「お金の失敗はひと通りやってきた」と語る、漫画家・なぎまゆさんの家計改善メソッド【インタビュー】

  • 2025年5月19日
  • レタスクラブニュース
『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より
『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より / (C)なぎまゆ

「お金に関しての失敗は一通りやってきました」と話すのは漫画家のなぎまゆさん。

実録コミックエッセイ『痩せるより大切なことに気づいたら、人生で一番楽に17kgのダイエットに成功しました』で我慢しないダイエットを、『「ちゃんとしなきゃ!」をやめたら 二度と散らからない部屋になりました』では、「努力」ではなく「工夫」によってで片付けができるようになるまでを描きました。

彼女の最新作のテーマは「お金」。「贅沢らしい贅沢をしていないのにお金が貯まらない」という友人Yさんの悩みを聞き、自身の経験を絡めながら行ったアドバイスをもとに、実録コミック『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』としてまとめました。

失敗した過去があったからこそたどり着いた、人生も豊かになるお金の貯め方を考案したなぎまゆさんにインタビューしました。まずは作品のあらすじからご紹介しましょう。

『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』あらすじ


『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より
『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より / (C)なぎまゆ/KADOKAWA

漫画家・なぎまゆさんは、過去にはいくつかのお金の失敗を経験していました。
部屋が片付いていないのが原因でお金がいつも落ちていたり、ストレスからブランド物を買いすぎてしまったり、投資に失敗したり…。
そこで得た学びを生かして友人Yさんをサポートをすることになりました。

『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より
『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より / (C)なぎまゆ/KADOKAWA

漫画家のなぎまゆさんの友人、40代のYさんにはある悩みがありました。
それは、ちゃんと働いていて収入もあるのに、思うように貯金が増えないこと。

『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より
『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より / (C)なぎまゆ/KADOKAWA

その原因の一つが、お金に関する間違った思い込み。Yさんはクレジットカードのポイント還元を重要視するあまり、そこまで必要でないものをついでに購入してしまったり、手持ちがなくても買い物ができるためについつい買いすぎたりしていたのです。

結果、クレジットカードの引き落とし日に肝を冷やすこともあったというYさん。
『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より
『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より / (C)なぎまゆ/KADOKAWA

そんな彼女に対し、なぎまゆさんは、クレジットカードではなく現金決済をすすめます。

さらになぎまゆさんによるYさんの家計改善は続きます。

次に行ったのが、支出を「固定費」「不要」「贅沢費」「生活費」の4つに分け、それぞれを見直すこと。まずはスマホ代や保険などの「固定費」からはじめたYさんですが、いきなりつまづいてしまいました。
『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より
『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より / (C)なぎまゆ/KADOKAWA

長期間そのままだったスマホの回線契約や民間保険を見直すとなると、調べることも多く、かかる手間も多いため、面食らってしまったのです。

そのためYさんは、固定費を後まわしにして食費や外食費などを削る算段をしますが、なぎまゆさんは渋い顔です。
『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より
『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より / (C)なぎまゆ/KADOKAWA

なぜなら、自炊のみにするなど自分の生活スタイルに合わない無理な節約は、続かないから。その意味で、節約はダイエットと似ているかもしれません。無理のないダイエットに成功したなぎまゆさんだからこそできた、説得力あるアドバイスですね。

『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より
『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より / (C)なぎまゆ/KADOKAWA

ほかにも、固定費から見直すことのメリットはあるとなぎまゆさんは言います。それは「いままでの生活や行動をほぼ変えないままで支出を減らせる」こと。
『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より
『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より / (C)なぎまゆ/KADOKAWA

たとえばスマホは、同じサービスを提供している別のキャリアに契約を変えるだけ。最初に手続きするだけでその後の支払いを減らせます。

「面倒かもしれないけど、やるだけの価値はある」と固定費削減の効果に太鼓判を押すなぎまゆさんを見て、Yさんも重い腰を上げようとしていました。


なぎまゆさんインタビュー


――なぎまゆさんも以前はお金の失敗をしてきたそうですが、家計改善に取り組まれたきっかけは何でしたか?

なぎまゆさん:明確にこれ!という原因はないですが、働き方がフリーランスであること、変形性股関節症という持病を患っていることで、何かあった時に余裕がない状態だと怖いなあという気持ちから、家計改善をしようという気持ちはわりと早い段階からあったかもしれません。

『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より
『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より / (C)なぎまゆ/KADOKAWA

――そこから貯められるようになったステップが知りたいです! 初めて実践したことから、徐々にステップアップしていく過程でどのような工夫をされたのか、具体的なエピソードがあれば教えてください。

なぎまゆさん:最初は本当に「コンビニに寄る回数を減らそう」「携帯プランを安い会社に変えよう」など気付いたことから部分的に手をつけていく感じでした。

大きく支出の仕方が変わったのは本でも描かせていただきましたが、家の片付けに本格的に手をつけるようになってからです。片付けを通して要る要らないの取捨選択をできるようになり、余計な物やサービスを買わなくなり、今あるものを無駄なく最大限使うよう心がけるようになったあたりから不要な支出が減るようになり、そこからさらに家計簿をつけて…、のように試行錯誤で少しずつレベルをあげていった感じです。

――なぎまゆさんが家計改善をする上で、一番苦労したことは何ですか?

なぎまゆさん:今やっている「要・不要別の家計簿」の考え方にたどり着くまでに何度もトライアンドエラーがあったので、苦労というほどではないですが、今思えば試行錯誤が多かったなと思います。

『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より
『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』より / (C)なぎまゆ/KADOKAWA

――なぎまゆさんが家計改善に成功したことで、生活にどのような変化がありましたか?

なぎまゆさん:ダブり買いや衝動買いはとにかく減りました。片付けをしたり家計簿をつけるたびに「これはいらなかった」「これは必要だった」と意識することで、自分にとって何がいくつ必要か把握できるようになったからだと思います。

そして収入や支出をきちんと把握することで、将来への不安はだいぶ減りました。もちろん病気や失業や災害など予期せぬことが起これば予定通りには行かないわけですが、それでもやるのとやらないのでは気持ちが全然違いました。

   *     *     *

過去の失敗を糧に、いまでは上手なお金との付き合えるようになり、お金の不安から解放されたなぎまゆさん。いま「貯められない」ことに悩んでいる方も、この本を読めば、「貯められる人」に変われるかもしれません!



取材・文=山上由利子

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