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Vol.116 東京ガスの見学サイト“Ei-WALK”(イー・ウォーク)を訪ねる 

  • 2013年2月22日

 みなさん、こんにちは。全国ツアーがいよいよ佳境に入っているゴスペラーズの北山陽一です。

 今回は、そのツアーの合間を縫って、東京ガスの見学サイト“Ei-WALK”(イー・ウォーク)にお邪魔してきました。

 Ei-WALKは、「千住スマートエネルギーネットワーク」、「暮・楽・創ハウス」、さらには最新の燃焼技術を体感できる「アス×ラボ」、燃料電池自動車の実用化に向けて都市ガスから高効率に水素を製造する技術や車載水素タンクの水素充填方法の実証などを行っている「水素ステーション」といった施設から成っていますが、今回は特に「千住スマートエネルギーネットワーク」と「暮・楽・創ハウス」に注目しました。その2つの施設は、先の震災以降、にわかにクローズアップされている課題をクリアする可能性を示してくれているからです。

 先の震災以降、電力会社から送られてくる電気だけに頼らない様々な電力調達の方法が話題になっていますが、しかしそれぞれに一長一短があるのも事実です。そこで、そうした様々な方法で調達される電気、さらにはそこから生じる熱を、エネルギーネットワークと情報通信技術を活用して一定の地域のなかで最適利用するための仕組みとして考えられているのがスマートエネルギーネットワークなんですが、「千住スマートエネルギーネットワーク」はその最先端実証システムであり、その発想を一軒の家の中で具体的なライフスタイルと組み合わせて体感できるのが「暮・楽・創ハウス」です。

イメージ画像 「千住スマートエネルギーネットワーク」では、太陽光発電や太陽熱集熱器の最新設備を整え、さらには天然ガスコージェネレーションの廃熱も組み合わせて最も効率良く使い分けるシステムが組まれていて、また隣接する特別養護老人ホームと双方向で熱融通する制御技術の実証も行われています。個人的には「融通」という考え方がとても気に入ったのですが、かつて近所同士で生活の細々としたものを借りたり貸したりしていたように、地域コミュニティのなかでエネルギーがやりとりされるようになることがリアルにイメージできたのはとても愉快なことでした。

「暮・楽・創ハウス」では、共働き子育て世代の4人家族世帯と、セカンドライフを送る老夫婦世帯とを想定した2つのライフスタイルを例に、東京ガスの家庭用コージェネシステム「エネファーム」(Vol.102/Vol.103)と太陽光や太陽熱の設備を組み合わせ、もちろんそこに電力会社からの電気も合わせ、その家の中で使う熱と電力の情報をまとめて管理するホーム・エネルギー・マネージメント・システム(HEMS)の近未来像を体験できます。個人的には、技術的にできることよりも、ユーザーに求められていることをベースにしてシステムを構築しようとしている印象を受けました。例えば、停電時に「エネファーム」を自家発電設備として動かすことについても、現状の法的な制約のなかでどうやったらユーザーの要望に応えられるかということをすごく真摯に考えています。そのなかで、お湯を作り続ける、あるいはお湯を有効に使い続けるということを前提としても、発電効率の話で45%という数字が出てきたのは、すごいですよね。というか、世界最先端というレベルで言えば50%後半ですが、一般的な発電所の発電効率を考えれば、自分の家に45%の発電設備があるというのは凄まじいとさえ言ってもいいようなことだと思います。しかも、現実的な発売段階まで開発は進んでいるということですから、本当にワクワクしますね。

 ワクワクついでに言えば、こういう家同士をつないでスマートエネルギーネットワーク化することでエネルギー的に自立した地域コミュニティが生まれることも決して夢物語ではないように思います。HEMSのいろんな設備も、2010年にパナソニックのショールームを見学した(Vol.48/Vol.49)時点からすると、かなりリアルな生活なシステムになってきたなあということも強く感じました。やはり開発の現場では感じることが多いです。ますますいろんなところに出かけていきたくなった北山でした。


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