危険な場所でも機動力が活かせる!
ボストン・ダイナミクスの犬型ロボ「Spot」以降、世界中で4脚の犬型ロボットが作られています。アクロバットができたり荒れ地でモリモリ進むなど、運動性能ばかりが宣伝されますが…実用例はあんまりなかったような?
中国Unitreeの犬ロボ「B2」が、モジュラー式ユニットを搭載し消防仕様になれるカスタマイズが発表されました。1mの幅跳びも高さ40cmの段差昇降もできる運動能力に、各種センサーで起伏の激しい場所でも自在に動ける性能です。放水ホースを合体すると、消火と救助に特化した実用性になります。
ロボットなら煙を吸って意識不明になることも、衣服が燃えて火傷を負うこともありません。背中から自らに水を掛ける装置もあるので、高温の場所でも作業ができます。操縦者はモニターで現場の様子や、一酸化炭素濃度などのデータを確認でき、人間が入れる場所かどうかの判断ができます。
Image: Unitreeセンサー類で逃げ遅れた人をいち早く発見でき、ホースが届けば燃え盛る炎の近くで放水することも可能です。放水の角度は5〜85度まで自由に動かせ、毎秒40Lの水が60m先まで届きます。広範囲に散水も泡状にすることもでき、モジュラーを変えれば強風で火を消すことも可能です。
青島市の消防署では2台の消火ロボが導入されたとのこと。良き相棒として活躍するでしょうね。
映画やアニメなどで見たことがあるかもしれませんが、昔はイギリスをはじめ各国では消防署にダルメシアンがいるのが当たり前でした。理由は賢いので訓練が簡単で、消防車を引く馬(自動車以前の話)ともウマが合い、長距離走が得意で隊を現場まで先導するのに長けていたのだそうです。
ついでに隊員たちからはマスコットのようにかわいがられ、馬や荷物の盗難から守る番犬としての役目も担ったのだそうな。その名残りで、今でも多くの消防署で飼われ消防隊=ダルメシアンのイメージがありますし、アニメ『パウ・パトロール』にも同様のキャラがいるワケです。
現代ではワンコが現場に駆けつけないでしょうけども、代わりに犬型ロボが消火活動を行う相棒になるんですね。
Source: YouTube (1, 2), Unitree (1, 2) via NEW ATLAS
Reference: Merrimack Fire and Rescue