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SDGs×料理家インタビュー 今井亮さんに聞く「私たちにもできるSDGsって?」

  • 2021年7月17日
  • レタスクラブニュース



最近、ニュースなどで「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」という言葉をよく目にしませんか? SDGsとは、貧困、人種差別、人や国の不平等、環境破壊など、地球上の様々な問題を解決するために、2030年までに世界が取り組むべき目標のこと。なんだか難しい気がして「自分には関わりのないもの」と思いがちですが、日々の暮らしの中で私たちにもできることって想像以上にいっぱいあるんです。そこで、料理家の先生に日頃意識しているSDGsについて教えていただきました。第一回目は今井亮さんです。

海の近くで育った子ども時代に身をもって感じた地球の危機




「僕の実家は日本海沿いにあって海の恩恵をたくさん受けて育ってきました。そんな僕が昔からずっと気になっているのは、地球温暖化による海面の上昇と海岸に流れ着くゴミの量の多さです。子どもの頃から海のそばで生活をしていた僕は、海で遊ぶこともしょっちゅうでしたが、その頃から海岸に流れ着くいろいろな国のゴミが気になっていました。そして今でも実家に帰るたびに近くの海へと出向くのですが、年々とゴミの量は増える一方で、さらに海面上昇のせいか砂浜の距離が陸地に迫ってきていることを知り、ショックを受け悲しい気持ちになりました。

都会で暮らしていると、地球のダメージを肌で感じることってなかなか難しいですよね。だからこそ今の自分にも何かできることはないかと考えて、地球に優しい生活を実践しています。本来であれば当たり前に気をつけないといけないことですが、最近は『SDGs』という言葉が注目されるようになって今まで以上に意識するようになりました」

フードロス削減を目指して。料理家として今できること




「食に携わる者としてまず始めやすいのはフードロスの削減です。たとえば食材を買いすぎて余らせないように、在庫や消費期限はしっかり確認するようにしています。また、なんでもかんでも大容量の物を買わずに、美味しいうちに使いきれるものを選ぶことも大切ですね。料理一品に対してたくさんの食材をちょっとずつ使うと端材が出やすいので、食材の数を絞って一度の調理で使いきれるようにするのも一つの手段だと思います。もちろん野菜を切るときには、捨てる部分をできるだけ少なく、可食部を多く残す工夫も必要です。

肉や野菜が残ってしまった場合はカットした状態で冷凍しておけば長持ちしますし、次の調理にそのまま使えてとても便利ですよ。冷凍することで食材の組織が壊れて出汁も出やすくなるので、スープなどに活用しやすいと思います。冷凍しない場合はラップやペーパータオルで野菜を包んでできるだけ新鮮さをキープさせるといいでしょう。

僕自身がレシピを考案するときも、できるだけフードロスが出ないように気をつけています。たとえばきゅうりは3本パックで販売されていることが多いから、3本を使い切るレシピを考えることも。そういう意味では、レタスクラブ本誌に毎号付録で付いている『献立カレンダー』はおすすめです。食材を1週間で全て使い切れるように1ヵ月分の献立が考えられているので、SDGs的な観点から見てもとてもいいと思います」

「ちょっとしたこと」が未来を変える!暮らしのなかで取り組めるSDGs




「フードロス以外でも地球のためにできることはたくさんあると思います。使った後のベトベトのお皿は、排水溝の油詰まりを防ぐためにも小さく切った布きれで一度汚れを拭き取ってから洗うようにしています。愛用しているヤシノミ洗剤は、無香料・無着色の植物系洗剤で、環境にやさしいのでおすすめですよ。

また自宅にいるときも、人のいない部屋はこまめに照明を消したり、エアコンの温度も過剰に冷やしすぎることのないように意識しています。そういった意識を持つことは地球にやさしいのはもちろん、お財布にもやさしいですから、家計のためにもやってみようか!という気になりやすいですよね。

SDGsと言うとなんだか難しいもののように聞こえますが、ひとつひとつは本当にちょっとしたことなんです。『私一人がこんなことをやっても意味ないよね』という気持ちをまず捨てて、70億人がSDGsを実践していけばきっと何かが変わってくるはずです」

取材・文=宇都宮薫


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