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Vol.48 「エコアイディアハウス」って知ってますか?

  • 2010年5月20日

 

 みなさん、こんにちは。ゴスペラーズの北山陽一です。
 今回は見学企画の第3弾。東京・有明にあるパナソニックセンター東京で「エコアイディアハウス」を見学してきました。
パナソニックセンター東京  まずは、なぜここに出かけたのかということから説明しないといけないでしょう。この連載のVol.43とVol.44でNTT環境エネルギー研究所の見学体験をご紹介しましたが、そこで最先端の研究開発にふれた「高電圧直流給電システム」を実際の暮らしの現場に生かす取り組みを最も意欲的に進めている企業のひとつがパナソニックさんだということで、その取り組みの見学を申し込んだのがきっかけでした。ところが、この希望については僕たちがちょっと先を行き過ぎていたというか(笑)、僕たちが見たいと思っていたこと、つまり実際の暮らしの現場にその最先端技術を生かす形はまだ見せていただける段階にはないということでした。が、そこで逆にご提案をいただいたのが今回見学した「エコアイディアハウス」だったわけです。
 「エコアイディアハウス」は、パナソニックが提案する3年から5年先のライフ・スタイルを具体的に住環境の形に落とし込み、ひとつのパッケージとして作り上げたモデルハウスです。コンセプトは“おウチまるごと「CO2±0(ゼロ)」のくらしへ”。鳩山首相をはじめ諸外国の要人も見学に来ているそうで、ある意味では“いま注目のスポット”と言えるかもしれません。実際、そのモデルハウスは生活空間についての新しい提案というよりは、ある種の近未来空間という印象で、僕自身も生活者としてよりも元技術者志望としての感覚をより強く刺激された感じです。スタッフの方に感想を求められて「もうちょっと家庭の主婦目線な感じもあってもいいかもしれませんね」という話をしたのですが、それはじつに正直な感想でした。
 もっとも、この日の見学がとても気持ちの良いものになった大きな理由のひとつは、スタッフの方の率直で正直な対応だったと思います。たとえば、この「エコアイディアハウス」では省エネによって可能な限りCO2排出量を削減する設備を整えたうえで、生活していくのに必要なエネルギーは燃料電池と太陽光発電、および蓄電池による“創エネ+蓄エネ”によってまかなうという考え方に立っています。その説明を受けて、“余剰電力を売電することは考えないのかな?”と思って質問してみると、「現状では売電の仕組みがクリアになっていないのでこのスキームの中には含めていない」というお答えでした。含めたほうがCO2削減度はより大きくなると言えるわけですが、それでも敢えて含めないというスタンスに立っているというわけです。他にも、僕は疑問に思ったことは遠慮なく質問してしまうので、答えにくいことも多かったと思うのですが、そんな質問にもじつに率直に応対してくれました。
 それから、アテンダントしてくださった女性陣の素晴らしいパフォーマンスにも感激しました。「エコアイディアハウス」内の「在宅勤務体験ラボ」というスペースではプラズマディスプレイを通して離れた場所にいる相手と会話することができるのですが、この体験場面でモニターの向こうのアテンダントの方々がいきなりゴスペラーズの曲を歌い始めたのです。最初は3人だけ映っていたのが、途中で歌いながら2人がフレームインしてきて、ゴスペラーズと同じ5人になるという“演出”も素敵でした(笑)。と同時に、パフォーマーが本業の僕としては、今日のところは敗北宣言をしないといけないでしょうね。というのも、その素晴らしいパフォーマンスの最後に、“続きはどうぞ”という感じで振られたのですが、うまく歌で応えることができなかったからです。この日は“ゴスペラーズの北山陽一”という意識では全然なかったので、“そういう意識じゃないと、オレは歌も歌えないのか”ということに気づいてショックでした(笑)。
 そんな具合に、いろんな角度から刺激を受けた見学だったわけですが、次回はこの見学を通して考えたことについて書いてみます。お楽しみに。

 

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