透明ボディに心酔。国産DJミキサーCDS「CI-SQUARE」は音までクリアだった

  • 2025年4月10日
  • Gizmodo Japan

透明ボディに心酔。国産DJミキサーCDS「CI-SQUARE」は音までクリアだった
Photo : Kazumi Oda

ロータリーミキサー=クラブDJの新作法。

DJミキサーにも色々ありますが、「ロータリーミキサー」と聞いてニヤっとできる人はなかなかのハウス〜クラブミュージック好きと言えるでしょう。

普通のDJミキサーがフェーダー(スライド式)のボリュームで音量を上げ下げするのに対し、ロータリーミキサーは大きなノブ(つまみ)で音量を調整します。見た目は昔のオーディオ機材のようですが、その独特の操作感と音質から密かなブームになっているジャンルです。最近はビンテージ機材を模した海外の高級機種が数十万円から100万を超える価格帯で取引され、「でも、お高いんでしょう?」の世界ですが、そこに忽然と現れたのがCompact Disco Soundsystem(以下CDS)の「SQUARE」シリーズなんです。

CDSはVan Burkleo氏が2013年から手掛けている日本製ハンドメイドDJミキサーのブランドで、国産ならではの細やかな作りとユニークな発想で注目を集めています。

C-SQUARE ver.2を即買いした理由:価格とルックスの魅力

そんなCDSの代表モデルが2チャンネルのロータリーミキサー「C-SQUARE」です。筆者も実はこのC-SQUARE ver.2を見つけた瞬間、「これは買いだ」と即決してしまいました。その理由は大きく二つ、価格とルックスです。

まず9万9900円(税込)と、ロータリーミキサーとしては破格の値段設定。おかげで筆者のような一般DJでも手が届く存在になりました。

通常、ロータリー型は趣味性が高く数十万円コースが当たり前なので、ハンドメイド生産でこの値段は衝撃です。実はCDSは筐体に透明アクリル板を採用することでコストダウンを図り、その分内部には上位モデルと同等のAlpsポット、WIMAコンデンサ、TAKMAN金属皮膜抵抗など贅沢な部品を使うことでハイファイな音質を実現しています。

そして何と言っても見た目のインパクト! C-SQUAREは透明なケースの中にぎっしりと基板や部品が詰まっており、“中身丸見え”のガジェット感がたまりません。サイズは約126×126×80mmと手のひらに乗るコンパクトさで、カラーバリエーションはクリア(透明)とイエロー(ネオンっぽい黄緑色)の2種類 。筆者は迷わずイエローを選びましたが、部屋に置くだけで映える存在感です。

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実際に触ってまず驚いたのは音質の良さでした。クラブの定番DJミキサー(例えばPioneerのDJMシリーズなど)は頑丈さや大音量での安定性重視ですが、C-SQUAREは音がクリアで繊細なんです。

ハイもローもフラットでクセがなく、レコードに刻まれた音をそのままクッキリ再現してくれる印象。これまでのロータリーミキサーの名機と呼ばれる機種と比較しても、よりオーディオ志向の設計だと言えます。

おかげでクラブでDJプレイするだけでなく、自宅用オーディオとしてレコード鑑賞に使っても最高でした。筆者も所有レコードを改めてC-SQUARE経由で聞き直し、その解像度の高さにニヤニヤが止まりませんでした。

CとIが合体!CI-SQUAREで広がるアナログDJの可能性

そんなC-SQUAREにも唯一「あったらいいな」という点がありました。それはアイソレーター(3バンドの周波数ごとの音量調整機能)を内蔵してほしい、ということ。実際、C-SQUAREはシンプルな操作性で使いやすいのですが、もっと大胆な音色変化を楽しみたいユーザーに向けて別売の3バンドアイソレーター「I-SQUARE」が用意されており、筆者も後から買い足してセットで使っていました。

しかしミキサーとアイソレーターが別筐体だと持ち運びやセッティングが少し不便です。ユーザーからも「最初から一緒の筐体に入っていてほしい」という要望が多かったそう。

そして2025年、ついに出ました新モデル「CI-SQUARE」。名前の通りC-SQUAREとI-SQUAREが合体した待望のロータリーミキサーです。12万5000円(税抜)と、C-SQUAREとI-SQUAREをあわせた価格よりもお手頃、かつ音質もさらにブラッシュアップされています。

新モデル「CI-SQUARE」(左)、ミキサーの「C-SQUARE」(右下)とアイソレーターの「I-SQUARE」(右上)となります。

photo : Kazumi Oda

幅と高さは従来のC-SQUAREと全く同じコンパクト設計(W126 x H173 x T80mm)で、内部にアイソレーター回路をビルトイン。それだけでなく、新たにAUX OUT(ポストフェーダーレベル)とAUX IN(レベル固定)を搭載。要するに、外部エフェクターをセンド&リターンで繋いで自在にかけられるようになったわけです。

筐体にはCUEボタン横にSENDつまみが増設され、エフェクトに送る音量も手元でコントロール可能。音質はもちろんあの「C-SQUARE」譲りのクリアさで、アイソレーターを内蔵してもピュアなサウンドは健在です。二つのユニットを無理やり一つにしたのではなく、しっかりチューニングされている感じが伝わってきます。

エフェクト用端子が付いたことで、アナログDJプレイの幅は一気に拡大しました。筆者もさっそく手持ちの定番エコーマシン、BOSSの「RE-20」スペースエコー(テープエコー名機Roland RE-201のデジタル復刻ペダル)をCI-SQUAREのセンド&リターンに接続。

結果は…最高にドリーミー! ディレイが生み出す宇宙的な残響音がレコードの音に溶け込み、まるで自宅がダブの音響空間になったかのようでした。アナログ機材でここまで手軽にエフェクト遊びができるのは感動ものです。正直、楽しすぎて近所迷惑にならない程度に抑えるのが大変なくらい(笑)。

カセットテープでDJ。新時代のコンビネーションにも

さらにこのCI-SQUARE、カセットテープDJにも相性抜群でした。

筆者はクラファンで入手した大江戸テクニカ(@ooedotechnica)製のカセットテープDJプレイヤーとも組み合わせてみました。文字通りカセットテープでDJプレイができるという尖ったガジェットですが、そのアナログな温かみのある音色とCI-SQUAREのクリアな出音が見事にマッチします。

ロータリーミキサーらしい滑らかな音量コントロールでテープの音をミックスすると、デジタル音源では味わえない不思議なグルーヴ感が生まれました。レコードでもテープでも、フィジカルな音源を最大限に楽しませてくれる懐の深さこそCI-SQUAREの真骨頂でしょう。

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最後に、個人的な野望を少し語らせてください。今回はレビュー用にお借りした「CI-SQUARE」が発売されたらすぐに手に入れて、今後あらゆる場所で使い倒したい! と思っています。クラブのDJブースに持ち込んでフロアを沸かせるのはもちろん、バーの片隅でカセットテープDJイベントを開いたり、自宅で友人とアナログレコード鑑賞会をしたり…。透明な筐体が光るこの小さな相棒は、どこへ持って行っても注目の的になること間違いなしです。

しかも見た目だけでなく鳴らす音もクリアで最高なのだから、もう手放せません。国産ハンドメイドならではの愛情が詰まった「CI-SQUARE」と共に、アナログ音楽の沼をこれからも深く潜っていこうと思います。

Source: CDS, Photo: Kazumi Oda

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