「働きながら介護ができるか不安」「将来、自分が介護されるならできるだけ短い期間がいい」など、介護の悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
介護をする時間、される時間を減らすためには健康寿命を延ばすことが重要です。そのために必要なことを薬剤師の山形ゆかりさんに教えてもらいました。
健康寿命とは、厚生労働省によると健康上の問題で日常が制限されることなく生活できる期間のことで、2022年の健康寿命は男性で72.57歳、女性で75.45歳です。
健康寿命が長いと食事や旅行を楽しみながら、豊かな老後を過ごすことができます。
一方、健康寿命が短いと趣味が楽しめなかったり、周りの人に介護をしてもらうことになったりするというデメリットがあります。
「定年後にたくさん旅行を楽しみたい!」という人も多いのではないでしょうか。ここで、健康寿命を延ばすために今から日常的に意識しておきたい3つのポイントを確認してみましょう。
健康寿命を延ばすためには、普段の生活習慣に気を配りましょう。
たとえば、適度な運動をすることで肺機能を高めたり、足腰の老化を遅らせたりすることができます。ハードな筋トレをする必要はないので、1日8,000歩程度のウォーキングに挑戦してくださいね。
食生活も健康寿命を延ばすポイントのひとつ。野菜や果物を意識的に摂りつつ、食塩の摂取量を減らすようにしましょう。
腸内環境を整えると免疫力も高まるといわれているため、「腸活」に取り組むのもおすすめですよ。
健康寿命を延ばすためには、社会活動に参加して他者と交流することも大切だといわれています。
町内会や自治会への参加の他、健康スポーツや趣味のサークル・団体に参加するのもおすすめです。
こういった社会活動に参加することで運動量も増え、足腰の老化防止効果も期待できます。
健康な毎日を送るためには、心とからだの機能の低下の根本改善を目的とする漢方薬の服用もおすすめです。
【おすすめの漢方薬】
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう):胃腸の働きをよくして体力を回復させ、元気を取り戻すのを助けます。
・人参養栄湯(にんじんようえいとう):胃腸の働きを高めるとともに、心を安定させます。
健康寿命を延ばしたい人は「消化・吸収機能を高めて必要な栄養をつくり、心とからだを元気にする」「血流をよくして栄養を全身に届ける」「自律神経を整えて睡眠の質を上げる」といった漢方薬を服用しましょう。
教えてくれたのは…/山形ゆかりさん●薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ。