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松岡修造も唸った!プロ車いすテニスプレイヤー・国枝慎吾選手の金言とは? 対談で語られたアスリートのホンネ

  • 2021年6月17日
  • レタスクラブニュース



東京2020オリンピック・パラリンピック大会開催を目前に控え、プロ車いすテニスプレイヤーの国枝慎吾選手と、P&G熱血応援リーダー・松岡修造さんが対談するスペシャル動画が、6月15日にP&Gジャパン公式YoouTubeチャンネルで公開されました。

国枝選手が一人のアスリートとして、また一人の人間として、どのようなことを意識し、考え、行動しているのか。オリンピック、パラリンピックへの思い、障がいのある子どもたちへのメッセージなど、元プロテニスプレーヤーの熱血漢・松岡さんを相手に語る、見応えたっぷりの動画の内容をご紹介します。

車いすテニスの道を歩むきっかけとなったエピソード




人生のさまざまな分岐点において、「自分自身が後悔しない方」「やる気が出る方、やりがいや面白さを感じる方」を常に選択してきた結果として今があると言う国枝選手。

中でも興味深いのは、国枝選手が障がいを負った当初、自分と同じ障がいを持った方にどう接していいのか戸惑うこともあったというエピソードです。

初めて車いすテニスを見学に行ったとき、「ゆっくりしたラリーとか大したことないんじゃないかと思っていた」国枝選手は、見事にそのイメージが覆され、「相手との垣根が一気になくなった」と明かします。

「先輩方の姿を見て、健常者の方々と変わらないんだ。車いすであっても十分楽しんで生活できるんだな」と思ったといい、人がそれぞれ違うように「障がい者でもみんな違う。健常者と障がい者をひとくくりにしない」という意識が芽生えたと言います。

そして、自身が日本代表として出場する東京2020大会を、「実際に見たことがある人が圧倒的に少ない車いすテニスの試合を、フルで見ていただけるチャンス」だからこそ、期待するものが大きいと語ります。

「見た方々の予想の一歩二歩上をいくようなパフォーマンスを出して、『車いすでもここまでやれるんだ』と、僕が車いすの人に垣根がなくなったように、多くの方々に同じことが起こり得るんじゃないかと思っています」

コロナ禍の現在と自らの過去に見出した思わぬ共通点



続いて松岡さんが尋ねたのは、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスについて。
多くの人々と同様に、これまで経験したことのない日々を送る国枝選手にとって、コロナを受け入れるとはどんな感覚なのでしょうか。

国枝選手は「今まで自然にできていたことができなくなるという状況は、9 歳の頃、脊髄のガンで車いす生活になった時と少し似ています」と答えます。階段の昇り降りや、友達とのサッカー遊びなど、当たり前にできていた日常が一変したことを、当時はなかなか受け入れられなかった、と。

「でも2~3年経って、こういった生活に自分自身も慣れていかなきゃいけないし、車いすでこれからどう生活していくかということに意識が向き始めた」と言う国枝選手。
その経験があったからこそ、現在のコロナ禍を現役アスリートとして、また一人の人間としてどう生きるべきか、自分が取るべき行動の道筋が「割と早い時期に見えた」と言います。

モチベーションを駆り立てるのは「負け」と、奥様の支え!?



車いすテニスの最高峰グランドスラムのシングルスで優勝 24 回を誇る国枝選手ですが、今年 2 月の試合では惜しくも準決勝で敗退。過去にはシングルス 107 連勝という前人未到の大記録を叩き出すなど、勝ち続けることが当然だった頃に比べて、近年は黒星も増えてきました。

そんな国枝選手は前回出場した大会を振り返って、「勝って終わらなくて良かった」と言い切ります。その理由は「負けるたびにいろんな気づきがあって、練習にも打ち込めるようになるから」だとか。「その負けをすごく大事にして、どう料理して次に活かすかという作業に、最近は面白さを感じています」
負けることがモチベーションを駆り立てる。「我ながら良いテニスキャリアを過ごしていると思います」と言う国枝選手。

そうした競技活動の裏側には、信頼するパートナーの支えがあるからではないかと尋ねる松岡さん。
そこで国枝選手が明かしたのは、「妻には『もうダメかもしれない』と弱音を吐くこともある」という意外な一面。
「そんなとき妻は『今まで十分やってきたんだから』という感じで、慰めになりますね」「弱音を吐ける場所は大事」と打ち明ける、奥様との微笑ましいエピソードも必見です。

また、コーチやトレーナーなど「本当に多くの方々に支えられてコートに向かうことができる」と、支えてくれる存在の大きさ、大切さを語ります。

プロへの転向、それは障がいを持つ子どもたちへのバトン



2009 年に、車いすテニス選手として日本初のプロ転向を宣言した国枝選手。その際、「障がいを持った子どもたちの中に、プロの車いすテニスの選手になりたいと思う子が出てきたら」との思いがあったと言います。
最近では、実際に国枝選手に憧れて車いすテニスを始めたという子どもや、「国枝選手を倒したい」というジュニアの選手たちも増えているのだとか。

自身のプロ活動が少しずつ実を結んでいることに喜びや誇りを感じていると同時に、「そうして次世代へのバトンを繋げていくことが、社会全体を変えていくひとつの要素になると期待している」と言う国枝選手に、松岡さんが改めて、未来を担う若者たち、障がいを持つ子どもたちへのメッセージを求めると…
「自分自身が後悔しない選択をすることが、その人の人生においても素晴らしいものになる秘訣じゃないかと感じています」

世界を大きく変えるであろう、小さな一歩を踏み出す時の心構え


松岡さんは「すべてを懸けているアスリートだからこそ伝わってくる、勝ち負けを超えた大きなメッセージ」を感じ取り、「一人のちょっとした行動によって、間違いなく世界は変わっていくし、そういう力があると思います」と熱く語ります。
そして、「でも、アクションを起こしたくても、なかなか一歩を踏み出せない人に対して、どんなことを伝えたいですか?」と尋ねます。




その問いかけに国枝選手は「先に待っているものを想像することは、その一歩を踏み出す勇気につながります。決断するときに、この一歩を踏み出したらどんな未来が待っているかということを考えて、明るい未来をつかむために勇気の一歩を踏み出していってほしいと思います」と答えて、締めくくります。

約19分のこの対談動画は、現在YouTubeにて公開されています。
世界を知るレジェンド・国枝選手が穏やかに真摯に語る一言一言は、障がいやスポーツ経験の有無にかかわらず、子どもから大人まで心に深く大きく響き、多くの「気づき」を与えてくれます。

私たちひとりひとりが、お互いへの思いやりや愛を行動に移すことができれば、世界はもっと良くなる――。

どんなに小さな一歩でも勇気を持って踏み出せば、きっと素敵な未来が待っています。
その一歩のきっかけになるかもしれない、金言満載の動画。家族で、子どもと一緒に、ぜひ一度チェックしてみてください。



文=岸田直子

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