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Vol.21 暮らしの元気は植物の元気をもらうこと…
LOHASコンシェルジェ 平松弘子さん

  • 2012年3月1日
平松弘子さん

LOHASコンシェルジェ/ 平松弘子さん

Profile
岐阜県生まれ。関西外国語大学卒。日本フィトセラピー協会認定フィトセラピスト。現在、名古屋市在住。名古屋のオーガニックカフェにてマクロビオティックに基づいた砂糖・卵・乳製品を使用しないオーガニックスウィーツ、オーガニックハーブティーのブレンド、アロマオイルを用いた店内の香りを担当。また、毎日の小さな暮らしを豊かに楽しむサロン「きいちごものがたり。」主宰、不定期で開いています。LOHASコンシェルジェ(NPOローハスクラブ認定)。ブログ「ロハス☆スマイル」

 

ハーブティ 今回ご紹介する平松弘子さんは、ハーブやアロマをはじめとする植物の力を使いこなすフィトセラピスト。フィトとは植物のこと。フィトセラピーは、植物の癒し力を用いて、人間のもっている自然治癒力に働きかけて病気を予防したり治療する植物療法です。
 平松さんは、ハーブなどの勉強をしていくうちに植樹祭に参加したり、いろいろな出会いがあったそうです。


毎日の暮らしのなかにあるロハス

 「LOHASという言葉を知る前から、ずっと毎日の暮らしの中にありました。小さな庭でハーブや野菜を育て、植物の水やりには雨水タンクに溜まった水を使う。無農薬のお米、天然塩、国産の有機栽培の大豆を使用したお醤油、ポストハーベストの心配のない小麦などをなるべく選ぶ。着古したTシャツを手のひらサイズにカットして食器を洗う前に油汚れをふき取ったり、掃除に使ったりして捨てる。ご近所から無農薬で育てたお野菜を頂いたり、自然農のお米作りを体験したり。それらはこれまでの暮らしの中で少しずつ自然な流れで変遷しながら行われてきた小さな毎日の積み重ねです」という平松さん。

 

実家の雨水タンク
実家の雨水タンク
 「ロハスらしきものに対する自分の中のセンサーが具体的に動き始めたのは、高校の授業の中で初めてレイチェル・カーソンの「沈黙の春」の一節に触れた時です。大学では環境問題のセミナーが一番興味深く心に残っています。アメリカ人教授による環境問題のセミナーで長良川河口堰の建設をテーマに取り上げたのは私だけでした。出身地が岐阜県ということで長良川には特別な愛着があります。1992年当時はまだ河口堰の建設途中で、賛成派と反対派の意見の分かれるなか、河口堰建設がどのような利点と問題点があるのかについて長良川鉄道に沿って郡上八幡の川の上流から伊勢大橋の河口まで下り、調査をしました。
 長良川河口堰は三重県の桑名市長島町の長良川が伊勢湾と合流する地点に主に洪水対策などの治水また渇水対策や海水の侵入を防ぎ真水を利用するための利水を目的として長良川に初めて造られた堰です。河口堰ができるまでは長良川に生息する生き物の種類は日本一と言われており、貴重なサツキマスや鮎の天然遡上が阻まれ多種多様な生物の生息環境が破壊されるのではないか、漁業にも悪影響が及ぼされるのではないかという反対派の意見がありました。

 

 

現在の長良川河口堰
現在の長良川河口堰/Photo:愛知県HP
 ちなみに竣工後は、河口堰には魚道が設けられ鮎やサツキマスの遡上状況が管理報告されています。しかし一方で、漁の現場では鮎やサツキマスやシジミの不漁という事実が挙げられています。
 私が調査した時も、ラフティングを楽しむ人がいたり、一方、鮎釣りを楽しむ人から『ラフティングを楽しむ人たちが下った後には鮎はみんな逃げてしまった』という話を聞いたりしながら実際の生活に根差した豊かな川の様子を眺めながらの調査というより思い出深い故郷の川の旅でした」


 

ハーブとの出会いから…植樹祭に参加

 小学生の頃から、お花を乾燥させてポプリを作ったり、リンゴに丁子を刺してポマンダーという香り玉を作ったり、ハーブについて関心をもっていたという平松さん。「ハーブとの出会いは、学生時代にフラワーアレンジメントの教室に通っていた時です。なるべく農薬を使わない花材やハーブを使用して、切り落とした葉や茎は短くカットして土に返すというコンセプトが好きでした。そこでお友達になった方が働いていた長野県の蓼科のリゾート地にある、ハーブや紅茶やスパイスを扱っているお店に遊びに行って、その頃は樹木医になろうか真剣に悩んでいたのですが、結局大学卒業後そのままそこに就職してしまいました。まだハーブやアロマセラピーがブームになる前のことです。そこではハーブガーデンから料理に必要なハーブを摘んできてはお料理やパンやスイーツを作ったり、染色をしたり、そしてそこから出た生ごみはまたハーブガーデンのコンポストに返すという生活でした」毎日の生活の中でハーブや精油を料理や代替医療にと自然に使いこなすという、そこでの2年間の経験が平松さんの原点になっているそうです。

植樹祭の様子
植樹祭の様子
 「その後実家に戻り、庭でハーブや野菜を育てたりスウィーツや天然酵母のパンを作ったり毎日の暮らしを楽しんでいました。そうした中で、オーガニック精油の成分について興味を持って勉強しているうちに『もっと身近にハーブや精油を日常生活の中で使いこなせるようになりたい』と思い始めた頃、長年お世話になっている方からソフィアフィトセラピーカレッジを紹介され、また出会いがありました」
 池田明子校長は、ハーブやアロマセラピーの知識が深いばかりではなく、植物生態学者の宮脇昭先生とも親交が深く植樹の活動に関しても熱心です。『宮脇方式』とは潜在自然植生という本来その土地にあった木々の幼苗をたとえ1m四方であっても種類をおりまぜて植えることで3年後には人の手を借りずとも循環する森づくりができるという方式です。平松さんも植樹祭に何度か参加し「植樹に参加される方々はいろんなバックグラウンドをお持ちで、小さなお子さんからご年配の方まで皆さんはつらつとしていらっしゃいます。私にとっては地球環境のためというより、学生の頃ジャン・ジオノの『木を植える人』という本に感動したり樹木医になろうかと悩んでいた自分に対しての答えが出たようで、今後もライフワークとして植樹を続けていきたいと思っています」

 

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