4月8日深夜0時58分(※一部地域をのぞく。放送時間は放送回により変更になる場合があります) よりスタートしたTBS系ドラマストリーム「三人夫婦」に出演するIMP.の鈴木大河さん。男性二人×女性一人の“三人”で新たな夫婦の形を紡ぐ、まったく新しい物語において、鈴木さんは男性陣の一人、里村新平を演じている。
三人夫婦のきっかけは鈴木さん演じる新平。主人公の三津田拓三(浅香航大さん)に、拓三の元カノで新平の今カノ・矢野口美愛(朝倉あきさん)と三人夫婦を提案することで、物語は展開していく。鈴木さんは熊坂 出監督より「自由に、大胆に」という演出を受け、その言葉を胸にやりきったと達成感をにじませた。
CREA WEBでは前後篇で鈴木さんにインタビューを実施。前篇では「三人夫婦」の撮影エピソードに加え、連ドラ2作目の挑戦や、主題歌の「Cheek to Cheek」(IMP.)のことまで、意気込みを素直に語ってもらった。
――「三人夫婦」は男2・女1の新たな夫婦の形を描く、一風変わったテーマのドラマです。お話がきたときはどんな印象でしたか?
最初話を聞いたときは、タイトルがまだ決まっていなくて、拓三さん(浅香航大さん)・美愛ちゃん(朝倉さん)・新平の3人の関係性についてだけ教えてもらったんです。まったく想像がつかなかったんですけど、その後にタイトルを聞いて「なるほど! 三人で夫婦か!」と何だかしっくりきました。世間的にはもちろん存在しない言葉ですけど、いざ台本を読んでみたら「三人で夫婦の関係性は、何で今までなかったんだろう」と思うくらい、僕の中では腑に落ちたんですよね。
――演じる新平は、どんなキャラクターなんですか?
新平はハツラツとしていて、元気の塊みたいなイメージでした。年齢も拓三さんたちよりちょっと下なので弟っぽくて、すごく自由なキャラクターというか。
それでも演じていくうちに少し印象が変わっていった部分もありました。拓三さんや美愛ちゃんとのやり取りの時に、新平は基本的に元気に対応して、場を明るくしようとするんですが、それが実は周囲を気にかけているからこその行動なんだな、とわかったんです。劇中ではシリアスな場面も出てくるんですが、そういったときでも新平だけは暗くならないように振る舞うように努力するはずだ、と。そのことは意識しました。
――本格的な連続ドラマへの挑戦は2作目となりました。クランクインの前は、どんな心境でしたか?
最初に台本をいただいたとき、セリフの量の多さに驚きました。超プレッシャーを感じましたね。台本のシーンごとに付箋を貼っていたんですけど、もう付箋だらけ(笑)。「これを撮影していくのか…!」とおっかなびっくりの気持ちでした。
――付箋には書き込みなどをされていたんですか?
パッと見たときにわかるように、その撮影の日付を書いていました。話数ごとに色を変えて「何話は何日に撮影がある」とわかるようにして、撮影が終わったら付箋を外していくんです。やっていくにつれて、「あんなにあった付箋がもうこんなになくなっちゃった…」となって。達成感もありましたが、最後のほうは、寂しさも感じてしまいましたね。
――それだけやりきった証かと思います。熊坂監督とは、現場でコミュニケーションを取られましたか?
ドラマの現場の経験が2作目なので、まだまだ基本からわからないことがたくさんあって。台本読みの前に一度、熊坂監督と1対1でお話する機会があり、そのときに「不安なところはない?」、「何か分からないことがあったら聞いてね」と、監督がすごく優しくいろいろと教えてくれたことがありがたかったですね。
キャラクターについて言うと、新平は自由な人なので、熊坂監督も「自由に、大胆に」という言葉をたくさんおっしゃっていました。新平にとってすごくしっくりくる言葉だったので、「自由に、大胆に」を意識することで肩の力を抜いてお芝居できたように思います。
――中でも印象的だったエピソードはありますか?
撮影しているときに、監督が考えていた芝居と僕の芝居に相違が生まれたことがあったんです。監督は「そうじゃないよ」と否定するのではなく、「これはどういうことだったの? どういう気持ちでお芝居をしたの?」とまず最初に僕の思いを聞いてくださったんです。最終的にしっかりと対話した上で「そういう意図だったんだ。それならそうしよう」と受け入れてくれて。一緒に作品を作るってこういうことなんだと感じました。
熊坂監督の演出の姿勢が、経験のない僕にとってきちんと芝居とは何かを考える機会にもなりましたし、後々褒めていただいたときにすごく自信にもなりました。
――三人夫婦の紅一点・美愛も濃いキャラクターです。鈴木さんから見て、結婚や恋愛相手としてどう思いますか?
新平としてじゃなくて僕として、ですよね(笑)? 美愛ちゃんの性格はとてもいいと思うんです。素敵な女性だなと思いますが、直してほしいところは…たくさんあるかな(笑)。新平と美愛ちゃんが一緒に住んでいる部屋のシーンがあるんですけど、とにかく洗濯物が散らばっているんですね。新平のものかなと思って見たら、どっちかというと、美愛ちゃんの洗濯物のほうが散らかってて(笑)。中には下着とかもあったから、これから先もし結婚するとかになったら、どうなっていくんだろう…と思いました。僕だったら、そこはちょっと直してもらいたいなと思っちゃうかも。
――逆に、美愛のいいところはどこでしょう?
美愛ちゃんは絶対「どっちでもいいよ」と言わないんです。「これとこれ、どっちがいい?」と聞いたら、美愛ちゃんは絶対「こっち」と示してくれる。自分の意見をきちんと伝えられるって、すごくいいと思うんです! 素敵なところですよね。
――本作の主題歌はIMP.さんの新曲「Cheek to Cheek」です。どのような楽曲になっているか、一押しポイントなどを教えてください。
まず主題歌をやらせてもらうということで、うれしさとともに責任をとても感じています。つい先日RECを終えたばかりで、現段階(※取材日時点)ではまだ仕上がっていないので、メンバー全員がとても楽しみにしています。曲調は、とにかくキャッチーでクール。歌詞も「三人夫婦」にぴったりなんですよ。英語で「新しい恋を始めてみようよ」みたいなフレーズがあるんです。“三人夫婦”というもの自体が、そもそも新しいじゃないですか。そことリンクしているなと、僕は歌いながら思っていました。作品と同じように「Cheek to Cheek」も皆さんに愛していただけたらなと思います。
――ちなみに、「三人夫婦」に出演することに関して、他のメンバーの反応はいかがでしたか?
ほかの仕事のときやツアーのときに僕が台本を読んでると、「『三人夫婦』ってどういうこと!?」と、みんなタイトルにすごい食いついてきました。題名にインパクトがあるので「どういう作品なの!?」とメンバーからは質問責めでしたね。まだきちんと答えていないですけど。答えは、オンエアを見て確認してもらいます(笑)。
主題歌が決まったときもすごく喜んでくれました。ドラマのスタートとリリースのタイミングも重なっているので、メンバー一同、気合いが入っています。もちろん僕も。是非多くの人に観てもらいたいですね。
鈴木大河(すずき・たいが)
1998年千葉県出身。2023年7月よりIMP.として活動。「未恋〜かくれぼっちたち〜」(関西テレビ)にてドラマ初出演。4月8日(火)よりスタートするドラマストリーム「三人夫婦」は連続ドラマ2作目となる。IMP.として4枚目のシングルとなる主題歌「Cheek to Cheek」も好評配信中。
文=赤山恭子
写真=鈴木七絵
メイク=大森創太(IKEDAYA TOKYO)
スタイリスト=山本隆司(style³)