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「60万!?」トラブルの賠償金をめぐって崩壊していく母親たちの関係性。『犯人は私だけが知っている』著者インタビュー

  • 2023年12月20日
  • レタスクラブニュース


もし、自分の子どもが他人の外車に傷をつけてしまったら……?

同じ園に子どもを通わせ、同じ園バスの集合場所で顔を合わせる4人のママ友たちが、ご近所トラブルの賠償を発端に、次第に関係性を悪化させていく様子を描いた物語。
平凡な主婦を主人公にした作品を描いてきたゆむいさんの新作『犯人は私だけが知っている~母たちは静観する~』は、ママ友たちの関係性の崩壊をミステリタッチで描いた作品です。試し読み連載で350万PVを突破、SNSでも「読む手が止まらない!」など話題となっています。

まずは詳しいあらすじをご紹介しましょう。

『犯人は私だけが知っている~母たちは静観する~』あらすじ




子どもたちを同じ幼稚園に通わせている4人のママ友たちは、毎日いつもバスの集合場所で顔をあわせていました。そんなある日、子どもたちが社宅の駐車場で遊んでいるうちに、一台の車に子どもたちの誰かが傷をつけてしまったようです。


「この傷は誰が…?」
子どもの証言は曖昧で、誰が傷をつけたのかはわかりませんでした。しかし、子どもたちから目を離しておしゃべりに夢中になってしまった責任から、4人は協力してトラブル対応にあたることを話し合います。



車の持ち主は車の傷にショックを受けつつも、母親たちには保険で対応してもらえればいいと謝罪を受け入れます。翌日、警察がやってきて調書を取っているところを近所の人に見られ、母親たちは肩身の狭い思いをするのでした。



車の修理の見積もりは60万円。古い外車ということもあって保険金も20万円しかおりず、その差額は各家庭で10万円ずつ負担することになりました。お金のかかる子育て世帯にとっては大金です。その賠償金を払いたくない1人の母親は一計を講じ、それをきっかけに彼女たちの関係性は壊れていきます。



そんな中、付近ではゴミ捨て場のボヤや自転車を破損させるいたずらが立て続けに起こります。一体、これらのトラブルの犯人は誰……?

この話題作について、著者のゆむいさんにお話を伺いました。

著者・ゆむいさんインタビュー


──いたずらをしてしまう子どもたちですが、元気がよくてとてもかわいかったです。子どもたちをどのようなお気持ちで描かれていたのでしょうか。

ゆむいさん:
物静かで不思議な子、力加減が難しい子、時にはイタズラしてしまう子など色々な子供がいますが、子供に「悪い子」はいない、というのが私の考えです。何かトラブルが起こったとしても、子どもにそうさせた原因は他にあるのではないかと思っています。



──確かに、この作品でも発端は子どものイタズラに見えますが、その原因は後に明らかになりますね。子どもたちを描く時に気をつけていることはありますか?

ゆむいさん:
10歳未満の子供に関しては、「心の声」を表現しないように気をつけています。子供の心の声は、大人には再現できない領域だと思っています。

──幼稚園の送迎バスのバス停仲間である4人のママ。子どもが同じ年という共通項のみのママたちとのお付き合いは距離感が難しそうですが、ゆむいさんが思うママ友付き合いのお悩みや問題点、対処法などございましたら教えてください。

ゆむいさん:
ママ友以前にそもそも私は人見知りが激しいので、子供を介した関係というのは難易度がとても高いです(笑)
あまり本音でズバズバ話せないけど、子育てしてる中では助かる存在なのは本当です。
トラブルがあった時の対処法は今でもわからないです。そっとフェードアウトですかね……。



──人見知りだとママ友づきあいは色々難しいですよね、わかります……。この作品では、子どもたちがおこしたトラブルの後処理のため、ママだけでなくパパたちも動きます。パパたちについてはどのようなお気持ちで描かれたのでしょうか。

ゆむいさん:
幼稚園という特性上、やはり母親が子育ての前面にでて、父親はいざという時に……という場面が多く、この設定は今の時代に書くとちょっと批判されそうだなと思ってたのですが、こういったことは実際に多く経験しました。

──父親たちもそれぞれ個性的で、トラブルへの反応も人それぞれですね。

ゆむいさん:
この物語の中では、冷静に対処する父親たちは思い込みで突っ走ってしまう妻たちのストッパー的な役割だったりします。逆に噂を加速させてしまう役割も、他の父親に担わせてみました。



──最後に、『犯人は私だけが知っている~母たちは静観する~』を手に取る読者のみなさんへ、メッセージをお願いいたします。

ゆむいさん:
「こんなことがあるかもしれないな」「自分だったらこうするな」「もしかしたらあの人も……」と、ちょっと楽しむくらいの感覚で読んでいただけると嬉しいです。

     *     *     *

子どもが幼稚園・保育園などに通い始めると、どうしても発生してしまうママ友とのお付き合い。この作品についてゆむいさんは「ママ友独特の微妙な距離感が面白いと思って描きました」と語ります。「自分だったらこの関係性の中でどう立ち回るか?」「どうやってトラブルを回避する?」と、そんなことを考えながら読んでも楽しいかもしれません。

著者プロフィール



ゆむい:イラストレーター・ブロガー。育児や日々の出来事を中心とした4コマ漫画で3学年差兄弟の成長を記録しているブログ「ゆむいhPa」を運営。著書に『夫の扶養からぬけだしたい』、『親になったの私だけ!?』『ママはパパがこわいの?』『夫婦を続ける自信がない』など。

取材=ナツメヤシ子/文=レタスユキ

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