走る芸術作品が置いて愛でるアートに。
真っ赤なイタリアのスポーツカーのイメージが強い、自動車メーカーのFerrari(フェラーリ)。1947年の設立以来、美しいデザインと速さ、レースでの実績、限定生産モデルが多く高い希少性など、クルマ好きには憧れの存在です。
走る芸術作品とも揶揄されるフェラーリですが、このたびホントに観賞用のアート作品になります。
フェラーリはアパレルや文房具やサングラスなどもデザイン性が高く、自動車デザインの遺伝子を感じるグッズを多数作っています。新たに加わる「Ferrari Collectibles」シリーズは、廃車になったフェラーリをバラしたパーツをアートとして発売します。
本シリーズは、毎年4月にミラノで開催される、世界最大級のデザインフェスティバル「ミラノ・デザインウィーク 2025」にて発表されました。デザインにまつわる最新トレンドがキャッチできるイベントなので、世界中からの参加と注目度です。
エンジンやピストンやカムシャフトなど、部品はアルミやアクリル板などを使って宙に浮いて見えるよう展示のための工夫が施されています。パーツのみをじっくり愛でることができますね。ムダを省くマイナスのデザインは、自動車の設計と同じ考え。また日本文化デザイン賞やフランス文化省芸術文化勲章を受章した、日本人デザイナー倉俣史朗さんによる“見えないものが機能するj”「非物質化」に影響を受けているんですって。
Ferrari's new Collectibles range takes the spotlight at Milan Design Week, highlighting the elegance of high-performance engineering.
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アート作品になったのは、たとえば1999年のF1世界選手権でタイトルを獲得した「F399」から下ろしたエンジン。2013年から499台が売られた「ラ フェラーリ」の試作品に使われた6.3L V12エンジン。90年代に大活躍し、最多優勝91回など輝かしい記録を持つドイツ人初のF1レーサーのミハエル・シューマッハがドライバーズタイトルを獲得した「F2003-GA」のカムシャフトなどがあります。歴史に名を刻んだ、実際に動いて走っていたレジェンド級のクルマのパーツなので付加価値はとてつもないでしょうね。
気になお値段はブレーキディスクが約73万円、ピストンとロッドが約36万円など小さい部品は手が届きそうな価格帯。シューマッハが乗ったクルマのカムシャフトは約172万円でした。エンジンや排気管は出ていませんが、いずれも1点物であるほど早めに抑えないとですね。
Image: Ferrariアートの世界はやったもん勝ちで、バンクシーが作品をシュレッダーで断裁したことで話題をさらったり、壁にダクトテープでバナナを貼り付けただけで約9億6000万円になったりします。
普通のネジ1本でも額装したらアートっぽくなっちゃいますが、フェラーリの歴史やブランド力だからこそ、車好きだけでなくアート収集家にも刺さるでしょう。有名レーサーが乗っていたり、優勝経験のある特別な車両の部品だったらなおさら、です。
まるごと1台を記念館に展示するのもいいですが、パーツに分けて人々が思い思いに大事にするアイデアもいいと思います。
Source: YouTube, X, Ferrari (1, 2) via MIKE SHOUTS, YANKO DESIGN
Reference: Wikipedia, NHK