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知ってますか?室内に入り込んだ花粉の「その後」。衝撃の事実と賢い対策を知っておこう

  • 2022年3月31日
  • レタスクラブニュース


花粉症にとってツライ時期がやってきました。暖かくなるのはうれしいけれど、気温上昇とともに激しく飛び散る花粉はいただけませんよね。

なんと、今年の花粉の飛散量は東海、北陸、関東甲信、北海道は前シーズンより多く、東京都では昨春の1.5倍といわれているのだとか!

コロナ禍を考えると、換気はこまめにしたいものの、室内にまで花粉が入ってくるし、その花粉を掃除で徹底的に取り除くなんて、とてもじゃないけど毎日できるはずもなく…。

でも、ちょっと考えてみてください。
室内に入り込んだ花粉って、取り除けなかったら一体その後どうなるのでしょうか? 
パナソニックが行なった実験で、なんともショックな事実が判明! その衝撃の内容とともに、どんな対策をすればいいのかをご紹介します。

室内に入り込んだ花粉の行く末は?

パナソニックが行なったのは、スギ花粉をサンプルにした花粉の実態を把握する実験(※)。その結果から分かったことは、衝撃の事実でした。

【実験結果1】足で踏むと細かく砕ける花粉
室内で、スギ花粉が付着した床を人が踏むことで、花粉の状態がどう変化するかを実験。
その結果、何度か踏まれたりすることで、花粉の外皮が細かく砕かれていく様子が観察できたといいます。



この粉々になった「粉砕花粉」は、通常の花粉の大きさである30マイクロメ-トル(1マイクロメートル=1mmの1/1000)ほどよりも小さいナノメートル(1ナノメートル=1mmの1/100万)レベルに砕けることもあるため、軽く舞いやすい状態に変化してしまうことが分かったというのです。





【実験結果2】長く漂い続ける「粉砕花粉」
次に行なったのは、「粉砕花粉」の飛散の仕方に関する実験。
「粉砕花粉」が床にある室内で、歩く動作をしたところ、粉砕花粉の上を歩いた直後に、花粉は舞い上がり、いったん舞い上がった花粉は3分以上舞い続けることが判明!





通常サイズの花粉も同様に実験したところ約1分20秒ほどで大半が床に落ちたことから、「粉砕花粉」は、通常の花粉に比べ2.25倍以上もの時間、空気中を漂い続けるというショッキングな事実が!

※実験条件 新日本空調クリーンルーム内で、以下条件下にて撮影。室温22℃・湿度40%RH 一般的な部屋には存在する空調、換気、人の移動に伴う対流等を排除した密室に近い環境。 令和3年3月に採取され、精選後-20℃で冷凍保存していたスギ花粉を使用。 アルミ複合板にまかれた上記スギ花粉の上を被験者が歩行。

「粉砕花粉」が及ぼす健康への影響は?

人が踏むことで粉々に砕け、舞い上がって、空気中に漂い続ける「粉砕花粉」。考えただけでムズムズしてきますが、実際に健康にはどのような影響があるのでしょうか。

環境化学や花粉含有物質に関する研究者・王 青躍(おう せいよう)さん(埼玉大学大学院理工学研究科教授)に伺います。
「破裂した花粉の外皮や内容物がマイクロレベルやナノレベルで粒子化(粉砕花粉化)すると舞い上がりやすくなるだけでなく、PM2.5など大気中の有害化学物質と結びつきやすいため、反応性の強い物質に修飾されます。
場合によって反応性は1万倍にも高くなることが分かってきています。呼吸器を通じてこれらの微粒子が身体に取り込まれることを防ぐことが重要です」

つまり、ますます花粉症がひどくなる可能性が高いということ? それは困ります! どうすれば防げるのでしょうか。

「粉砕花粉」被害を防ぐ対策

再び、王さんにアドバイスいただきましょう。
「一日の多くの時間を過ごす空間の花粉飛散量を減らすことが大切です。
コロナ禍において、感染予防の観点から室内での換気が推奨されていますが、換気を頻繁に行なうと花粉を含む空気が室内に入り込みやすい状況になるので、よりいっそうの対策が必要になるといえるでしょう」



そのためのポイントは以下の3つ。

【帰宅時】
「まず、外出先から帰ったときには花粉を払い、可能ならお風呂に入り、洗顔・洗眼・洗鼻する、そして服を着替えるなどして、室内に花粉を持ち込まないようにしてください」



【掃除】
「掃除機をかける前に、床を濡れたクロスで拭いたあとにから拭きをして、花粉が舞い散らないようにします」



【空気清浄機】
「それでも、空気中に浮遊する目に見えないレベルの花粉を取り除き切ることは難しいので、花粉と微粒子の抑制効果のある高性能な空気清浄機の使用が有効です。
風があまり立たない場所に設置するとその効果をより発揮します」

花粉対策はもちろん、コロナ禍の影響で需要がますます高まっている空気清浄機。もう使っているけど、それほど効き目が実感できない…という場合は、ナノレベルの「粉砕花粉」まで抑制できていないからかも。
花粉にも「粉砕花粉」にも効果的な空気清浄機を活用して、この春を快適に過ごしたいですね。

文=岸田直子

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