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吉田由美曰く「ランボルギーニ史上、最も楽しいランボルギーニ」ウラカン ステラート試乗記

  • 2023年6月21日
  • GetNavi web

2022年12月にドーハで発表された 、全地形対応スーパースポーツカーを謳う「ランボルギーニ ウラカン ステラート」。その国際試乗会がカリフォルニアで行われました。オフロードを走れるランボルギーニってどんなもんじゃ〜い? 試乗会に参加した吉田由美さんの試乗記をお届けします。

↑カーライフエッセイスト 吉田由美さん

 

今回は、米国カリフォルニア州パームスプリングスまではるばる、ウラカン ステラートの試乗に行ってきました!

 

そもそもウラカンは、フラッグシップモデルのアヴェンタドールと比べるとやや小ぶりなサイズ。これまでEVO、STO、テクニカなど様々なモデルが登場してきましたが、V10エンジンの最終モデルとして世に送り出したのは、未舗装路も走れるスーパーカーです。

↑V10エンジンは排気量5204cc、最大出力610PS/8000 rpm、最大トルク560 Nm/6500 rpm

 

スーパーカーというと、車高が低く、オンロードをオラオラ走るイメージだから…なんとなくミスマッチ。だけどこれが、乗った人全員が笑顔になるという、楽しい仕上がり。そう、最初に結論から述べてしまうと、試乗の感想は「ズバリ!楽しい♪」。

 

ウラカンシリーズの集大成として「どこでも走れるスーパーカーを作りたかったんだな」と。何がどう楽しかったかはこのあとお伝えしていきましょう。

 

【記事では紹介しきれなかったディテール関連のギャラリー(本記事で使用した写真のギャラリーは記事下部にもあります)】

 

試乗の舞台は、パームスプリングスから100㎞以上離れた砂漠の真ん中にあるサーキット「チャックワラバレー・レースウェイ」。サーキット自体は1周3.75㎞ほどの舗装路のコースですが、ウラカン ステラートの試乗のために半分を通常の舗装路、あとの半分は土の上を走る特別なコースを設定。なんと!同じサーキットのコース内で両方楽しめるという贅沢!

 

ウラカンの名はほかのランボルギーニのモデル同様に闘牛の名前を、ステラートはイタリア語でダートやオフロードという意味だそう。つまり、ダートを走るために生まれたクルマなのです。

 

ウラカン ステラ―トはベースのウラカンEVOと比べて最高地上高が44mm高くなり、ボディサイズは全長5mm長く、全幅を23mm広く、全高は83mm高くなりました。同時に、フロントとリアのトレッドも広くなっています。全体的にひとまわり大きくなっている印象ですが、ほかのウラカンとプロポーション上の違いはあまり感じられません。

↑スタイリングはこんな感じ。確かにいつものウラカンなら地面ひたひたですが、右のリアタイヤも見えるぐらいに最低地上高があります

 

むしろ、ボンネット先端に装備された長方形のラリー用のライトや、前後のアンダープロテクション、黒のオーバーフェンダー、きれいな風をエンジンに取り込むためのにリアフードにつけられたエアインテーク。このあたりはウラカンとは違う、オフロードの雰囲気を漂わせています。

↑ラリーライトに寄ってみました。どことなく闘牛のツノを思わせるよう。存在感たっぷりに配置されています

 

↑オーバーフェンダーもかなり分厚め。ここだけ見るとSUVのように見えますが、これはスーパーカー

 

↑リアのエアインテークは巨大。ながら一体感あるデザインでまとまっています

 

今回パワーアップされたのは、キャリパーやブレーキ系統。カーボンセラミックの大型ディスクブレーキが控えています。そして足元を守るのはブリヂストンのランフラットタイヤ「Dueler AT002」(デュラー AT002)。

 

SUV専用のブランドですが、今回、ランボルギーニとのコラボで開発されたステラ―ト専用タイヤ。乾燥路面はもちろん、ダートも泥の路面でも、浅い雪の路面もどんとこい!ブロックが大きくかなりマッスル。ちなみにサイズはフロントが235/40 R19、リアが285/40 R19。

 

ほかにウラカン ステラートならではといえば、シート。Verde Sterratoと名付けられたアルカンターラ素材が特徴的です。シートやインテリアのレザーとアルカンターラは60色から、エクステリアは350色からカスタマイズも可能。

 

内外装の注目ポイントを説明してきましたが、何より今回の目玉はドライブモードの「ストラーダ」「スポーツ」のほかに「ラリー」モードが設定されたこと。ラリーと銘打つこのドライブモード、どんなものなのか気になります。

 

気分は完全にラリードライバー

さて、お待ちかねの試乗です。砂漠のサーキット試乗はヘルメット着用。ただでさえ暑いのに…。しかし車内はエアコン完備。でも暑くて熱い。そして助手席にチーフインストラクターを乗せて、いよいよコースイン。

 

まずは「スポーツ」モードでオンロードを疾走。思ったよりタイヤのゴツゴツ感は感じられません。そしてコース途中からオフロードコースへ。ここでインストラクターから「ラリー」モードにするよう指示が出されます。

 

ラリーモードに設定し、コーナー手前でブレーキをかけて曲がると自然にリアが流れてドリフト状態になります。これがまるでスローモーション(というのは大げさですが)のように感じられるほど。ただし、車両を安心してコントロールできるので、気分はすっかりラリードライバーかはたまたドリフトドライバー。ラリーモードにすると、グリップが弱くなり、前後の駆動も配分も変わるようです。

 

華麗にドリフトが決まった半分は、電子制御のLDVI(ランボルギーニ・ディナミカ・ヴェイコロ・インテグラータ)のお陰かもしれません。そして、タイヤがしっかり路面を掴んでくれるし。

 

インストラクターは横から「GO!GO!」と私を煽り、コースに慣れてくると私も徐々にスピードアップ。それにしても自分でクルマを操ってる感、とにかく最高です!個人的には「ランボルギーニ史上、最も楽しいランボルギーニ」と言っても差し支えないでしょう。

 

乾いた土の上を走った後は砂煙が立ち、疾走感抜群。(私には見えてないけど)ああ、なんでこの写真がないの!?(笑)

↑【編集部補足】提供されたプレス用画像に吉田由美さんのイメージするような画像ありました

 

サーキットでの試乗後は、公道試乗。西部劇に登場しそうな荒野をひた走る…。と思ったら、実はカーナビの設定間違いで、違う目的地を設定するというアクシデントが。途中でスタッフに間違いを知らせてもらったのですが、おかげで設定コースより多くの距離をステラートで走ることに体験ができました。

 

50㎞ぐらいの一本道の直線道路は、いくら走っても同じような景色で圧倒。思いも寄らぬ試乗機会となりましたが、乗り心地は意外にも悪くなかったのが印象的です。

 

世界中からプレスを呼んだ今回の試乗会のうち、日本人チームは最後から2番目のタームだったのですが、私たちが乗るときには1本数十万円もするウラカン ステラートのホイールはほぼ全車が傷だらけ。しかもどこもかしこも。それだけみなさん、走らせて楽しい、操って興奮する一台だったといえるでしょう。ちなみに、傷がつくのはランボルギーニも了承済み。実に太っ腹です。

↑ホイールのあちこち、ゴリゴリです

 

さてウラカン ステラート、日本でのお値段は3116万5367円(税抜)。世界限定1499台で、すでにほぼ完売だそうですが、万が一ということもあるようなので、気になる方はディーラーへご相談くださいとのこと。

 

なお、この試乗会でお会いしたシンガポール在住のランボルギーニ広報女史とのディナーによると、シンガポールではウラカン ステラート、1億円だそうです(笑)。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

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