自然界の生き物の遊び心に癒されます。
イルカは、フグで遊びながらフグの毒でハイになっているかもしれません。
この動画は、2019年に英BBCのドキュメンタリー番組『Spy In The Wild』で放映されたもの。カメラを仕込んだウミガメ型ロボットが海洋生物の生態を記録するというシリーズです。
動画の冒頭には、群れで泳ぐイルカたちが映っています。イルカたちが戯れ合っていると、目の前に現れた1匹のフグ。イルカはフグをぷくぷくと突きます。さらに調子が上がってきたイルカたちは、膨らんだフグを口にくわえて泳ぎはじめます。そして水面にジャンプしながら華麗にスロー。完全に遊んでいるようにしか見えません。
一方、イルカに遊ばれたフグは心なしか放心状態のようにも見えますが、無事生きています。イルカはフグを飲み込んだりしないように、そっとくわえているようです。
動画中には「イルカはフグの毒を少量摂取することで、トランス状態になっている」というナレーションがあります。
フグの毒はテトロドトキシンと呼ばれ、標準的なトラフグ一匹分の毒は約10人分の致死量になるとのこと。厚生労働省のまとめによると人間が摂取した場合、食後20〜3時間ほどの短時間でしびれや麻痺症状が現れます。麻痺症状は口唇から四肢、全身に広がり、ひどいときには呼吸困難で死亡する可能性もある猛毒です。
事実、イルカがハイになっているかどうかは専門家の中でも意見が分かれるようですが、イルカがフグを投げたりくわえながら泳いだりする様子はこれまでにも何度か確認されています。
フグ側もそれなりに楽しめているといいな。
Source: YouTube(BBC Earth)、References: 北海道, 厚生労働省,
書籍(Kindle版もあります)