ほんと、これ、誰が得してるの?
トランプ政権が発表した大規模関税政策。世界中の株価に大きな影響を与え、日本でも連日その影響がニュースになっています。アメリカの政策だからアメリカにメリットあると思いきや、普通の人達はさらなる物価上昇に戦々恐々。「Buy Now, Pay Later(今買っとけ、あとで払う!)」の精神で、関税発動&物価上昇前にいろんなものを駆け込み購入しているとか…。
それもそのはず。確実に値上げはやってくる。値上げの可能性も含め、すでに影響がでているメーカーや製品を一部まとめてみました。
編注:以下、2025年4月9日日中時点の情報を元に書かれております。
関税発表後、ロイターがiPhone 16の値上げリスクを報道。アメリカでの価格が30%から40%上昇する可能性あり。発表された関税率を加味すると、昨年発表されたiPhone 16は350ドルほど値上がりし1,142ドルに。最高位機種のiPhone 16 Pro Maxは700ドルほど上がって2,300ドルになると予想されています。
関税発表後の週末には、Appleストアに多くの人が訪れ「値上げのタイミング」についての質問が飛び交っていたようです。また、関税上乗せ前に買っておこうと、例年よりもこの時期の売り上げがUPしているようです。4割値上げかもって言われたら、そりゃ買っとこってなります。むしろ、今買わないと(トランプ政権の間は)永遠に買えなくなるという恐怖、あります。
関税は不可避ながらも、多少は抑えられるという見方もあります。Appleは生産拠点を中国の他、インドにももっています。中国関税54%に対し、インドは26%。ゼロではないけど中国よりは低いことで、拠点を少しずつ移行させる可能性もあります。
また、Appleは関税発動前に少しでも製品をアメリカ国内にいれておこうと、MacやiPad、iPhoneとあるとあらゆるプロダクトを飛行機パンッパンに詰め込み、3月末に駆け込み追加で5機ほど飛ばしたという報道もあります。これで今後数ヶ月分の在庫は抑えたとのこと。つまり、それが尽きたら関税価格になる、かも?
全世界待望のNintendo Switch 2の発表とトランプ関税発表のタイミングがかち合ってしまった任天堂。アメリカのゲーマーは泣いていると思います。
転売対策として購入条件が定められた上でなお予約が難しかった日本ですが、入手するしない以前に、予約がスタートしただけで御の字なのかも。
アメリカでは4月9日に予定されていた予約受付開始ですが、任天堂から正式延期が発表されました。また、それに準じてカナダでも延期が決定。現時点(4月9日14時時点)では、予約開始がいつになるのかはまだ明らかになっていません。ただし、6月5日の発売日には変更なしとのこと。
アメリカでのSwitch 2の価格は449.99ドル。アナリスト予想だと、関税によってモノの値段は平均的に2割増。任天堂がSwitch 2をすぐさま2割上げるとは思えないとアナリストは解説しているものの、関税政策が続けば、さてどうなるか。仮に2割上がれば600ドルで、日本円では9万円弱。Switch 2の日本モデルが4万9980円なことを思うと…高いよー。
今月末にアメリカで発売が予定されているRazerのゲーミングラップトップ Razer Blade 16(2025年モデル)。アメリカでは4月1日から予約受け付けが始まっていましたが、現在これを停止中。米Razerウェブサイトからは予約ボタンが消え、代わりに「Notify Me(通知を受け取る)」になっています。同じく新モデルのBlade 18もNotify Me表示。構成オプションのページなんて404エラーです。
現時点では、Razerから価格改定や発売時期変更についての発表はありません。
トランプ政権はセミコン業界にさらに厳しい関税の可能性をちらつかせており、高スペックゲーミング端末を主とするRazerにとって、値上げは避けて通れない道となりそう。
Appleや任天堂より一般的知名度は低いものの、モジュールガジェット業界をリードする存在のFramework。関税発表後に公式Xを更新。いわく、台湾からの輸入関税0%のときに価格を設定したとのことで、今の10%の関税でも最安値端末では赤字がでるとのこと。これが32%になると…キツイどころの騒ぎじゃないですね。
結果、現在、一時的にアメリカでのラップトップの販売を停止、ウェブサイトから削除されています。新モデルの予約受付も延期中。
モジュール端末メーカーとして、製品、そして企業自体が長く続くことが重要と考えるFramework。関税を見極めてから次のステップ(価格見直し)に進むとのこと。
アメリカに本社を置く多国籍半導体製造メーカーのMicronは、「サーチャージ」を導入すると報じられています。
ロイターによれば、トランプ関税発表を受け、Micronから米顧客先に、メモリー部品やSSDなど一部製品に割増し・追加料金となるサーチャージをつけるというお知らせをだしたといいます。Micronから公に正式発表・コメントは(今のことろ)なし。
3月の収支報告会の前に、Micron役員から関税影響地域では、顧客側に値上げ分を乗せる方針を語っており、社内吸収はしない・できないようです。