようなアクセサリーを作りたい」という浜野さん。100年以上前のアンティークボタンや、ヨーロッパ各地で買い付けたビンテージ素材を用いて、一点ずつ手作業で制作するという。「フランスやイギリス、イタリアなど、服飾にまつわる小物とともに、状態が良いボタンを探し歩き、仕入れる。ビンテージやアンティークには時を超える力がある。季節やお客さまの顔を思い浮かべながら、自然になじむデザインに仕上げる」とも。作品にはアコヤ真珠や天然石など、「自身が本当に良いと感じた素材」も使う。
アクセサリーは、ビンテージボタンのリング(5,600円)、フランスの伝統技法「エマイユ(七宝)」を用いたバラの絵柄のネックレス(1万6,800円)、インド・ジャイプールで手彫りされたアメシストを用いたピアス(2万800円)など。「美しいものが持つ力で、心が緩んだり、前向きになったりする体験を届けたい。疲れた時、もう一踏ん張りしたい時にフラッと立ち寄ってもらえるような、そんな場所になれたら」と来店を促す。
営業時間は12時~17時30分。営業日はインスタグラムで知らせる。