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パッチで1分毎にデータ取得、異常値はアラームで。糖尿病医療の最先端とは

  • 2024年4月17日
  • Gizmodo Japan

パッチで1分毎にデータ取得、異常値はアラームで。糖尿病医療の最先端とは
Image: Midjourney

五大成人病のひとつである糖尿病。日本での糖尿病患者は2000万人。予備軍も含めると、6人に1人が糖尿病と言われています。

糖尿病は世界的な問題で、現在5億3700万人の成人が患っており、2045年までに7億8300万人に増加すると予測されています。日本でも2017年以降、患者数が約2000万人に増え、その数はランニング人口とほぼ同じだそう。40代までは身近とは言えない話題かもしれませんが、実は誰もが他人事ではない病気なんです。

2024年3月28日、アボットジャパン合同会社が持続グルコース測定器「FreeStyleリブレ 2」の新製品発表会を開催しました。この最新テクノロジーが、糖尿病患者の "血糖コントロール事情" に革命を起こしてくれそうです。

血糖コントロールの重要性と課題

糖尿病の治療は、日々の血糖コントロールが基本です。高血糖の状態が慢性化すれば、網膜症、腎症、神経障害などの合併症を引き起こします。かといって血糖値を下げる薬が効き過ぎると低血糖になり、急に意識を失ってケガをすることもあるし、認知症や脳梗塞・心筋梗塞などのリスクも高まります。

だからこそ、日々の血糖値の変動──「血糖トレンド」を把握することが超重要。これまで日本では、指先を針で刺して行なう自己血糖測定(SMBG)が一般的でした。しかしSMBGは、採血に適した場所や時間が必要だったり、食事や運動、ストレスなどで大きく変動する血糖値をきめ細かく追うことも困難でした。

「FreeStyleリブレ 2」の2つの新機能

そこで開発されたのが、持続グルコースモニタリング(CGM)という方法です。皮下に装着するセンサーでグルコース値を持続的に測定するもので、「FreeStyleリブレ 2」もこの方法を採用しています。

アボットジャパン合同会社 ダイアベティスケア事業部 ジェネラルマネージャー 松香寿郎氏

発表会に登壇したアボットジャパンの松香寿郎氏によると、「FreeStyleリブレ 2」は従来製品に加えて2つの新機能を備えています。1つ目は、スキャン不要でリアルタイムにグルコース値をスマートフォンに表示する機能。これにより、ユーザーは24時間365日、自分の「血糖トレンド」をグラフとして確認できます。

2つ目は、ライフスタイルに合わせて低血糖・高血糖のアラート機能を選択できること。これらの新機能により、ユーザーはグルコース値の変動をリアルタイムで把握でき、適切な対応が可能になります。また、データがクラウド上に保存されるため、医療従事者や家族が患者のデータを遠隔で確認することもできるのです。

血糖トレンドの“見える化”が糖尿病医療を変える

東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科 主任教授 西村理明先生

イベントに登壇した糖尿病治療の第一人者・西村理明先生(東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科 主任教授)は、「血糖トレンド」の“見える化”のポテンシャルをこう語ります。

過去の研究では、HbA1c(糖尿病リスクの数値)を下げすぎると低血糖のリスクが高まり、かえって死亡率が上がる可能性があることが示されました。血糖値の変動は人によってタイプが違い、寝ている間に急激に血糖が低下する『夜間低血糖』タイプなのに、本人が気づいていないケースもあります。

血糖トレンドを“見える化”すれば、このようなリスクを回避できる。FreeStyleリブレ 2はスキャン不要でリアルタイムのデータを提供してくれるので、血糖変動を容易に把握し、適切な治療につなげることができます。(西村先生)

「FreeStyleリブレ 2」と共にフルマラソンを完走

会場では、50代で糖尿病を発症したという「FreeStyleリブレ 2」ユーザーの声も映像で紹介されました。運動時の低血糖リスクを認識し、グラフを見ながら適切に糖分摂取を行うことで、フルマラソンを何度も完走しているそうです。

「糖尿病と上手に付き合いながら、趣味のランニングも楽しんでいきたい」というユーザーのコメントを聞いて「びっくりした」と話すのは、発表会に登壇した青山学院大学陸上競技部の原 晋監督。

青山学院大学 駅伝部 監督 原 晋氏

フルマラソンを走ると現役ランナーでも後半は低血糖状態になる。糖尿病のある方がフルマラソンを走れるというのは相当の自己管理をされている方だと思いますし、医療の発展も感じます。(原監督)

健康でアクティブな生活を続けるために、血糖値コントロールは重要な課題。血糖値の変動を「点」ではなく「線」で捉えることが重要だとして、その普及を参加者に呼びかけました。

あなたの「血糖トレンド」タイプは? キャラクターと楽しく自己管理

アボットジャパンは糖尿病患者の血糖値変動パターンを3つのキャラクターに分類し、自分のタイプを診断できる啓発サイト「わかれば変わる、血糖管理。」も運営しています。

自分の血糖値変動がどのタイプに近いのか。それを意識するだけでも、血糖管理への意欲は高まるはず。大切なのは自分の「血糖トレンド」を知り、血糖コントロールのために行動を変えること。「FreeStyleリブレ 2」が、その頼もしい相棒になってくれそうです。

Source: FreeStyleリブレ 2

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