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息を呑む美しさ。ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた渦巻銀河の神秘

  • 2024年2月6日
  • Gizmodo Japan

息を呑む美しさ。ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた渦巻銀河の神秘
Image: NASA, ESA, CSA, STScI, J. Lee (STScI), T. Williams (Oxford), PHANGS Team

迫力ある“宇宙の目”たち。

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)から、銀河円盤がJWSTに対してほぼ正面を向いた「フェイスオン渦巻銀河」のコレクションが届きました。

これら19の渦巻銀河の最新画像は、74の渦巻銀河に関するデータを収集している近傍銀河の高解像度観測による物理学研究(PHANGS)プロジェクトの一環として撮影されました。

JWSTの近赤外線カメラ(NIRCam)と中赤外線測装置(MIRI)が捉えた画像は、一般の人々には驚くような自然の偉業に見えるだけですが、天文学者らにとっては、銀河がどのようにして形作られていったかを解明するうえで役立つものです。

今回のコレクションについて、宇宙望遠鏡科学研究所で戦略的イニシアティブのプロジェクト科学者を務めるJanice Lee氏は、リリースにてこう述べていました。

「同じ銀河を何十年も調べてきた研究者たちでさえも、(JWSTの最新画像には)圧倒されるものです。バブルとフィラメントはこれまで観測されたなかでも最も小さいスケールで写し出され、星形成のサイクルについて物語ります」

それぞれに個性的な19の渦巻銀河をご覧あれ。

渦巻銀河「IC 5332」

Image: NASA, ESA, CSA, STScI, J. Lee (STScI), T. Williams (Oxford), PHANGS Team

「IC 5332」は地球から3000万光年離れている渦巻銀河で、星が非常に密集しています。

NGC 628

Image: NASA, ESA, CSA, STScI, J. Lee (STScI), T. Williams (Oxford), PHANGS Team

「NGC 628」はIC 5332よりも形のくっきりしている渦巻銀河。うお座の方向3200万光年先にあります。

NGC 1087

Image: NASA, ESA, CSA, STScI, J. Lee (STScI), T. Williams (Oxford), PHANGS Team

こちらは米GizmodoのSchultz記者イチオシの渦巻銀河「NGC 1087」。このオレンジ色に輝く構造物は、8000万光年ほど離れています。そのコアは明るいものの、それぞれの渦状腕ははっきりしません。

NGC 1300

Image: NASA, ESA, CSA, STScI, J. Lee (STScI), T. Williams (Oxford), PHANGS Team

特にかっこいいこの銀河、どこから見ても巨大な“宇宙の目”のように見えます。エリダヌス座の方向6900万光年先にある棒渦巻銀河で、中心は明るく、S字型の渦状腕に囲まれています。

NGC 1365

Image: NASA, ESA, CSA, STScI, J. Lee (STScI), T. Williams (Oxford), PHANGS Team

ろ(炉)座の方向5600万光年先に位置する渦巻銀河「NGC 1365」は、オレンジ色のわずかなフィラメント状の構造を持ち、青みがかった光を放出しています。

NGC 1385

Image: NASA, ESA, CSA, STScI, J. Lee (STScI), T. Williams (Oxford), PHANGS Team

ESAいわく“ごちゃっとした”渦巻銀河「NGC 1385」は、PHANGSプロジェクトで近頃撮影された銀河の多くよりも距離が近く、地球からはたった3000万光年ほど。

確かにこの銀河の渦状腕を見分けるのは不可能で、どちらかというとガスときらめく星々との巨大な塊のように見えます。

NGC 1433

Image: NASA, ESA, CSA, STScI, J. Lee (STScI), T. Williams (Oxford), PHANGS Team

レーザーサバゲー用フィールドのために作った壁画と思われるかもしれません。でも、これは地球から4600万光年離れたとけい座の方角にある渦巻銀河「NGC 1433」のJWST画像。明るい白色の中心部は、黄色がかった楕円形に囲まれています。

NGC 1512

Image: NASA, ESA, CSA, STScI, J. Lee (STScI), T. Williams (Oxford), PHANGS Team

次から次へとさらに壮観な画像が出てきます。「NGC 1512」は今回のコレクションに幾つかあるごちゃっとした渦巻銀河と比べると、秩序があります。

こちらもとけい座に位置しており、この銀河の正面を向いた中心部はほぼ円形で、渦状腕は密度が高く楕円形をした物質の環に向かって伸びています。

NGC 1566

Image: NASA, ESA, CSA, STScI, J. Lee (STScI), T. Williams (Oxford), PHANGS Team

6000万光年離れた渦巻銀河「NGC 1566」は、澄んだ青白色の中心と時計回りの燃えるように赤い弧、つまり銀河中心から伸びる渦状腕で構成されています。

NGC 1672

Image: NASA, ESA, CSA, STScI, J. Lee (STScI), T. Williams (Oxford), PHANGS Team

キラキラと輝く宇宙の宝石に見えるのは、6000万光年離れた渦巻銀河「NGC 1672」の心臓部。デスクトップの壁紙を新しくしたい人におすすめの1枚。

NGC 2835

Image: NASA, ESA, CSA, STScI, J. Lee (STScI), T. Williams (Oxford), PHANGS Team

この銀河は今回のコレクションにある他の銀河よりも少し乱れているものの、目を凝らせば渦状腕が見て取れます。

NGC 3351

Image: NASA, ESA, CSA, STScI, J. Lee (STScI), T. Williams (Oxford), PHANGS Team

このコレクションの中でも一二を争う銀河でないでしょうか。しし座の方向3300万光年先にある「NGC 3351」は、オレンジ色をした繊維状の渦状腕に囲まれた、目立つような黄色の楕円形。

NGC 3627

Image: NASA, ESA, CSA, STScI, J. Lee (STScI), T. Williams (Oxford), PHANGS Team

この画像は回転させたものですが(オリジナルはこちら)、棒渦巻銀河「NGC 3627」はどの向きでも圧巻。青色の銀河の中心部は星と塵の渦に取り囲まれています。

NGC 4254

Image: NASA, ESA, CSA, STScI, J. Lee (STScI), T. Williams (Oxford), PHANGS Team

地球から5000万光年離れた、非常に密集している渦巻銀河。

NGC 4303

Image: NASA, ESA, CSA, STScI, J. Lee (STScI), T. Williams (Oxford), PHANGS Team

「NGC 4303」の一角に寄った画像。銀河中心(右)と、左側には黄みがかったオレンジ色の巻きひげ状の物質が写っています。

NGC 4321

Image: NASA, ESA, CSA, STScI, J. Lee (STScI), T. Williams (Oxford), PHANGS Team

1つ前と似たような光景ですが、この画像の右側にあるのは「NGC 4321」の銀河中心で、左側のガスと塵の渦の中には眩い星々が見えます。

NGC 4535

Image: NASA, ESA, CSA, STScI, J. Lee (STScI), T. Williams (Oxford), PHANGS Team

「NGC 4535」の中心は鮮やかな黄色。この画像では棒状構造がほぼ垂直で、S字型の渦状腕は銀河中心から外に向かって伸びています。

NGC 5068

Image: NASA, ESA, CSA, STScI, J. Lee (STScI), T. Williams (Oxford), PHANGS Team

この銀河の距離は地球からたった2000万光年。オレンジ色の物質は流れ糸のように広がっていて、渦巻銀河というより、宇宙空間に漂うものを寄せ集めたように見えます。

NGC 7496

Image: NASA, ESA, CSA, STScI, J. Lee (STScI), T. Williams (Oxford), PHANGS Team

またもや“目”を彷彿とさせる構造物で、つる座の方向2400万光年先に存在する銀河。

宇宙には美しい渦巻銀河がたくさん散らばっていますが、お気に入りはありましたか?

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Source: PHANGS, Webb Telescope, ESA Webb(1, 2)

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