ウチのRTX 30のノートPCにも買い替えシーズンが…!
ゲームにAIにクリエイティブに。八面六臂(はちめんろっぴ)の活躍をさせたいならば「ディスクリートGPU」を積んだPCを選ぶべき。“画像や映像の処理を専用とするチップ”が搭載されていると、やっぱちがうのよ、パワーが。
それも今年から発売になる最新型GPU「RTX 50」シリーズを積んだノートPCともなれば、それはもうヌルサクでハイレスポンスで快適。
…と、言葉で言われてもなかなかピンとこないもの。だから2025年4月5日に、東京・秋葉原で開催されたイベント「NVIDIA Gamer Day」でRTX 5090 Laptop/RTX 5080 Laptopが搭載された“最新超速のノートPC”を体験レポートするよ!
まずRTX 50シリーズで採用された、NVIDIAの最新アーキテクチャ「Blackwell」(ブラックウェル)からチェックしていきましょう。
名前の由来はアメリカの統計学者のデビッド・ハロルド・ブラックウェル (David Harold Blackwell)から。ゲーム理論や確率理論、AI理論において多大な貢献をした人物で、RTX 50シリーズはその名にふさわしい優れたプロセッサとして仕上がっているんですね。
アーキテクチャは「GPUというチップの構造や仕組み」のこと。RTX 30シリーズのAmpere(アンペア)、RTX 40シリーズのAda Lovelace(エイダ・ラブレス)と比較して、Blackwellアーキテクチャには大きな変化が2つ。
ひとつ目はAI演算コアである、第5世代Tensorコアの存在です。またAI絡み…? なんでゲーミング系PCの話でAIが出てくるの?ってなるかもしれませんが、あとでつながるので少々お待ちくださいね。
BlackwellのTensorコアは、少ないメモリでも高速かつ大規模なLLMや、 MoE(混合専門家モデル)を走らせることができるFP4(4bit浮動小数点)演算をサポート。結果、最大1,800 AI TOPSという圧倒的な高速推論を実現しています。
...って、4ケタ?
現在、主流となっているモバイルPCのAI処理能力は2〜3ケタ(数十〜数百AI TOPS)。高性能を追求したディスクリートGPUの性能を、CPUといっしょになったGPU/NPUと比較するのはライト級とヘビー級を比べるようなものですが、相当な性能差があるのもまた事実でもあります。
現実を超える光の美しさを生み出し、超美麗なゲーム映像をつくりあげているのがRTコア。こちらも世代が替わり、コア数も同クラス前モデルより増えました。レイトレーシング処理能力は一気に向上して、RTX 40シリーズ比で2倍に。
さらにMega Geometryという新技術にも対応しています。Mega Geometryは、レイトレーシングのパフォーマンスを向上させる技術です。数億ポリゴン規模のオープンワールドゲームでさえも、レイトレーシングのための計算を効率的に行なえるのです。
ほかにも多くのアップデートポイントがありますが、大事なのはそれでゲーム体験のコアな部分がどう変わるか。以下、肝心なところがどう進化したかを見ていきましょう。
RTX 50シリーズはフレーム生成がスゴいことになっています。これは、AIなどの技術を用いてフレームを補い、より滑らかなゲーム映像をもたらすという技術です。
RTX 50シリーズが全力を出すと、CG映像の15/16、すなわち約94パーセントのピクセルをAIが作り出せるんですって。具体的にはピクセル数が少ない低解像状態のデータを4倍のサイズに超解像化、さらに最大3フレームを生成。そうすることで、美しさと映像の滑らかさを両立している、と。
こういった超解像&マルチフレーム生成技術の最新版が、RTX 50シリーズで使える「DLSS 4」です。この技術をフル活用すると、DLSS未使用の状態と比較してフレームレートが最大8倍になるというのも、圧倒されるお話じゃないですか。
AI性能のアップが重要だった最大の理由がコレ。
でも、これだけAIに働かせるとなると、消費電力も大変なことになっているのかな…と思ったら、1世代前のDLSS 3.5(RTX 40シリーズ)と比較すると、同じ消費電力でフレームレートは約1.7倍にアップするとのこと。電力効率が上がってる…!
バッテリーやACアダプタに負荷をかけずに大幅な性能アップをしているあたり、NVIDIAの最新プロセッサのAI計算力ってすさまじいんだな...と思えてきますね。
新しい技術が広まるまでには時間がかかります。でも、さすがNVIDIA。世界各国のゲームメーカーやアプリメーカーと密な情報交換をしてきたのでしょう。DLSS 4対応ゲームやアプリは、2025年4月の時点で100本を超えており、これからもどんどん増えていくとのこと。
実際にDLSS 4対応ゲームのフレームレートをチェックしてみましょう。RTX 4090 Laptop搭載ゲーミングノートと比べて、RTX 5090 Laptop搭載機は『サイバーパンク2077』や『Alan Wake 2』などで1.5〜2倍のパフォーマンスを叩き出しているそう。
2世代前のノートPC向けハイエンドGPU「RTX 3080 Ti」と比較しても、DLSS不使用で2倍、DLSS 4使用時で6倍のパフォーマンス。
よりハイレベルなグラフィックモードを選んでも、高いフレームレートで遊べちゃうわけだよね。一度クリアしたゲームも、より美麗なゲームワールドを見て楽しむために、また遊んでみたくなりますね。
NVIDIAのモバイル向けGPUは、Max-Qという技術で制御されています。パワーを出すときは一気にアクセル全開、控えめでも大丈夫なシーンは電力を調整...といったように、GPUの動作状況を緻密にコントロール。パフォーマンスと消費電力や発熱のバランスを取ってくれます。
スリープ中のGPU管理も高性能化して、最大で40パーセント長くバッテリー駆動できちゃうって。
ゲーミングノートは高消費電力なのは当たり前ではあるけれども、ゲーム以外の用途で使うときのトータルパフォーマンスも高めてきたあたりも、RTX 50シリーズ搭載機の価値といえます。
実際に、RTX 50シリーズを積んだノートのすばらしいところを体験してみましょう。
ジョイパッドを握って動かしてみたら、RTX 5090 Laptopのパワーが伝わってきました。とりあえず、滑らかすぎぃ...。
急に視点を動かしても、フレームレートは100〜110Hzをキープしていますね。ドアを開けたときや、振り向いたとき、飛び降りて視野が変わったときなど、新たに描写するキャラクターやオブジェクトが増えるシーンであっても、ブレなくビシっとした映像になっているのがわかるのではないでしょうか。
『Half-Life 2 RTX』は必要最低スペックがRTX 3080 Ti、推奨がRTX 4070(ともにDLSS on)以上という超重量級ゲームですが、快適に遊べる水準のFPSを安定して出していますそういう描画的に厳しいシーンであってもフレームレートを維持してくれるから、急に現れた敵の存在も見逃しにくい。的確にショットできなくなる、ということはなさそう。
持ち運びが簡単なのに、本気で戦えるゲーミングノートになっています。
RTX 50シリーズの性能を、ゲームだけに使うのはもったいない。だから、クリエイター向けとなるスタジオデザインなRTX 50シリーズ搭載ノートも登場します。実際、クリエイティブ・ビジネスに使いたいという方も多いのではないでしょうか。
デモ機の中には3Dモデリングソフト「Blender」が走っているものもありましたが、生成AIを用いたフロー構築ツール「ComfyUI」も入っていて、最新の作業環境にしてありました。ディスプレイが18インチと大きいモデルもありますよ。
また、ローカルLLM「Phi-4」も動作していました。Phi-4は生成AIとしてはコンパクトな部類ですが、「ゲームをしていないときに、AIを活用した作業をバリバリこなせる水準」で動いているのはさすが。
新年度を迎えて本気の動画編集をしたい方も、RTX 50シリーズ搭載ノートに注目するべき。4:2:2フォーマットのH.264/H.265コーデックにネイティブ対応、広ダイナミックレンジな映像を扱うときでも生産性、高まりまくりです。
なおRTX 5090 Laptopは24GB、RTX 5080 Laptopは16GBのビデオメモリを積んでいます。クリエイティブ・AI系のワークロードもきっちり読み込み、扱えます。
買い替えサイクルが長くなりがちなPC。だからこそ、買い替えのチャンスを逃してはいけません。GPUが刷新された今は、まさにそのとき。
もちろんCPUの世代交代もいいタイミングなんだけど、ゲームで、クリエイティブで、AIで活用したいのであれば、GPUを重視すべきです。GPU部を交換できないノートPCでは特に。
最新のGPU搭載機をいち早く使うことでハイスコアもビジネス・チャンスもつかみにいく。今“攻めの選択”をするなら、「RTX 50」シリーズ搭載ノートPCはよく噛み合うのではないでしょうか。
Source: NVIDIA