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ライブツアー『LAWSON presents 夏川椎菜 3rd Live tour 2023-2024 ケーブルモンスター』レポート

  • 2024年2月3日
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昨年12月東京・立川ステージガーデンから始まった夏川椎菜のライブツアー『LAWSON presents 夏川椎菜 3rd Live Tour 2023-2024 ケーブルモンスター』。1月21日(日)には神奈川県民ホール大ホールにて最終公演が行われ、夏川椎菜と“ヒヨコ群”(ファンの総称)の交流が織りなす最高に熱いライブ空間を展開した。

『夏川椎菜 3rd Live Tour 2023-2024 ケーブルモンスター』

 

まず、助走という言葉がこの世には存在しないのか!? と疑ったほど、1曲目の「メイクストロボノイズ!!!」から、夏川&ヒヨコ群の熱量と声量は最高潮に極まっていた。ツアーのオーラスというのもあるが、仕上がり感が半端ない。サビ前の一呼吸からのシャウト、サビ後のコールとパーフェクトな立ち上がりは、続く「エイリアンサークル」も同様だ。

 

下手、上手側に設置された一段高いステージに上がり、場内を見渡しながら手をあげて煽る夏川の姿からも、ヒヨコ群への信頼度が感じられる。

 

「私たちはこれまで、日本全国でいろんなモンスターたちを暴れさせてきた! 今日はその、全国の、全ツアーに参加してくれた全ヒヨコ群の力を借りて、最高のファイナルを迎える日である!」「我々は! スーパー・ウルトラ・グレート・デリシャス・ファイナルケーブルモンスター!!」と、高らかに宣言し、早くもハイカロリーな最速ソング「クラクトリトルプライド」でぶち上げた。

 

類まれなるトークセンスを持つ夏川の本日のMCネタは、横浜といえばの崎陽軒弁当が3種類用意されていたということで、“崎陽軒弁当バイキング”を堪能したというエピソード。「(弁当を食べ過ぎて)夏川さんが1グラム増えるってことは、みんなが推してる夏川さんが、地球上で1グラム増えるってことだもんね?」という独自の理論に盛り上がるヒヨコ群。「いや〜、今日もヒヨコ群は仕上がってますね〜。ありがとうございます」と夏川も満足そうに返す。

 

素晴らしく統制のとれたヒヨコ群の大合唱から入る「イエローフラッグ」から、「Bluff 2」「ワルモノウィル」「羊たちが沈黙」と新旧ソングを合わせた構成に場内はずっとハイテンションのまま、MCへ。

 

モンスターをテーマにした髪形ルーレット企画をこのツアー中実施していた夏川の、最終日のヘアアレンジイメージは“メデューサ”。担当ヘアメークがどのように作り上げているのかといった裏話を明かしつつ、凝った編み込みのヘアアレンジをお披露目してくれた。

 

ここからは、「石化しないようにファンサービスをお届けしようと思います」と、比較的キャッチー&メロウな楽曲を集めたブロックへ。美メロポップス「キミトグライド」に、慈しむような歌唱の「だりむくり」、情感たっぷりに歌い上げた「ササクレ」と、キュートなお手振りを入れながら、夏川椎菜が積み上げ、磨き上げてきた表現力を余すところなく届けてくれた。

 

後半戦に入る前のMCでは、アルバムやライブに込めた気持ちを、しっかり言葉にして伝える。「コロナ禍のときの、くやしいなって気持ちがなかったら、(3rdアルバムのテーマである)“前向きなあきらめ”というところに行き着いていなかったと思うので、大切な人生経験になったなと、あらためて思いました。本当に皆さん、ここまでついてきてくれてありがとうございました」「でも、あのときの、くやしい気持ちは忘れていないからな! っていうのは、『メイクストロボノイズ!!!』の歌詞にも表れていて。負けたわけじゃない、けど負けそうになっていた自分がいたからこそ、勝ちって言っておきたかった。我らの勝ち! っていうのを、ライブ会場でみんなで一斉にピースすることで、そういうのが表現できたらいいなと思って書いた歌詞です」「またひとつ、ステキなけじめがついたなと思いました」「でも、まだ終わりじゃないですよ!? まだライブ、足りてないよね!? 足りないよね? 夏川さんも、まだまだ足りなーい!」といったあおり前フリからの、「I Can Bleah」へ。大きくうねるサウンド、ワイルドに変貌した夏川ボイスに、ヒヨコ群のシャウトにクラップ、コール&レスポンス、スピードアップしながらの繰り返しといった、ライブを盛り上げる要素盛り盛りな楽曲で、今までにないグルーブ感と一体感を生み出した。

 

日常でたまったモヤモヤとしたもの、心のモンスターをともに発散すべく集められた楽曲の数々。「問題はない」と繰り返す「passable:( 」を歌い終え、「もういっちょー!」と叫んでからの、本公演限定「ファーストプロット」を歌い出した途端、歓声がひときわ高く会場に響き渡った。

 

そして本編ラストは、やはりこの曲、「ラフセカンド」。アルバム同様、締め曲としての効果は絶大だ。クラップにコールとヒヨコ群が参加することで完成形をとなり、想像以上の多幸感を生み出してくれた。

 

「最高の景色をありがとうございます。夏川は、ヒヨコ群が大好きです。これからもいっぱい笑おうねー!」と笑顔でステージを去ったあとの、ヒヨコ群の再登場を願う熱量とポテンシャルの高さ=止まらぬアンコールへ。「ボクはゾンビ」でのリズムと連動したペンライト、ゾンビのような動きのキュートな夏川と、楽しい宴はすぐに着火し、まさに盛り上がりは天井知らずといった感じだ。

 

最後のMCでは、ちょうど7年前のこの日にソロデビューの発表があったことなどを振り返る。「夏川のソロ活動は、アイデンティティの確立との戦いだったんです。どうやったら自分らしさが出るのか。私にしかできないことを模索した7年間でした」「今日、この空間は、夏川とヒヨコ群と、ヒ労組(バンドの通称・ヒヨコ労働組合)とチーム夏川でしか作れない、唯一無二の空間だなと思いました! 誇らしいし、すごく幸せです」「これからも、まだまだ止まる気ありませんので、皆さまついてきていただければなと思います」。

 

モンスター級のアンコール「ハレノバテイクオーバー」「メイクストロボノイズ!!!」で叫び収めた。

 

終演したあとも興奮冷めやらぬヒヨコ群の声援に再び登場した夏川は「ケーブルモンスターに遊びに来てくれた、みんなの頭の中のモンスターも、うまく仲間にして生きていってもえたらいいなと思います!いろいろと難しい人生ですけども、せめて笑えるように、愉快に生きていけたら」というメッセージと共に、アカペラで「ラフセカンド」のサビを歌い始める。すぐにヒヨコ群がクラップでリズムを取り、共に歌うという感動的な流れに。最高の形で感動を分かち合う大団円な終演となった。

 

応援する側と、される側。最初から最後まで、お互いの気持ちが通じ合っていることが感じられた、熱くて温かいステキなライブ空間だったファイナル。8thシングル「シャドウボクサー」(4月17日発売)のリリースや「令和6年度 417(しいな)の日」(4月17日 千葉・森のホール21)の開催も発表され、2024年も充実の夏川の表現活動に期待したい。

 

「LAWSON presents 夏川椎菜 3rd Live tour 2023-2024 ケーブルモンスター」

神奈川・神奈川県民ホール 大ホール

2024年1月21日(日)

 

【Set List】

M01.メイクストロボノイズ!!!

M02.エイリアンサークル

-MC-

M03.クラクトリトルプライド

-MC-

M04.イエローフラッグ

M05.Bluff2

M06.ワルモノウィル

M07.羊たちが沈黙

-MC-

M08.消えないメランコリー

M09.コーリング・ロンリー

M10.キミトグライド

M11.だりむくり

M12.ササクレ

-MC-

M13.I Can Bleah

M14.奔放ストラテジー

M15.ユエニ

M16.ライダー

M17.passable:(

M18.ファーストプロット

M19.ラフセカンド

<ENCORE>

M20.ボクはゾンビ

-MC-

M21.ハレノバテイクオーバー

M22.メイクストロボノイズ!!!

 

●photo/hanna eto(SHERPA+) text/kiyoko negishi

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