宇宙望遠鏡「ユークリッド」が、美しい銀河の姿を捉えました。
3月19日、ESA(欧州宇宙機関)はユークリッドが撮影した観測データを公開しました。わずか3回の観測で検出された銀河の数は2600万個。最も遠い銀河は105億光年の距離にあり、そのうち38万個以上の銀河については、形状や地球からの距離に基づいて特徴付けました。
ユークリッドの目的の1つは、ダークエネルギー(暗黒エネルギー)やダークマター(暗黒物質)の謎に迫るために、宇宙の正確な3Dマップを作成することです。可視光カメラ(VIS)や近赤外線カメラ、分光計(NISP)などを使用して観測しています。
14億ドル(約2100億円)の費用をかけて、2023年7月1日に打ち上げられたこの宇宙望遠鏡は、6年間にわたるミッションが予定されています。全天の3分の1を観測し、15億個以上の銀河が捉えられる予定です。
ユークリッドの初期データと共に公開されたのが、500個の強い重力レンズ天体のカタログです。重力レンズとは、銀河のような巨大な物体がその周りの時空を歪め、後ろにある遠くの物体の光を曲げることで、まるで拡大鏡のように働く現象のこと。
オックスフォード大学、ポーツマス大学、ニューカッスル大学の研究者チームは、一般市民の科学者たちと協力して、強い重力レンズを特定するためにデータを精査しました。
重力レンズは見つけるのが難しいのですが、チームは現在までに500個の強いレンズ候補を特定しました。現在、強いレンズとして知られているのは1,000個未満です。
ユークリッドのミッションはまだ始まったばかりですが、すでに暗黒宇宙の印象的なスナップショットを収めています。今年2月には、地球から約5億9000万光年離れた銀河「NGC 6505」で、遠方の銀河の光が重力レンズによって歪むことで輪に見える「アインシュタイン・リング」と呼ばれる現象を捉えました。
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